Back
サクリファイス〜神々の咆哮〜完全日本語版

・サクリファイスのレベルエディタ「Scapex」を使ってみる

Text by 虎武須(Kobs)
21st Feb. 2001

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  なかなかマニアックなチョイスでローカライズをして,我々を楽しませてくれるズー。そのズーの最新作「サクリファイス〜神々の咆哮〜完全日本語版」(以下サクリファイス)は,以前当サイトでも英語版のレビューを載せた作品の完全日本語版だ。
 サクリファイスは,その独特な雰囲気と特殊なゲームシステムなどから,海外では2000年の最も優秀なRTS(リアルタイムストラテジー)として数々の賞を獲得している作品。しかしその特殊なシステムゆえ,チュートリアルなどが英語のままでは日本のファンから受け入れられにくかったという点は否めない。しかしこのたび,待望の日本語版がズーから発売されるので再び紹介しよう。なおゲーム概要はすでに英語版のレビューで述べてあるのでそちらをご覧いただくとして,ここではその記事で伝えきれなかった部分に少し触れておきたい。
 ちなみにサクリファイスで日本語化されたのは,メニューなどはもちろんだが,主にチュートリアルやシングルプレイ時のセリフ部分だ。音声はオリジナルのままで,吹き出し部分のみが日本語表示という形式が採用されている。チュートリアルはかなり親切な作りなので,サクリファイスの複雑なシステムを理解するのに役立つだろう。

ダイナミックなゲーム進行がウリ
 サクリファイスはその世界観のみならず,ゲームシステムも独特だ。まずRTSとしては非常に珍しいことに,ゲームがプレイヤーを後方から眺めた視点で進行する。これは,FPS系のアクションゲーム的な爽快感を醸し出す半面,部隊の分割が非常にしづらいことを意味している。
 おのずと戦闘は全勢力同士のぶつかり合いとなることが多く,ここで部隊のユニット構成やフォーメーションの技量が問われることになる。普通のRTSとは違うセンスが必要なのだ。

クリックすると拡大します クリックすると拡大します ユニットが死んでも痛くない?
 また,最近のRTSらしく単なる物量戦でカタがつかないようなさまざまな工夫が凝らされているのだが,それを端的に表しているのが,クリーチャーを召喚するのに必要な「魂」の存在だ。
 マップ上には限られた数の魂しか存在しないため,当然いかに多くの魂を獲得できるかが,軍隊の増強のための鍵となる(一種"資源"のようなもの)。もちろん敵ユニットの魂をすんなり奪うことはできないので,いくら敵のユニットを倒してもその魂を奪取できなければ,自軍の増強にはならない。逆にいえば,部隊ユニットをいくら倒されてもその魂さえ回収できれば,また新たなユニットを召喚できるので決定的な打撃とならない。これがサクリファイスのユニークさを決定づける最大の特徴ではないだろうか。
 そのほかにも,ユニットの特殊能力やウィザードの魔法など,さまざまな要素が複雑に関係している。単なる物量作戦では勝てないし,また不利な状態に陥っても戦略次第では一発逆転のチャンスもあるというわけだ。

グラフィックスに抵抗がなければお勧め
 3Dならではのダイナミックなゲーム展開,異様ともいえるユニークな世界観,種族ごとに特徴がありながら絶妙なバランス,RPG的な要素を加えた経験値システム,派手で美麗なグラフィックス,そして特異ながらも秀逸なゲームシステムなど,サクリファイスはいたるところが特徴的で,新鮮な面白みが満載だ。
 そこらのありきたりなRTSでないことは,自信を持って保証しておこう。変わりダネが好きな人だけでなく,純粋なRTSファンにもぜひプレイしてほしい1本だ。当サイトでも,継続的に情報を掲載していくのでお楽しみに。

クリックすると拡大します クリックすると拡大します


■発売元:ズー
■価格:8800円
■問い合わせ先:ズー TEL 0268-38-1561 ■動作環境:Windows 9x/Me/2000,PentiumII/300MHz以上(PentiumII/450MHz以上推奨),メモリ64MB(128MB以上推奨),DirectX 7以上,最大4人のマルチプレイ可能
■英語版デモ(90.79MB):http://www.4gamer.net/patch/demo/sacrificedemo.exe
SACRIFICE:C 2000, Shiny Entertainment, Inc. All Rights Reserved. Sacrifice, Interplay, the Interplay logo and "By Gamers. For Gamers." are trademarks of Interplay Entertainment Corp. Shiny and the Shiny logo are trademarks of Shiny Entertainment, Inc. Uses Smacker Video Technology. Copyright C 1994-2000 by RAD Game Tools, Inc. Uses Miles Sound System. Copyright C 1991-2000 by RAD Game Tools, Inc. All other copyrights and trademarks are property of their respective owners. All Rights Reserved.