● 多様性のあるユニットと戦闘方法
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| Ensemble Studios社の通路には,広告用のアートやボックスのサンプル,ポートレート,イメージ画などが貼られていた |
「Age of Mythology」は,これまでのシリーズと同様に,多くの食料と金を負担することによって次の時代へと発展していく。それぞれの時代は,"Archaic
Age" "Classic Age" "Heroic Age" "Mythic Age"と名付けられている。時代が進化するのに従い画面トップに表示される二人の副神から1神を選択するのはすでに述べたが,このチョイスによって,生産できるユニットや建物,そしてアップグレードも変化してくる。
例を挙げておこう。ノースのオーディーン神でプレイした場合,Mythic Ageで"タイア"(Tyr)と"バルディア"(Baldr)という副神が登場する。タイアは砂漠であっても雪を降らせ,同時に大量発生するオオカミで農民達を襲う"フィンブルウィンター"(Fimbulwinter),バルディアは農民ユニットすべてをヘルシル(Hersir)というヒーローユニットへと変更する"ラグナロック"(Ragnarok)のゴッドパワーを持っており,また,タイアはフェンリスウルフの生産や歩兵ユニットへのアップグレードができるのに対し,バルディアは騎馬兵やシージ船へのアップグレードができる。このように,各神々に特殊能力と特殊ユニットが用意されているのがユニークで,相手や地形の状況に合わせてパターンを変えていくなど,プレイヤーに戦略的な思考が要求されるのだ。ここが,「Age
of Mythology」でも一番輝いているフィーチャーであるのは間違いない。
Mythユニットは,ギリシャのユニコーンやエジプトのロックのように,壁を乗り越えて敵地に侵入できる飛行型のものも用意されているのが特徴。もっとも,すべてが攻撃能力を持っているのではなく,ロックのように兵隊ユニットを運んだり,ノースのフロストジャイアントのように敵を凍らせてほかのユニットの餌食にするようなタイプのものもある。各文明には,だいたい10種類程度のMythユニットが登場するが,副神の選択によっては異なる構成となる。
さらには,水軍系のユニットにも変化がみられる。一隻の船のタイプから,カスタマイズによって変化するシステムになったのだ。例えば,投石器を搭載するとシージ船になったりと,プレイヤーの判断やアップグレードによってさまざまな用途が生まれてくるわけだ。
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ノースのトール神の文明だ。いかにも北欧の町らしいたたずまいで,ブタを丸焼きにしている様子も伺える。今回のキーワードは"ブタ"なのだろうか |
● ヒーローユニット
ヒーローユニットについても紹介しておこう。ヒーローユニットは,主神に合わせて各時代に一人ずつ登場するようになっており,ヘラクレスやアルゴなどがこれにあたる。ヒーローユニットはそれだけでも強力だが,Mythユニットとの戦闘ではとくに威力を発揮する(もっとも,ギリシャにはサイクロプスの酋長ポリュフェモスというMyth系のヒーローユニットが存在することも分かっている)。
ヒーローユニットの登場の仕方は各文明によって異なる。共和制だったギリシャは都市で生産でき,王制のエジプトは最初からファラオが登場し,狩猟民族のノースは戦闘の繰り返しによって通常ユニットからヒーローユニットが生まれてくるのだ。また,ギリシャは1ゲームで複数のヒーローユニットを生産し,軍団を引率させるなどに使えるが,ほかの2文明ではプレイヤーがヒーローを選択することはできなくなっており,エジプトならファラオ,ノースもヘルシルという戦闘的なヒーローユニットに限定されている。
ノースの第四時代のゴッドパワーRagnarokが,農民ユニット全員をヒーローユニットにしてしまうという強力なものであることはすでに紹介したが,裏を返せば自分の生産能力がゼロになってしまうということでもあり,最後の決戦で利用するなど限られた使い方が想定される。ヒーローユニットは大量に生産できるものではないが,適材適所で巧みな戦術的利用が求められるだろう。
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| 戦闘の神アテナ神(左)と,祝福の神ディオニソス神(右)。一見頼りなさそうなディオニソスも,Mythユニットでは三つの頭を持つヒドラを制作できるなど,使い道のある神である |
● グラフィックスとインタフェース
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| 「Age of Mythology」では,昼だけでなく夕方や夜など時間を選択してプレイできるようになっている。夜の戦闘では,とくにかがり火やファイアーブレスのようなグラフィックス効果が映えてくる |
「Age of Mythology」が前作までと大きく異なるのは,3Dグラフィックスへと進化したゲームエンジンで,地形や建物はもとより,ユニットや樹木までもが3Dモデルで制作されている。それでいて定評のある繊細な描写は損なわれておらず,波が浜辺にうち寄せる様子や波紋に加え,雪原の上をユニットが通ったときにできる足跡も印象的だ。アイドル時のユニットを観察していても,暇そうにあくびをしているものもあればクシャミをする描写もあるし,砂漠のマップでは熱さで額を拭ってみせたり,雪原マップでは身震いをしたりするのだ。以前なら,3Dで制作したモデルを2Dに置き換えるという作業が必要だったのに,「Age
of Mythology」ではそのままゲーム中に使用できるのだ。
またマップの制作時に昼夜の設定を行うこともでき,夕方ならユニットの影が長くなるのもEnsemble Studios社らしい。3Dであるため,カメラのローテーションも自在に変更できるようになっており,カメラの位置に合わせて影の方向も変化する。さらに,ユニットの防具などをアップグレードしたときにはすべてルックスに反映するようになっているという芸の細かさで,これは敵の進化具合を確かめるのにも有益な判断材料となるはずだ。
DirectX8.1に対応したグラフィックス効果の派手さはいうまでもなく,すでに公開された画面写真でも確認できる通りである。地形も3Dになった分だけ,伐採によってなぎ倒される樹木の様子も再現されており,地形をも変形させてしまうような"Meteor"(隕石)のようなゴッドパワーも用意されている。ただ,やはり"Lighting
Storm"のような見栄えの良いゴッドパワーはPCへの負担も高くなるので,別々のプレイヤーが同時に発動できないなどの処置が取られている。
インタフェースは,これまでの作品やほかのRTSとも共通する使いやすいものになったおり,それに若干の変更が加えられた。アイドルになっている農民ユニットを探し出すタブが,右上の帯型のものへと変更されたのだ。ここには,さらにユニットを軍団化するためのタブも用意されており,1から9までの軍団へと容易に設定することが可能になった。
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