[E3 2004#127]スターリンの共産政権時代を描いたFPS「You are Empty」 - 2004/05/16 22:30


 「You are Empty」は,'50年代の旧ソビエト政権を舞台にした一風変わったFPSである。ストーリーは,スターリンの時代に,母国の未来建設のために完璧なソビエト市民を作り出そうという特殊実験が,著名な共産党員の科学者によって行われたという設定だ。しかし,その電波は実験の対象となった都市の多くの住人の脳細胞を破壊する結果となり,生き残ったものでも強暴になったりミュータント化するなどして,一瞬にして廃墟の町が出来上がったのである。

 ゲームのデモを見て気づくのは,とにかくスケールの大きな東欧風の近代建築が,石畳からレンガの壁,路地に横たわる壊れた荷馬車に至るまで細かく作り込まれていることだ。
 開発元のDigital Spray社は,起業した2001年以来ひたすらゲームエンジンの開発に取りかかってきたらしく,その成果がDirectX 9.0に対応させたDS2エンジンであるわけだ。さびかかったようなインダストリアルな雰囲気満載で,ところどころに国威高揚を叫ぶポスターが貼られていたりバナーが垂れ下がっていたりする。
 どことなく「Iron Storm」のようなイメージがあるが,光源処理がここ数年で進化したのは本作からも明らかで,光と影のメリハリがきいているのだ。

 ウクライナのGSC Game World社が作る「S.T.A.L.K.E.R:Shadow of Chernobyl」に対抗意識を燃やしているのか,デモでは精密に作られた列車のモデルも用意されていて,マップには駅周辺のほかにも工業地帯,病院,劇場,映画館,凱旋門のような巨大な建築物がひしめく赤い広場風の中心街などが存在する。地下鉄の駅や植物園などもストーリーに大きく絡んでくるということだ。
 突如として廃墟になった街らしく,薄暗い中で突然ミュータントが襲いかかってくるのが恐ろしい。ミュータント達は,筋肉が増強されていたり皮膚が変色して顔の輪郭が崩れてしまっていたりと,とりあえず人間の形を留めているだけで,かなり異様な姿のものばかりである。プレイヤーは,これらのミュータント達への特効薬を探して街をかけずり回るのである。
 マルチプレイヤーモードは計画しているとはいうものの,銃で激しく撃ち合うというよりも,協力して少しずつ進んでいくようなイメージで,一度に対決するモンスターの数も多くはなさそうだ。その分,街に生存している非戦闘系のNPC達も多く登場し,プレイヤーとの会話から物語が進行していく。
 結末は複数用意されているというマルチエンディング方式ということからも,このゲームがシナリオを重視しているのは分かるだろう。

 You are Emptyの発売日は未定で,まだキャラクターアニメーションやゲームシステムの構築はほとんど行われていないことから,2005年末頃に照準を定めていると考えられる。技術力は相当なものを持っているだけに,今後の続報が待ち遠しい一本である。(奥谷海人)

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