世界規模でリリースが熱望されていた,遊園地経営&ローラーコースター建設シム「RollerCoaster Tycoon 3」のデモ版が登場。E3時点でもプレイアブル展示されていただけあって,若干の延期をしながらも割とスムースにリリースされた。各種機能,時間制限こそキツめに設定されているが,Disableのメニューから製品版のボリュームが推し量れるなど細かいところで実に価値のあるデモとなっているので,シリーズのファンはぜひプレイしておきたい。
念のため説明しておくと,本シリーズは欧米で500万本強のセールスを記録している箱庭系ゲーム屈指のモンスタータイトル。熟成を重ねた経営シムフェイズと,極めてデザイナブルな建設フェイズを併せ持ち,ビジュアル,インタフェースその他もろもろ「The Sims」シリーズに影響を与えるほどのインパクトを見せた。1999年の初代「RollerCoaster Tycoon」と,マイナーチェンジバージョン「RollerCoaster Tycoon 2」を経て,"3"でフル3Dグラフィックスとそれに付随するビジュアル的なフィーチャーを抱えて登場したわけだ。
本デモには,カメラの操作,アトラクションの設置,コースターのデザインという三つのチュートリアルと,45分の制限付きシナリオモードが収録されている。サンドボックスモードは,今回はおあずけ。シナリオモードでは,二つほどのライドが配置されたマップで,目標の動員数達成とパークバリューの向上を目指すことになる。
経営シム部分のチュートリアルをすっ飛ばされたことだし,筆者が早速試してみたのは,ローラーコースターのデザイン。すでに慣れている人ならともかく,まずはデフォルトで用意されている「Looping Wasp」をカスタマイズするのが取っ付きやすい。
初期設置のピースを消去し,スロープを縦横に張り巡らせる。ある程度ピースの配置が終わったらAuto Complete機能を使うのが便利だ。これはスロープの先端と終端を自動で検索して最適なルートで接続してくれるもので,面倒で凝る必要のない仕上げ部分に威力を発揮する。
配置が終わったら,何度かテストを行ってスピードや興奮度,また乗客にかかるGなどを適切に(まぁこれが難しいんだけど)設定し,アトラクションをオープンにする。今回からは「Coaster Cam」モードとして乗客視点のカメラアングルが用意されているので,昇って落ちてひねる複雑なコースレイアウトを自分の目で確かめるといいだろう。
なお3Dグラフィックス化によって懸念されていた動作スペックだが,筆者の環境(Athlon 2500+ / RADEON 9600XT)で,1024×768ドット/グラフィックスクオリティ"High"の設定でも,思いのほか軽快に動作した。負荷のかかりそうな「Coaster Cam」も問題なしだ。当たり前のようにDirecrtX 9.0cを必要とし,湖面などもシェーダーをふんだんに使って描画されているだけに,このあたりはさすがにコアエンジン作りのうまさがうかがえる。ただアトラクションのゲートを配置する場合などに若干もたつく場面が見られたので,「SimCity 4」同様にCPU側にはそれなり負荷のかかる仕様のようだ。
実際にプレイすると45分はあっという間で,コースターのデザインと経営シム,またほかのライドの配置を一度に遊び込むのは少々つらい。もちろんセーブ/ロードも不可なので,繰り返し起動して遊ぶことになりそうだ。
残念ながら「Fireworks MixMaster」(花火)などのサブフィーチャーに関しては味わえないが,それでも昼夜の概念を盛り込んで時間と共に姿を変えるパークの様子など,実に高いクオリティを感じさせるデキだ。待ち合わせをしたり,新しいライドに飛び込んだりする来客(ピープ)の群れ制御のデキなども吟味しつつ,ぜひプレイしてもらいたい。(Gueed)
(C)2004 Atari Interactive, Inc. All Rights Reserved. All trademarks are the property of their respective owners.Programming (C)2004 Frontier Developments Ltd. Developed by Frontier Developments Ltd.
|