フーリガン 日本語版 1/2

Text by トライゼット西川善司
12th Jun.2002

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※作者と編集部の協議の結果,大変読みにくい文体となっとおりますが,なにとぞご了承ください

■フーリガン現る!

サッカー場入り口で大乱闘。これフーリガンの常識ヨ

 背後から,突然見知らぬ男が話しかけてきた。

謎の男:
ハロー。私,実ハHooliganナンデース。
(善):
うわっ。な,な,なんだ,キミは。「フーリ癌」とか言われても,フーリって体のどの部分よ?
謎の男:
Bloody Hell! ソウジャナイっ。私,Hooligan。今,ワールドカップ日本デ開催中ネ。シッテル? Footballアルトコ,Hooliganアリヨ。チナミニ,我ガEnglandデハSoccerハFootballトイイマース。
(善):
漢字とカタカナと英語が混じって読みにくいなぁ。
自称Hooligan:
では,特別にカタカナ減らしてしゃべってあげマース。ともあれみんな,Hooliganのことをよく分かってないネ。Hooliganのことをもっと分かってもらうために,こんなGame持ってきたヨ。
(善):
ああ「フーリガン」ね。なんか一部のマスコミに取りあげられて「こんなゲームはけしからん」みたいなこと言われちゃったらしいじゃん。
自称Hooligan:
Gosh! That was not right! このGameはHooliganにSpot lightを当てたEntertainmentネ。戦争を取り扱ったGameがよくて,なぜHooliganのGameがダメなの?
(善):
こう,ほら,人を殺したり強盗を働いたりとか,モラルの部分で良くないってことじゃないの? 大体さ,こういう時事ネタ系のゲームって内容があまりないものが多いじゃん。
自称Hooligan:
Oops! これだから日本人ダメネ。English流の高度なユーモアが分かってないネ。この「フーリガン 日本語版」というGameはStrategy Gameとしても一流なのヨー。私がこのGameの面白\さと魅力教えてあげマース。


■フーリガンとは?

実写ムービーで語られる壮大なスペース・フーリガン・サーガ 資金確保のためにお店襲撃。一般人もみんな殴り殺し。歩道は血の海

自称Hooligan:
このGameでプレイヤーは,あるHooliganグループのLeaderとなりマース。
(善):
で,サッカー場で暴れるんだろ。迷惑な連中だよな。
自称Hooligan:
No! No! No! 違いマース,我々Hooligansは特定のFootball TeamのFANなのデース。むやみやたらには暴れまセーン。
(善):
じゃあどういうとき暴れるの?
自称Hooligan:
敵のFootball Team選手に,嫌がらせしたり,敵Football Teamを応援しているHooliganグループを排除するときに暴れるのデース。
(善):
というと不良グループ同士のケンカみたいなもんなのね。
自称Hooligan:
That's right! 元々は「Hooligan」とは「不良少年」という意味があるのデース。昔Londonに住んでいたIreland姓の荒くれ者のその姓名が語源といわれていマース。
(善):
ふうん。わたしゃFoolgunかと思って,「Fool(ばか)」「Gun(鉄砲)」で,ばかで無鉄砲なヤツのことをいうんだと思っていたよ。マジで。それで,ゲームの目的は?
自称Hooligan:
いろいろありマース。基本的には敵Hooliganチームを全滅させることデース。Single Playerでは自分達が応援しているFootballチームの選手達を,敵Hooliganグループから守る護衛Missionなどもありマース。
(善):
へー,なんか本格的だね。フーリガンといえば警察機動隊との衝突とかの映像をよくBBCニュースとかで見かけるよね。ああいう要素もあるの?
自称Hooligan:
Of course! 警察は敵味方関係なく全Hooligan達にとっての障害デース。やつらは我々を逮捕しにくる憎き敵デース。警察に捕まらないように逃げるMissionもあるヨ。
(善):
すると,どうなるとゲームオーバーになるの?
自称Hooligan:
おお,興味持ってきたネ。良い傾向デース。敵Hooliganグループに自分達が全員殺されたり,警察に全員逮捕されるとGameOverヨ。


■フーリガンの主食はビール,おかずはサッカー

ハンバーガーショップを襲おうとしたら警官隊と衝突。ヤツラは強いぞ。まと

(善):
シングルプレイを開始したら,なんか実写のムービーが始まったよ。
自称Hooligan:
俳優を使ったDocumentary Touchの実写Movieで綴られる壮大な叙事詩をWe present you。Single Player Gameは全部で11missions。Mission間のStoryは,この実写Movieで語られるのヨ。
(善):
壮大な叙事詩って……サッカー場で暴れている連中が語るべき言葉じゃないな。あ,ゲームが始まった。まずは何をすればいいの?
自称Hooligan:
唐突だが,我々Hooliganの主食はなんだと思うネ?
(善):
欧米はジャガイモが主食なんだよね。
自称Hooligan:
No! HooliganはBeerが主食なのデース。だかーら酒場を確保することが先決デース。
(善):
酒場に自分のメンバーを入れると占領したことになるのね。
自称Hooligan:
そう。敵Hooliganグループの酒場は一度破壊してから占領すれば,自分達のものにできるヨー。
(善):
酒場は一般的なリアルタイムストラテジーゲームにおける基地みたいなものか。しかし,ビールが主食って……あんたら社会生活脱落者的な感じね。
自称Hooligan:
気にしない気にしなーい。自分達のHooliganグループを強大なものにしていくためには,Memberを増やさなければなりまセーン。酒場には一般のFootball Fanもいるし,過激なゴロツキもいまース。彼らを味方に付けて兵力を増強していくのデース。
(善):
どうやって?
警察機動隊はひき殺せ。これがウワサの「轢殺」アイコン
自称Hooligan:
一般的なFootball FanはBeerをおごってやれば味方になりマース。だけど弱いし忠誠心も低いので,まー,やつらは雑兵ネ。当て駒ヨ。
(善):
すげー言われよう。ゴロツキ(ハードコア・メンバー)は金で雇うのか。ビールをおごるのも金がいるし……。あんたらフーリガンってどうやってお金稼いでんの? 
自称Hooligan:
んもう,おとーさんてば,それは聞かない約束でしょっ!
(善):
……畑作ったり,魚捕ったりしてるようには見えないよな。
自称Hooligan:
金は強奪して入手しマース。民家や商店などから窓叩き割ってお持ち帰りデース。
(善):
お持ち帰りデースってあんた,牛丼弁当じゃないんだから。
自称Hooligan:
我々Hooligan達にとって街全体が狩場なのデース。敵のHooliganグループも街を荒らしまくって資金を獲得してますから,早い者勝ちなのデース。
警官隊に取り囲まれちゃった。どーする?
(善):
早い者勝ちで強奪される民家や店側の気持ちを考えると,かなり不憫だよな。Hooliganiに荒らされた民家や商店はどうなるの?
自称Hooligan:
一定時間経つと復活するけど,再び財産が蓄えられるまでかなり時間が掛かりマース。襲える店は襲えるうちに襲ったほうがいいのデース。恋人と同じヨ。
(善):
全然同じじゃない。ところで,雇ったゴロツキはプレイヤーが操作できるけど,ビールおごって味方になったサッカーファンは操れないんだね。
自称Hooligan:
そう。みんなで歌を唄ったり踊ったりすると志気が高まり,ちゃんと付いてくるヨ。
(善):
歌ってる歌ってる……。歌って統率力を高めながら行進って……なんか幼稚園児の遠足みたいだね。うわ,なんかお店を襲撃したら店主がショットガンを撃ってきたぞ。
自称Hooligan:
あんた馬鹿ネー。その店,武器屋さんヨ。街の中にある店は強奪する対象としてだけでなく,利用できるのもあるヨ。武器屋は,その一つヨ。
(善):
ぶ,武装できるのか……。その武器が自分の町が破壊されるために使われるのを知りつつも,こんな暴徒に武器を売る店主もとんだ大馬鹿者だよ……。
自称Hooligan:
HooliganというGameは,そーゆー社会の矛盾性までも辛辣に描写した社会派Game作品と,もてはやされてマース。
(善):
うそつけ。


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