同名のボードゲームをベースにした,第二次世界大戦ストラテジー「Axis & Allies」。ボードゲーム版もさほどマニアックな重い内容ではなく,お手軽に楽しめることをウリとしている。当然RTSの本作もヘビー級ではないが,とはいえ"誰でもお手軽に楽しめる"というほどでもない,まあ中級者向けのRTSだ。
ゲーム名からも分かるように,本作は陣営を「Axis」と「Allies」の二極にザックリ分けているのが特徴。つまりゲーム全体がドイツ,日本vs.アメリカ,イギリス,ロシアの図式で描かれている。難解さはほどほどに抑えつつも,要素的にはヨーロッパもアフリカも太平洋も陸戦も海戦も丸ごと詰め込もうという魂胆である。また第二次大戦モノにしては珍しく,"生産"の概念があるのも特徴といえる。なお製品版では,「Axis」と「Allies」それぞれに12種類のミッションが用意されている。
ゲームエンジンは歴史ストラテジーの「Kohan II:Kings of War」と同じものが使用されており,RTSファンならそのあたりがどう生かされているかを観察してみるのも面白いのではなかろうか。このエンジンならではの"小隊システム"はユニットが管理しやすく,消耗したユニット群を補充/再編成するのが非常にラクなのはありがたい。ただゲームエンジンのせいかどうか分からないが,戦車の大群を動かしていると,まるで挙動が虫のようであった。
デモ版では,シングルプレイ用のチュートリアルを2ステージ,連合軍キャンペーンから1ステージ"Battle of Stalingrad",そしてランダム生成マップで楽しめるスカーミッシュモードが収録されている。さらにマルチプレイでは,ランダムマップを使用したLANまたはGameSpyで最大4人での対戦を楽しめる。なかなかの大盤振る舞いだ。
"Battle of Stalingrad"は,ロシアのZhukov軍としてSouth Stalingradを解放するミッション。マップの"1"の位置にあるSouth Stalingradは,まんまとドイツのPaulus軍(黄)に占領されている。
プレイヤー(青)はマップ上の隅から遊軍のような状態でチョコチョコと軍を揃えていくことになるが,実は同盟勢力として同じロシアのChuikov軍(赤)が存在し,こいつらが巨大勢力。ぼーっとしていると,赤チームが勝手にマップ全体の敵を壊滅させてゆき,目標のSouth Stalingradもほぼ制圧してしまう。
シナリオ性を帯びたマップは"Battle of Stalingrad"だけなので,どちらかというと純粋なマッチを繰り返し遊びたい人向けの対戦用デモといえる。ランダムマップはマップ中の森や山,海などのバランスを変更できるので,さまざまな地形で遊んでみよう。(Kawamura)
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