ToCA Race Driver 2
 :The Ultimate Racing Simulator
(Codemasters)

■シングルプレイデモ
 「Colin McRae Rally」シリーズと共に,Codemastersのレースシム二枚看板として知られる"ToCAシリーズ"最新作「ToCA Race Driver 2:The Ultimate Racing Simulator」のデモ版が登場。本シリーズは,DTM/GT RACING/ RALLY /STOCK CARなど15種類のカテゴリと31種のチャンピオンシップをごっそり収録しており,参戦しているFord/Aston Martin/Jaguar/Nissanなど各社からライセンスを取得,極めて高い再現度のマシンで実名のコースを走行できるのが特徴だ。
 ちなみに前作「ToCA Race Driver」は,北米で「Pro Race Driver」という名で発売されていて,今作もゲーム内の表記を見る限り「Race Driver 2」に落ち着いた模様。現在すでにCodemastersのショッピングページではプリオーダーの受け付けが始まっており,2004年4月23日に発売される予定だ。

 本デモ版はシングルプレイ専用で,遊べるのはSimulator ModesのFree Raceのみ。
 プレイ可能なカテゴリは,Vintage Classic/DTM/V8 Supercarsの3種類で,ドライブできるクルマはそれぞれJuguar E-Type Series II/AMG-Mercedes/Holden Commodore VY V8の3台。プレイしてみると分かるが,クラシックカーと現行車種の両方がドライブでき,世代差によるエンジンパワーやコーナリング性能の違いがキチンと体感できるようになっている。こういったデモ版にふさわしい演出を盛り込むあたりは,さすがにレースゲームのリリースを重ねてきたCodemasters,こなれていてうまい。

 さてレースゲームのプレイフィールを,"シミュレータ"か"アーケード"に大別するとしたら,本作は前者寄り。走行時のクルマの重量感やタイヤグリップの按配は実車のそれを彷彿とさせるし,シビアなライン取りやブレーキタイミングも多少練習しないとスムースにいかない程度に要求してくる。コーナーの立ち上がりにアクセルを開け過ぎてテールが流れたり,コーナリング前の加重移動をキチンとしないと曲がれないあたりは,多少のコツを要するものの,クルマ好きなら当たり前と感じる挙動を再現できている。Papyrusの某作品よりは楽だが,プレイし甲斐のあるデキだ。
 一方マシンのセッティング項目は,ダウンフォースやサスペンションなどの7項目と,前作と大きくは変わらない。ただ前作ではLOW/HIGH/MEDIUMといった大雑把な設定であったのが,今回は各セッティング項目を20段階で調整可能になったので,タッチ&トライでクルマの挙動を感じながら煮詰める楽しみは増したといえる。

 ある意味レースゲームの命といえるグラフィックスは,前作同様,美しいのひとこと。本作の(見た目の)特徴の一つともいえる太陽の照り返しを強調した路面の環境マッピングは健在で,クルマのリアルな挙動と共に地面とマシンの一体感がキチンと得られるような仕上がりだ。クルマ後部のディフェーザー辺りも細かいディテールで描かれているので,三人称視点でシゲシゲと見てみるといいだろう。
 ちなみに本作のフィーチャーの一つに,クルマのダメージマッピング用の「pro-sim」という物理エンジンが搭載されている点があるが,悲しいかな,上手くなればなるほど他車との衝突は減るので恩恵が見えにくい。フロントガラスがスパーンと割れたりスポイラーが弾け飛ぶ様子もなにげに頑張って(?)作り込まれているので,ベテランレーサーも,第一コーナーのダンゴ状態を利用したりして,一度は見ておこう。

 本デモ版は,レースシムの王道メーカーからの王道タイトルらしく,総合的にハイクオリティだ。ヘアピンカーブに差し掛かった時に壁の向こういるはずの車が透けて見えたりと,さりげなくクリティカルなポカも見え隠れしているが,デモ版の説明によると現在の完成度はまだ80%。ただ現段階でもレースゲーマーは大きく期待してよさそうだ。(Gueed)

■マルチプレイプレイデモ 2004.4.20追記
 Codemastersのレースシムシリーズ最新作「ToCA Race Driver 2:Ultimate Racing Simulator」のマルチプレイ専用デモ版が登場。内容は"80%の完成度"という触れ込みだが,ゲーム内容,サーバブラウザ共に挙動が安定したバージョンとなっているので,レースシムファンはぜひプレイしておこう。
 デモ版の仕様は,以前リリースされたシングルプレイデモ版とほぼ同じだが,今回はDTM/V8 Supercarsという2カテゴリのほか,Vintage Classicのジャガーの代わりに,FormulaクラスのFordがドライブ可能になっている。
 Formulaクラスということで上級者向けのピーキーなマシンを想像していたが,実際には加速/スピード/ステアリングがそれそれが非常にマイルドな味付けとなっていて,ほかの2カテゴリよりもアーケードライクにブンブン振り回して遊べる印象だ。急なコーナーも高速で進入してマシンをスライドさせつつクリアすれば問題なし。立ち上がり時のリアタイヤのグリップだけを気をつけていれば,初心者でも比較的安定してラップが刻めそうな雰囲気だ。
 選んだ視点方向によっては,ライバルカーにポリゴン欠けが発生したりとマルチプレイ特有の問題が発生するが,同じく以前リリースされたCodemastersのColin McRae Rally 04のマルチプレイデモ版(記事は「こちら」)と同様,少なめのラグで快適にプレイできるので,ぜひ一度お試しいただきたい。
 なお筆者の環境では,ゲーム内のGameSpyサインインメニューからGameSpyアカウントを作成する時に,"@"(アットマーク)が入力できないという問題が発生した(編集部のPC2台で確認済み)。日本語キーボードの問題なのだが,もし同じ現象が発生したら,デモ版を起動する前にGameSpyを単体で起動して,先にアカウントの選択や作成を済ませてログインしておこう。この操作でGameSpyのプロファイルを有効にしておけば,以後,デモ版内のメニューからプロファイル選択/パスワード入力が行え,GameSpyへのサインインが可能になる。(Gueed)

ToCA (TM) is a registered trademark of TOCA Limited used under license.(c)1986-2004 The Codemasters Software Company Limited ("Codemasters"). "Codemasters"(R) is a registered trademark owned by Codemasters. All Rights Reserved.

 

キー操作

  • ゲームメニュー Escキー
  • アクセル/ブレーキ ↑ / ↓
  • ステアリング ← / →
  • シフトアップ/ダウン A/Z
  • ハンドブレーキ Spaceバー
  • 後方確認 Endキー
  • 視点切り替え C
シングルプレイデモ(117MB)
マルチプレイデモ(118MB)

動作環境

対応OS:Windows 98/Me/2000/XP
CPU:PentiumIIIまたはAthlon/800MHz
メモリ:256MB以上
ビデオ:メモリ32MB以上搭載したビデオカード
DirectX 9.0b以降

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このページのScreenshotsは,すべてNVIDIAの「GeForce FX 5700 Ultra」グラフィックスチップ搭載カードを使用して撮影したものです

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