タイトル

ジャンル
開発元
販売元
標準価格
発売日
PC版発売日
The Chronicles of Riddick
  Escape From Butcher Bay(北米版)

:スニークアクション
:Starbreeze
Vivendi Universal Games
:8190円(税込)
:2004年6月1日
:未定
※日本国内では未発売
※日本語版Xboxで動作可
※Xbox Live対応
→提供:メッセサンオー・カオス館


かつてないスケールの危険極まりないアンチヒーローことGueedが,「本来,俺が立つべきポジションに立ってやがる」とライバル心をむき出しにしている男といえば,ヴィン・ディーゼルにほかならない。そんな彼が今回挑むのは,同名映画をゲーム化した「リディック」である。今,最もワイルドでセクシーな男ヴィン・ディーゼル扮するリディックをハンドリングしながら,果たしてGueedは何を思ったのだろうか。


 この夏,8月7日から日本でも大好評(か知らないけど)上映中の映画「リディック」(原題:THE CHRONICLES OF RIDDICK)。もうご覧になっただろうか。
 本作は,デイヴィッド・トゥーヒー監督の知る人ぞ知るSFスリラー「ピッチブラック」の続編であり,主演を務めるのは前作と同様,マッチョな体で非常に怖く,元クラブの用心棒と聞いて二度怖いヴィン・ディーゼル。制作費は無謀なまでにパワーアップ,ヴィンの光輝くスキンヘッドも大きくパワーアップしたアンチ・ヒーロームービーである。公式サイトによると,"「ロード・オブ・ザ・リング」「マトリックス」「スターウォーズ」をも上回る製作費をかけたハリウッド超大作"とのこと。映画ファンも裸足で飛び掛ってきそうな,非常に説得力のあるキャッチコピーだ。
 さて本来なら,リディックファンの心の叫びを代弁すべく,リディックの宿敵である暗黒半死コスプレ宗教集団"ネクロ・モンガー"の総帥であるマーシャル様の弱さ,なぜ女性キャラクターのルックスが冴えないのか,そしてなぜヴァーコとヴァーコの嫁(やっぱり冴えない)のベッドシーンがカットされたのかについて鋭く言及したいところだが,いかんせん当サイトはゲーム専門。ここは素直に,2004年6月1日に欧米で発売されたXbox用ソフト「The Chronicles of Riddick:Escape From Butcher Bay」について鋭く言及しよう。

これがゲーム内に再現されたリディックことヴィン・ディーゼル。本人を知らない人にはマヌケ面に映るかもしれないが,面長にでかい鼻と,特徴をよく捉えている
 ゲームの舞台は,タイトルにもある通り,主人公リディックが気付いたらいつも護送されている「監獄」である"Butcher Bay"。時代設定は,映画ピッチブラックやリディックのさらに以前となっており,ゲームもやっぱり護送シーンから始まる。今回はたまたまおとなしく乗っていたが,基本的に彼には手錠も足枷も無意味。何度も壊されているのだから,いい加減学んでほしいところ。

 プレイヤーは一人称視点でリディックに扮し,銃器によるシューティングや「スプリンターセル」ライクなスニークアクションを楽しめる。もちろんリディックの特徴でもある"暗視義眼"は健在。暗視義眼はちょっとしたナイトビジョンになると同時に,スニークサイン(敵に見つかったかどうか)としても重宝するし,スニーク中はスピーカーを通して「ドックンドックン」と鼓動が聞こえるという演出もある。
 ちなみに世間では,映画でリディックが暗視義眼を使う瞬間を「目がキラキラしてカワイイ」とするむきもあるようだが,このコンタクトに苦痛を覚えていたヴィン・ディーゼルは「入れてくれるスタッフの首を絞めないように自分を抑えるのが本当に大変だった」とコメントしていたし,やっぱりあんまり可愛くはないんじゃあないだろうかと筆者は思う。

 さてゲーム内容は,アクションシーンと会話シーンが4:6ぐらいの比率で制作されている,じつに映画とのコラボレーション企画然とした作りだ。
 リディックは,火器やナイフ系の武器で戦うのはもちろん,スニークで背後に忍び寄ってクビをコリッを捻るという,筆者もよくやられる暗殺者の必須スキル"NECK BREAK"を使いこなす。
 正直いって,プレイ当初は版権モノのチープなアクション作品と予想していたが,なかなかどうして,敵と1対1で相対したときなどのアクションパターンは極めて多彩だ。海外でのこのゲームに対する評価も,「チープな版権モノと思っていたが予想外に面白い」というモノが多い。
 アクションの具体例は,相手が素手の場合なら,殴りかかってきた腕をとって裏に捻った状態で正拳突き。また相手が銃を構えているときは,相手の銃身をクルッと翻してトリガーを引かせるといった具合。激しい銃撃戦もあるにはあるが,基本的には暗闇を武器に体術スキルをメインに戦うのが,カタルシスに浸るコツだ。

殴る,昇る,そして撃つ。ウンテイよろしく鉄パイプにぶら下がるシーンもあるんだけど,余りにも暗すぎて撮影不可能でした。ごめんなさい

画面左と中央はそれぞれ,ヘルスを回復,または最大値を増やすための装置だ。敵の死体を始めオブジェクトへの干渉性も高く,画面右のように瓦礫を押しのけて前に進むこともある

監獄の中庭から空を撮ってみた。実際には空は一枚絵なんだけど,建造物が空を包み込むようにうまく配置しているため,違和感なく立体的に見える

 そのほか,梯子の昇降やぶら下がり動作に入ると三人称視点に切り替わるなど,通常アクションも見もの。だが本作の最も大きな特徴は,やはり"グラフィックス"だろう。
 PCではすでに「DOOM III」などがリリースされちゃったこともあって,"業界最高レベル"なんていうつもりはサラサラないが,地面や壁にはキチンとバンプマッピングが施され,なんといっても光と陰のコントラストが非常に美しい。リディックが"闇好き"なこともあり,ゲームは全般的に暗め。それがかえって光やグレアを惹き立てる結果となっており,"マズルフラッシュでモンスターの姿が一瞬浮かび上がる"といったイヤ〜な演出もある。なぜか時折ひどいジャギーが発生するが,グラフィックスは押しなべて美しい。暗視義眼使用時の,エッジがぼやけて青みがかった世界は一見の価値ありだ。

 さて,制作側が映画との情報補完を強く意図しているためか,本作には割と会話シーンが多く,ストーリーを理解するには若干の英語力が問われる(リディックのアテレコはもちろんヴィン・ディーゼル本人。ピッチブラックに出ていたジョーンズもちゃんと俳優のコール・ハウザーが担当している)。正直,ピッチブラックよりもさらに前のストーリーを紡ぐ本作は,映画を楽しむアイテムとしても重要度が高いものだし,今更ながらぜひローカライズしてほしい一品といえる。無理かもしれないけど。まぁミッション内容は「〜と話せ」や「〜を殲滅せよ」といったシンプルなものなので,ゲームの進行そのものには問題なさそうだ。

 映画リディックは上映の真っ最中。ジャパンプレミアでは,小川直也にハッスルTシャツを着せられてとっても陽気な外人さんと化していたが,劇中のヴィン・ディーゼルは非常にカッコイイので,ぜひ見てみるといいだろう。面白いと思ったら,情報補完の意味を込めて「ピッチブラック」のDVDでもレンタルしつつ,ゲームも遊んでみよう。

左から,攻撃→ガード→腕取り(&捻り)といった感じ。攻撃のバリエーションは,ゲームメニューから見られるExtra Contentsのチュートリアルで確認するといいだろう

解像度が低いため壁の質感などは分からないかもしれないが,光源の処理についてはレベルの高さがうかがえるハズだ。ちなみに右下は,破壊不可能なガードロボット。めちゃ強い

ムービーは,映画の内容を補完する部分もあるため,英語に負けずにじっくり鑑賞したいところだ

これらはExtra Contents内のスペシャルコンテンツ。ゲーム中のいろんな場所で手に入る「Pack of smokes」(つまりタバコ)を次々と入手していくことで,見られるコンテンツが増える仕組みだ

"The Chronicles of Riddick: Escape from Butcher Bay" interactive game (c) 2004 Vivendi Universal Games, Inc. All rights reserved. "The Chronicles of Riddick" & (c) Universal Studios. Licensed by Universal Studios Licensing LLLP. All Rights Reserved. Vivendi Universal Games and the Vivendi Universal Games logo are trademarks of Vivendi Universal Games, Inc. The Starbreeze Engine Technology (c) 2002 2004 Starbreeze AB. All rights reserved. The Starbreeze logo is a trademark of Starbreeze AB. The ratings icon is a registered trademark of the Entertainment Software Association. Microsoft, Xbox, Xbox Live, the Live logo, and the Xbox logos are either registered trademarks or trademarks of Microsoft Corporation in the U.S. and/or other countries. All other trademarks are property of their respective owners. A Note to Parents: "The Chronicles of Riddick" is rated PG-13. Please consult www.filmratings.com for information regarding movie ratings in making viewing choices for children.

■■Gueed(4Gamer編集部)■■
編集部きっての映画好き。「こ,これだ!」と思った映画を,周囲の反対を押し切って劇場に観に行った次の週は,だいたい不機嫌。今回はおすぎの話から入ろうとして筆を進めていたのだが,どこまで書き進んでもリディックの話に移行できず,泣く泣く断念してしまったらしい。

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