シベリア 日本語版(メディアクエスト)

 本作は,フランスのゲームメーカーMicroidsが開発したアドベンチャーゲーム。ド派手なグラフィックスを持たずゲームプレイの興奮度がやや低目なためか,PCゲームではあまりパッとしないジャンルではあるが,西洋特有の(?)重厚かつ陰鬱な雰囲気がちょっと興味をソソるタイトルだ。本作については,「ここ」のレビュー記事に詳しいので,ぜひご一読いただきたい。

 物語の舞台は,ヨーロッパのとあるオモチャ工場。主人公にしてニューヨークの若くて優秀な女弁護士ケイト・ウォーカーが,その工場の購入をめぐる協議のためヨーロッパを訪れるというもの。訪れてはみたものの,彼女が到着した途端に工場主が突然の死を遂げてしまう。アンナは取引を終了させるため,数十年行方不明になっている工場主の弟にして天才科学者「ハンス」の行方を追う――,というストーリーラインだ。

 ゲームプレイは,「バイオハザード」や「アローン・イン・ザ・ダーク」などと同様の3人称視点で展開され,プレイヤーは携帯電話やカギやメモといったアイテムを駆使して,数々の謎に挑んでいく。オープニングムービーからして土砂降りの雨の中にブリキ人形が従える葬列……と,ゲームはのっけからジメジメした暗い雰囲気。少し寂れた(かつチープ)なホテルから始まる本編は,ホラー映画のノリともいえるだろう。
 本作ではアクション性を排除してあるので,謎解きがメイン,そしてしばしば入手できる興味深い読み物などを読んでいく,いわゆるビジュアルノベル的な楽しさを持っている(「Myst」を想像すると分かりやすいかも)。キャラクターやNPC以外の部分はすべて2Dで処理されているが,細微まで書き込まれたグラフィックスため特別古めかしいカンジを与えられることもなく目を楽しませてくれる。所々で発生するイベントはムービーではなく,すべてリアルタイム処理の3Dキャラクターが登場するため,ちょっとしたロード時間はあるもののシームレスに展開されるので興が削がれることはないだろう。

 本デモ版では,本編開始直後にホテルで展開される数個の謎解きが楽しめる。ゲーム中はまったくBGMがなく,プレイヤーの足音と雨音が聴こえるだけと,徹底した雰囲気作りがウリのゲームなので,アゴ肘をついてじっくり腰を据えてプレイしみてほしい。

(C) 2002, 2003 Microids- (C) 2001 Typhoon Games (HK) Limited. All rights reserved. Author and Director:Benoit Sokal.

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