[GDC2004#15]「BigWorld」エンジン採用の最新アクションゲーム公開 - 2004/03/29 21:18


〜ブースレポート6: オーストラリア産シューティングゲームが初公開

 オーストラリアのMicro Forte社は,欧米で「Fallout: Brotherhood of Steel」というアクションゲームをPlayStation2とXboxにリリースしているだけではなく,オーストラリア政府の援助を受けてMMO用サーバー/クライアントソフト「BigWorld」ゲームエンジンを開発した企業として知られている。同社の「BigWorld」は1サーバーで5万人ものプレイヤーをラクラク処理できるほど高性能で,すでに韓国や中国のゲーム開発会社数社にライセンスされているらしい
 そんなMicro Forte社の本命タイトルは「BigWorld」のデモとして制作された「Citizen Zero Online」。本デモはXboxやPC用のMMORPGとして制作され,これまでに映画「ブレードランナー」のような世界観のScreenshotsやゲーム内容が公開されてきた。だが依然としてCitizen Zero自体がリリースされるのかは不明なままであり,気になっている人も多かったのではないだろうか。今回のGDCではなんらかの情報が……と期待していたのだが,なんと公開されていたのが「"Not" Citizen Zero」(仮題)という,まったく新しいタイトルだった。

 「"Not" Citizen Zero」は,「Planetside」と「ヘイロー」を組み合わせたような3Dシューティングゲームで,プレイヤーはロケットランチャーやマグナムなど,さまざまな武器から2種類を装備して戦う。ゲームは最大で40人ほどの戦闘が可能で,チーム戦やBOT機能も搭載。展示されていたXboxでは未来世界の刑務所から飛び出してくる無数のBOTと戦って制圧するというゲームモードが楽しめた。なかなかにマップが広かったこともあり,プレイヤーは(死んだときに近くで再生できるように)点在するスポーンポイントを確保しながら敵地へと侵攻していた。
 本作の大きな特徴はプレイヤーキャラクターには複数のタイプがいて,それぞれが特殊な能力を持っていること。例えば巨体な前衛タイプのキャラクターは,敵のターゲットを強制的に自分に固定させられたり,スカウトタイプのキャラクターは敵の移動速度を一時的に弱めたりできるスキルを持っているのだ。世界観がよくわからなかったが,とにかくアクションが高く,仲間キャラクターとの連携が面白そうなゲームである。
 なお開発は相当進んでいるらしく,販売元と提携できればすぐにでも発表できるのではないかと思えるほどの完成度だった。今回はXbox版の展示をしていたが,BigWorldエンジンなのでPC版も問題ないだろう。Planetsideのように大規模なプレイヤー人数ではないものの,オーストラリアはValve Software社の「Team Fortress」などのMODを生み出すなどFPS系の人材も多いようで,今後の発表に期待できそうだ。(奥谷海人)



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