[E3 2004#070]「Dreamfall」で,人気アドベンチャー作品が復活 - 2004/05/15 17:40


 「Dreamfall:The Longest Journey」は,前作のようなポイント&クリックの正統派なゲームスタイルから脱皮し,プレイヤーキャラクターの背後から世界を見渡す第三人称カメラ視点を採用したアクションアドベンチャーへと生まれ変わったようだ
 オリジナル作品のような古風なゲームを期待していたファンには残念かもしれないが,実際にFun Com社の個室ブース内で公開されていたデモを見た限りでは,前作通りのテイストもしっかり残されている。ゲーム市場としては決して大きくない同社だけに,開発メンバーがここ数年間入れ替わっていないというのも大きな理由の一つだろう。

 Dreamfallのもう一つの特徴は,プレイヤーは物語を通して三つのキャラクターを操作するという点だ。
 時代設定は,前作からちょうど10年後ということで,30歳になって神秘的な魅力を培ったエイプリル・ライアンが再登場する。どのような経緯があったのかは知らないが,キャピキャピだった女子大生は暗く悲しい目つきとなり,将来への目的を見失ってしまっている状態だ。
 残りの二人は,黒の長髪を無造作に両側で纏めた新しい女子大生ゾーイと,"Thiefシリーズ"の主人公を連想させるアサシン系男戦士キーアンだ。
 これらのキャラクターは,例えばモンスターが通路に立ちはだかっているような場合,キーアンが背後から忍び寄って一撃を加えるのに対し,エイプリルはオトリやトリックなど頭を使って戦闘を回避し,社交的なゾーイなら直接話しかけて素通りするというように,物事へのアプローチも異なってくるのだという。
 戦闘が加わったことでアクション性が出ているが,比重としては断然謎解きが多いのは変わらない。

 このゲームのキャッチフレーズは"3人の主人公,三つの世界,三つのストーリー"というもので,前作のように現実世界と魔法世界に加えて,The Winterとだけ呼ばれるもう一つの異世界が登場することになる。そこにエイプリル,ゾーイ,キーアンの3人が,それぞれ違った形で絡んでくるのである。違った形とはいえ,三つのストーリーは複雑に絡み合い,最終的には一つにまとまっていくことになるのだと開発者は説明する。
 デモが始まると,すでにイントロムービーの時点で,Dreamfallが非常にドラマチックなアドベンチャーゲームになるのだろうと想像できる。どこか悲しいピアノの音色に合わせて,雪の舞う山間部の村の様子が映し出される。一新されたゲームエンジンは非常に美しいグラフィックスを作り出しており,雪に埋もれかかったレンガ道や室内の壁にかかったロウソクの揺れる様子が確認できた。
 現在使用できるキャラクターはゾーイのみ。アップになると瞬きをしており,すでにセリフもリップシンクされている。デモの担当者によると,声優も前作同様質の良いプロを選び抜き,クラシックと現代音楽が交じり合ったサウンドトラックも用意されるとのことである。
 予定では7.1chのサラウンドサウンドにまで対応させることになっており,本シリーズの音楽や雰囲気を存分に楽しむことができそうだ。

 Dreamfallは開発が始まってまだ8か月ほどしか経過しておらず,今後グラフィックス部分でも大幅にチューンナップされていくことだろう。
 残念なのは,あまり情報を出し過ぎないための処置として,2005年のE3までは新たな公開デモは行わない予定だということ。発売は,2005年の秋頃が予定されている。(奥谷海人)

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