[E3 2004#031]次世代MMORPG「EverQuest II」の魅力とは? - 2004/05/14 17:51

 強力な巨大モンスターに複数人で立ち向かっていくRaid,役割分担がはっきりと付けられたパーティプレイ,壮大な連続クエストのEpicなど,現在のMMORPGの基礎となるものを数多く構築したのが,EverQuest。その続編となるEverQuest IIは,前作からのファンだけでなく,MMORPGジャンルを牽引していくパワーを秘めたMMORPGとして期待されているタイトルだ。
 2004年5月3日からはクローズドβテストのテスター募集が開始され,2004年9月に正式サービスが開始されると噂にされるほどに出来上がってきている模様だ。2004年のE3では,クローズドブースながらプレイアブルのバージョンが展示してあり,入り口にはブース内を覗いて少しでも見てみたいという人でごった返していた。幸運なことに,プレイアブルデモでのプレイと,デモプレイの模様を収めたムービーの撮影が許可されたので,前作との違いとEQIIならではの特徴を紹介していこう。

 なお,本作の日本語版のプロデューサーであるSage Sundi氏へのインタビューは「こちら」。本稿と併せて一読すれば,本作の魅力が十分に伝わるだろう。

■音声でしゃべるNPC

 まず,前作と大きく変わった部分の一つとして挙げられているのが,NPCのモーションとセリフ。本作では,会話時にNPCが音声で喋りながら,"それっぽい"動きをするのだ。E3バージョンでは,その会話モーションとセリフを生で見られたのだが,ほとんど違和感なく(というよりもかなり自然な形で)会話が進んでいた。Sundi氏によると"やっとモーションのクォリティが上がってきた"とのことだったが,"次世代MMORPG"を謳い文句とするだけに,いままでのMMORPGとの違いが感じられるものとなっていた。
 さらに,会話時に音声でのセリフとモーションがあるのは人間型のNPCだけではなく,巨大なドラゴンなどのモンスターにも用意されているというのだ。音声は全部で130時間を超えるとのことで,ほとんどすべてのシーンで音声が流れるということになる。

■スキルチェインシステム

 次に,スキルチェインシステム。これはFFXIのように,プレイヤーキャラクターが連携を行うと,特殊な効果が生じるというものだ。ただし,FFXIのそれと比べると簡素化されていて,チェイン用のスキルを発動すると,キャラクターのそばにバーが出現し,それが0になる前に次のスキルを発動させればいいというものだ。これはDark Age of Camelotのような"特殊状態からのチェイン"ではなく,能動的に発動させるスキル同士を組み合わせていくというのが新しい部分といえる。チェインは一人でも発動させる組み合わせがあるとのことなので,これをどううまく使いこなせるかが,前衛プレイヤーのテクニックの一つとなりそうだ。





■RAIDおよびレアアイテム

 前作のコアプレイヤーが気になる部分としては,やはりRaidクラスのモンスターの存在だろう。これの答えは"Yes"で,倒すことができればレアアイテムのドロップもあるとのこと。ただし,前作のRaid至上主義という構図は避けるようになっており,最強の武器/防具はプレイヤーメイドのものとなるらしい。追って掲載する予定のムービーでは,マンティコア風のモンスターやドラゴン系の巨大モンスターを見ることができたが,いずれも1パーティで倒せる程度の強さの模様。さらに強力なモンスターが登場するのだろう。
 一方レアアイテムは,特殊な外観をしているものが多く用意される。またNo Dropアイテムはほとんどなくなり,入手時は受け渡し可能なアイテム(または合成用の素材となる装備品)が多くなるという。"Tune"と呼ばれている機能を使えば,そのアイテムをNo Drop化させることができるとのことだ。
 また前作から大きく変わったのは,マナバーの下にある"コンセントレーションバー"で,強化魔法(いわゆるBuff)の詠唱回数を制限するものだ。強化魔法を使用すると,コンセントレーションバーが延びていくという仕組みなので,必然的に強化魔法を複数回詠唱しなければならないパーティで行動しているときに影響してくるのだろう。

 操作体系は,キーボードのW,A,S,Dで移動,マウスカーソルでターゲット指定,マウス右ボタン押しっぱなしで視点移動と,MMORPGの標準に近いものを採用している。パーティの人数は6人で,アライアンスを結成できる。アライアンスは4パーティまでとなっているので,計24人までが行動できるようになっている。ゲームバランスはソロでレベル50まで成長させることができるくらいで,比較的やさしめとなるようだ。

 E3バージョンで未実装/未公開の部分としては,乗り物の存在,前作とは異なる形態でのファクションシステムがある。ファクションシステムは,前作のように対象のモンスターを倒すごとに変動というものではなくなるようなので,これがプレイスタイルにどのように影響してくるかが今後気になる部分といえる。
 World of Warcraftなど2004年後半から登場してくるMMORPGでは,チュートリアルや序盤の成長バランスに注力しているタイトルがいくつかある。EQIIでのチュートリアルも,前作と打って変わって懇切丁寧なものになっており,簡単なクエストをいくつかクリアしていくと,自然と操作を覚えられるという感じとなっている。ちなみにこのチュートリアル,操作や戦闘などを船の上で覚えるという仕組みになっており,それらが終わったら,いわゆる"Newbie島"に到着,そこでレベルを10程度まで上げることになる。職業(Class)を決定するのはそのあとだ(Classをキャラメイクのときに決定させないのだ)。ここからが本当のゲームの始まりで,FreeportかQeynosに分かれて(街は二つしかなく,それぞれEvilとGoodの本拠地だ)冒険の中に身を投じていくことになる。

 少し触った感じだけでも,同作への期待感がますます高まってきた。日本での運営元がスクウェア・エニックスに決定したことも併せ,サービス開始を待っていることにしよう。(Seal)

→「EverQuest II」の当サイト内の記事一覧は,「こちら」

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