[E3 2004#064]3年ぶりに帰ってきた「Myst IV Revelation」 - 2004/05/15 14:21

 アドベンチャーゲームの大御所"Mystシリーズ"は,ほとんど文字情報だけでストーリーを進めていくというゲームシステムが特徴のアドベンチャーゲーム。"時代"を本に記述するとその世界に入り込むことができ,プレイヤーはその世界でさまざまな謎やパズルを解いていく。
 forGamerの読者にわざわざ説明するまでもないだろうが,アドベンチャーゲームが(ここ1年ほどで少しずつ元気になってきたとはいえ)事実上死に絶えている昨今の状況で,数少ない"手堅い"アドベンチャーシリーズである。

 その3年ぶりにしてシリーズ最新作である本作「Myst IV:Revelation」(以下,Myst IV)は,画像の美しさに定評のあった「Myst III:Exile」(邦題「ミストIII エグザイル 完全日本語版」。以下,Exile)からさらにグラフィックス面を大きく進化させ,360度見回せる美麗なグラフィックスの中で,まさにその"時代"で行動しているように錯覚するほどのリアリティを持つこととなった。今回E3のUbi Softブースに出展されていたが,その開発状況は順調らしく,プレイアブルな状態となってデモが行われていた。
 そのブースには,前作ExileからのシナリオライターMary De Marle氏が常駐しており,Myst IVの魅力を自ら解説していたのが印象的だった。本人の口から直接聞けた情報をお伝えしていこう。



 Myst IVの舞台は,前作の10年後。AtrusとCatherineの夫婦とその息子,娘達が登場する。Exileで,一連の騒動が収まってストーリー的には一段落したが,今回は彼らの娘Yeesha(Exileでは赤ん坊だった)が失踪したところから始まるらしい。またMaryによると,初代Mystで登場した"兄弟"(AchennerとSirrus)も再登場するとのことで,どのようにストーリーが展開していくかが非常に気になる部分だ。

 ゲームシステムは基本的にExileを踏襲しているようで,360度見渡せる部分や固定場所での移動などは健在。そしてMyst IVでは,新たに"写真"という機能が追加された。つまり重要なシーンの画面を写真として保存しておく機能で,写真を撮ってそこにメモをつけることもでき(ゲーム中には地味に便利そうな機能だ),さらにそれをテレポータのように使えるらしい。Myst IVでも複数の"時代"が存在していて,写真を撮った同じ場所の"違う時代"へと行き来するための機能のようだ。
 幻想的な世界でのパズルはもちろん健在で,具体的な内容は聞くことができなかったが,難度的にはExileと同じくらいになるようだ。Myst IVでは"ヒントレベル"というものが実装され,そのレベルに応じてパズルの解法のヒントが変わるとのこと。ヒントレベルは3段階用意されるが,つまりこれがゲームの難度(EasyとかHardとか)を決めるものになるのかも。
 ちなみに,Myst IVでは新しい生物が数種類追加されるようで,これによって少し無機質だった"時代"がリアリティ溢れるものになったといえるだろう。マウスカーソルによって,それら生物に触ることができるのも,見ていて面白い。
 また今回からは物質の「材質」の概念も導入されている。マウスカーソルでいろいろなところを叩いてみせてくれたが,金属音,木を叩く音など,それぞれのオブジェクトの材質に応じた反応があった。むろんこれは,パズルにも大きく関わってくることになるとのことだ。

 DirectX 9に対応しているとのことで,さらに美麗なグラフィックス(Photo-Realistic Graphicsとのこと)となったMyst。さらに,今回ではかなりキレイなIn-Gameムービーが増やされ,よりストーリーを楽しめるようになっている。
 発売は2004年9月が予定されていて,Windows版とMac版のハイブリッドDVDで発売される模様。日本語版のリリース時期は不明だが(Maryは日本語版も出すと言っていた),文字情報が少ない本作(のコアなファン)ならば,とくにローカライズ版を待たなくてもいいかもしれない。(Seal)

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