自機の成長をメインにしたユニークな作品
ハイスコアのための試行錯誤が楽しい
TECHNO-SYLPH -vsys gaiden-
 

作者名 KBZ
バージョン 1.02
配布種別 フリーソフト
アーカイブファイル名 v2_102.zip
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リプレイムービー
(9.7MB/MPEG/19秒)

 シューティングゲームである程度の多様性を維持するためには,自機の攻撃システムが工夫されている必要がある。望まれるのは,指先に課せられる動きへのオリジナリティだ。そしてこの「TECHNO-SYLPH」は,そうしたオリジナリティとして自機を成長させる要素を盛り込んだ作品である。

 画面は上を奥に倒しこんだ3D風のタイプ,キャラクターは立体的だが高低差の要素はなく,ゲームはあくまでも平面の中で完結する。このように見た目はシンプルだが,自機のパワーアップシステムは一転してかなり複雑だ。それに加えて機体そのものが入れ替わる要素もあるので,プレイヤーが面倒を見る領域は広くかつ細かい。

 何より特筆すべきは,ボムを発射すると自機がパワーアップするというユニークなシステムだろう。また,ノーマルのショットは攻撃レベルを任意に変更可能で,レベルを上げすぎるとエネルギー補充の効率が悪くなる。同様にボムの攻撃レベルも任意に選択でき,レベルの高いボムはエネルギーを多く消費する。
 ボムのレベル選択は,自機のパワーアップ要素の選択を兼ねている。敵を倒すのに必要なレベルを超えるだけのエネルギーを溜めてボムを射つと,自機がパワーアップするのだ。また,敵を倒すと出てくるアイテムで,エネルギーを補充したりゲージを伸ばしたりもできる。
 このシステムの理解なくしてプレイは楽しめない。最初は攻略を放棄し,あえて捨てプレイを繰り返してでもパワーアップシステムの把握に勤めたい。このゲームの面白さはそこからである。

 一方,ほかの弾幕系シューティングと同様の,敵の攻撃に翻弄される趣を求めると,このゲームではとりあえず肩すかしを食らってしまう。プレイヤーの忙しさを踏まえてか,かなり抑制の利いた敵配置が続くのだ。エリアとしての区切りはあるものの,エリアごとに激しい攻撃を担当するボスが出てくるわけではない。とくに序盤の攻撃は非常に散発的で,プレイしていてほとんど圧力を感じない。

 しかしその薄さは,自機のパワーアップを図るためにプレイヤーに与えられた余裕に過ぎない。作業を理解せずに薄い敵を軽く捌いて,3D風ゲームにありがちな避けの難しさゆえに攻撃が淡白に設定されているのだと一人合点してしまっては,このゲームのこのゲームらしい楽しみ方にはたどりつけない。
 自由度が高く見える一方で,公式サイト上のスコアランキング上位の微妙な争いを見れば,緻密なプレイに耐える作品であることが分かる。そして改めて見ると,この作品にはゲームオーバーになったところから継続プレイといった,ヌルい仕様は用意されていないことに気づく。そう,自由度を活かしてどこまでもプレイのパターンを詰めていくのが,この作品の楽しみ方なのだ。

 難易度設定は存在せず,コンフィグレーション要素もごくわずか,背景の雲のグラフィックスを表示する/しないくらいである。理想をいうならパッドやスティック用にボタンの割り当て変更くらいは欲しいところだが,そこは仕方がない。見た目や展開のシンプルさと逆に,複雑な自機のシステムを使いこなすのが楽しい,やり込み甲斐のある一本といえる。

(八重垣那智)


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キー操作
( )内はパッドでの操作
移動 ←/→/↑/↓
メインショット Z(ボタン1)
ボム X(ボタン2)
ショットレベル切換 A(ボタン3)
ボムレベル切換 S(ボタン4)
ポーズ

バックスラッシュキー(「ろ」キー)

ゲーム終了 Escキー

動作環境
PentiumIII/500MHz以上推奨
メモリ 128MB以上推奨
ビデオメモリ 16MB以上推奨
Windows 98/Me/2000/XP
DirectX 8.0以上

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