「Bloodrayne」 with Mark Randel #1 Text & Photo by 奥谷海人 ■Terminal Reality, Inc.とは?
Terminal Reality社が設立したのは,若くしてMicrosoft社の「Flight Simulator」のゲームエンジンを開発したマーク・ランデル(Mark Randel)氏が独立した1995年のことだ。同社の処女作は,同じくMicrosftから発売されたアクションシューティング「Terminal Velocity」である。 ランデル氏自身はゲームデザイナーではなく,「僕は生粋のプログラマーだから」と立場を表明している。そのためか,Terminal Reality社の作品群を見ていても,アドベンチャーからアクション,フライトシム,レーシングなど,ジャンルが多岐に渡っているし,最近ではPCだけでなく,プレイステーション2やXbox用のゲームも開発している。Microsoftからも「Monster Truck Madness」というレーシングシミュレーションをリリースしていたが,PCで発売されたオフロードレーシングの「4×4 Evo」の続編は,Xbox発売のとき,同時リリースタイトルの一つに名を連ねた。 ランデル氏の作品には,いつも"物理効果のシミュレーションを実現することの楽しさ"という,開発者としての興味が追求されているような気がする。3Dの地形を生かして「セスナの浮遊感はFlight Simulator以上」と言われた「Fly!」がその典型的な例だろうし,「Nocturne」で達成されていた衣服のシミュレーションだって記憶に新しい。ただ小資本のゲーム会社ゆえに,ライセンスされた飛行機の少なさとか,ゲームデザインでの未熟性などは指摘される部分であろうが,ランデル氏と彼の率いる一団が,アメリカでも屈指の人材の集まりであるのは間違いないだろう。
■Bloodrayneは11月に発売予定
ノリとしては,Nocturneと「トゥームレイダー」を足して2で割ったような感じで,大人のゲームを意識した軽快ながらも残虐的なアクションと,ちょっぴりセクシーな女性を主人公にしたゲームとなる。シングルプレイヤー専用のゲームだが,コンソール機に合わせたスプリットスクリーン(画面分割)モードなら複数で楽しめるようだ。 発売元は,ニュージャージー州で1986年に発足し,ハドソンの「ボンバーマン」シリーズなどをアメリカで販売してきたMajesco Games社。昨年末にはイギリスのRage Games社と提携するなど,ここ1年ほどで非常に活発な動きを見せるようになった販売会社である。Bloodrayneは同社初のマルチプラットフォームソフトとして開発されており,アメリカでは11月に発売される予定となっている。現在はβ版開発に向けたラッシュという忙しい状況の中で,Terminal Reality社にお邪魔させてもらった。 次のページへ |