「Spec Ops」シリーズの開発元として知られる米国のデベロッパZombieの現代特殊部隊FPS,「Shadow Ops:Red Mercury」のシングルプレイデモが登場した。当サイトの「こちら」で紹介したように,Xbox版は2004年6月15日に発売されており,PC版は欧米で2004年9月21日に発売されたばかり。扱う題材が,人気タイトルのひしめくカウンターテロリズムということで,プレイフィールがリアルか非リアルのどちらへ転ぶのか,またどういった点で差別化を図ってくるのかが注目されていたタイトルだ。
本作において,プレイヤーは主人公Frank Haydenに扮し,テロリストの出没地域に合わせてデルタフォースを始めとした各国の特殊部隊と手を組み,チェチェン,コンゴ,カザフスタンなどを転戦することになる。画面を見ると主人公の周りに味方兵士が見えるが,それらは基本的にAI制御(というかスクリプト制御というか)のため,指令などは一切出せない。途中で味方と別れて,単身で大挙する敵と戦う場面もあるという,割とヒロイックに進めていくタイプのゲームだ。
ゲームプレイはというと,これがまた開き直ったように非常にストレートなFPSとなっている。操作体系もいたってシンプル,また主人公の体力もヘルス性となっており,リアル系特殊部隊FPS特有の緊張感もない。小気味良いライフルのリコイルを感じながら,多少の被弾はものともせずに,乱戦のなかで冷静に射撃楽しむという作りらしい。
そんなオーソドックスといえる本作でキラリと光を放っているのが,スクリプトと音楽をうまく組み合わせた映画的な演出だ。
デモ版の収録レベルは製品版の第1レベルにもかかわらず,スタート地点は砂漠地帯にあるシリアの市街地で,銃弾とロケット砲が降り注ぐ熾烈な戦闘の真っ只中。背後には悲壮感の漂うBGMが流れ,AKとRPGを手に乱射してくる民兵に囲まれて四面楚歌の状態からゲームが始まるあたりは,映画「ブラックホーク・ダウン」などを彷彿とさせる"いきなりクライマックス"の盛り上がりだ。同じゲームタイトルでいうと,「CALL OF DUTY」のファーストデモ(「こちら」)などを想像すると雰囲気が掴みやすいかもしれない。
本デモ版は,製品版のファーストレベルを収録。舞台は屋内/屋外の両方で,ドアの爆破などを行いつつ,最終的に敵勢力のAAガンを破壊するまでの正味30分ほどを遊ぶことができる。難易度はINFANTRY/RANGER/GREEN BERETの3段階があり,それにより敵の射撃精度やアイテムの回復率が変化する仕組みとなっている。
序盤で「おおこれは!」と感じる人が多いと思うが,ファイルサイズの割にあっさりと終わってしまうし,なにより本編で22個収録されているという武器のうち,ライフル/マシンガン/ピストルの3種類しか試せないのが少し残念。ゲーム進行が割りと単調なだけに,もう少しフィーチャーを盛り込んでほしかったところではあるが,爽快系FPSファンなら,一度試してみるといいだろう。(Gueed)
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