テクノな画面でひたすらボス戦
斑鳩風やギガウイング風のモードも搭載
rRootage
 

作者名 ABA(長 健太,ABA Games)
バージョン ver. 0.23
配布種別 フリーソフト
アーカイブファイル名 rr0_23.zip
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(4.3MB/ZIP)
リプレイムービー
(10.1MB/MPEG/21秒)

 どこまでもシンプル。それが「rRootage」の美学だ。ワイヤーフレームのみで構成されたコントラストの強い画面は,余計なオブジェクトで気を惹かないぶんプレイヤーを奥深くへ引き込み,「ひたすら弾を避け続ける機械」へと変える。
 世界観の解説や凝りまくったグラフィックスなどないし,キャラクターが出てきてしゃべくり倒すわけでもない。画面にはひたすら,丸・三角・四角が展開されるだけだ。だが,その丸・三角・四角がある配列を持って画面を埋め尽くし,適度なビートを刻むBGMが加わったとき,そこに見えてくるのは完成した弾幕シューティングである……。シューティングゲームの最も本質的な部分を,rRootageは教えてくれる。

 rRootageのミニマムかつ統一感のある雰囲気に,大きく貢献しているのがBGMだ。名作といわれるシューティングゲームには必ず印象的な曲があって,それを聴いただけで「あぁ,あのゲーム」と分かるものだが,rRootageの場合事情は少々異なる。「テーマ曲」としてではなく,まさにBGM,雰囲気作りの一環として秀逸なのだ。
 低域の強調されたテクノサウンドがワイヤーフレームの画面と渾然一体になり,プレイヤーを"電子"の世界へ誘う。サブウーファから短いテンポで打ち出される低音に身を任せつつ,ただひたすらにボス戦を続けていくのだ。大仰な目的などない。あるのはただ,コントローラというインタフェース,音という環境を介して,ゲームと己の脳が直結したことに対する愉悦のみである。
 ダウンロードしてみて,「いける!」と思ったプレイヤーはぜひ,サブウーファを含むスピーカーシステムを用意し,心身ともに「ハマれる」コンディションを作ってから,本格的にプレイしてほしい。

 弾幕シューティングというと,とにかく難しいものと思われがちだが,rRootageには大まかに9段階のレベル設定が用意されている。最も低いレベルに設定すれば,「どうもシューティングは苦手」と思っている人でも,ちょっとした練習でクリアできるようになる。少々古いたとえだが,初代「ツインビー」の1面くらいといえばいいだろうか。
 そうかと思えばレベル4〜5程度の設定では,弾幕慣れしているプレイヤーでも気を抜くと画面端に追いつめられるという緊張感が味わえる。

 難易度とは別に「NORMAL」「PHY」「IKA」「GW」という四つのモードを備えているのも,rRootageの大きな特徴だ。NORMALはボム&自機スピード可変の標準仕様,PHYは「グレイズメーター」という"かすりパワーアップシステム"を導入した「サイヴァリア」風,IKAは自機と敵弾が白/黒の属性を持ち,同じ属性の敵弾を吸収できる「斑鳩」風,GWは敵の弾を跳ね返す「リフレクター」を備えた「ギガウイング」風となっており,遊び心もなかなかのもの。今から弾幕シューターとして修練を積むなら,全ステージクリアまでたっぷり1年は遊び倒せるはずだ。

 いきなり高いレベルを目指さなくても,自分にとってちょうど面白い難易度設定,つまり「何回かに一度はクリアできる」程度の設定はすぐに見つかるだろう。それを探して,まずはゲームと一体化してみほしい。繰り返しになるが,そのためにはサブウーファがあると効果的だ。

 「こちら」のABA Gamesのサイトでは,このほかさまざまな作品が配布されている。rRootageに魅力を感じた人は,レトロモダンハイスピードシューティングこと「PARSEC47」,アブストラクトシューティングこと「Noiz2sa」も併せて試してみるといいだろう。

(佐々山薫郁)


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キー操作
( )内はパッドでの操作
移動 ←/→/↑/↓(レバー,十字キー)
レーザー Z(ボタン1,ボタン4)
スペシャル X(ボタン2,ボタン3)
ポーズ P

動作環境
Windows 98/2000/XP
OpenGL必須

(C) 長 健太(ABA."Saba")

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