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相手と自分が交互に移動,攻撃するターン制を採用する。時間に追われずじっくりプレイできるのが大きな利点である |
7月22日に発売予定の「ウォーロードIV 日本語版」(以下WL4)は,剣と魔法が支配するファンタジー世界を舞台にしたターン制ストラテジーゲームだ。"IV"と付いているだけにシリーズ4作めなのだが,恥ずかしながら筆者は今回初めてこのシリーズをプレイした。そして,どうレビューしたものかと考え込んでしまった。というのもこの作品,確かに万人受けするとは思えないが,筆者の感覚では面白すぎるのだ。実際,仕事であることも忘れて大ハマリしたわけだが,地味で時間のかかる作品なだけに,果たして若い世代のプレイヤーにもウケるのか,判断に窮した次第である。
このゲームは,平たくいうとターン制の国取り合戦だ。筆者のような30代半ばのプレイヤーにとって,このようなスタイルはおなじみのもので,まったく違和感はない。またRPG的な要素を大盛りで加味することによって,さらに「燃える」仕組みとなっている。
だが,現在のストラテジーの主流はリアルタイム制であり,短時間で決着のつく作品がウケているのはご存じのとおり。RTSでは,それこそラッシュ一発でその後の展開が見えてしまうことも少なくない。つまり短時間で遊べ,爽快感があって,見た目が派手なものがウケているわけだ。
そうしたストラテジーゲームの趨勢に真っ向から立ち向かうWL4が,どこまで食い込めるか個人的にも非常に興味深い。
イシーリアには32の国と地域があり,キャンペーンではこれらを順番に制圧していく。10か国を取ればシナリオクリア | キャンペーンは10本のシナリオからなるストーリーに沿って展開され,シナリオ冒頭では,プレイの目標が示される | キャンペーンではマップごとにショートムービーが用意され,それぞれのマップの攻略にかかるときに再生される |
すべてのユニットがレベルアップの対象となる。ユニットの性格や戦術に合わせて伸ばす技能を選択したい |
ほかのユニットと異なり,英雄は一つのゲームが終了したところで最終的な経験値を獲得し,レベルアップする | ストラテジーでありながら,RPGのように「クエスト」が用意され,ゴールドやアイテムが手に入るのも面白い | クエストなどで得たアイテムは勇者のみ装備できる。配下に置く勇者に与えて,各種技能を向上させるのに使おう |
戦場に出られるのはグループから1ユニットだけ。死んだら次のユニットを出し,グループが全滅するまで戦う | 敵の都市を陥とすと画面ような選択肢が。支配下に収めれば作れるユニットの種類が増えるが,掠奪,破壊も可能 | 英雄の呪文は,習得に数ターンを要する。どの呪文から習得していくかは,自分の戦術を組み立てる重要な要素だ |
今回育てた英雄と国の情報を表示したところ。右上は国のイメージで,建造物が多くなるにつれて強化される |
WL4のグラフィックスは実にシンプルで,まるでひと昔前の作品のように見える。演出に凝った最近のRTSと比べると,かなり地味な印象を受けるのではないだろうか。このゲームはあまりにもビジュアル面で損をしていると感じた。もっとも,ターン制のため,アニメーションなどに凝ると個々の戦闘が長引き,プレイ時間が延びるという問題もある。そこは差し引いて考えるべきだが,もう少しプレイヤーにアピールする演出が欲しいところだ。この点さえクリアすれば,ゲーム性が素晴らしいだけに大化けする可能性があると感じた。
基本的な操作はマウスだけででき,操作性に問題はない。ただ,ユニットやグループの管理がしづらく,目的地の指定が面倒なのがやや残念な点である。
今回プレイした評価版ではネットワークプレイを体験できなかったが,WL4では最大8人による対戦ができる。興味深いのは,「ホットシート・プレイ」という,1台のPCを代わるがわる使う対戦や,「Eメール・プレイ」という,メールを交わしての対戦が用意されている点だ。Eメール・プレイの詳細は不明だが,長時間に渡る対戦が予想されるだけに,昔ながらのシステムとはいえ工夫を凝らしているのが分かる。
ターン制というスタイルに抵抗を感じるプレイヤーもいるかと思うが,リアルタイム一辺倒の現在のストラテジージャンルにあって,筆者としては逆に新鮮味すら覚えてしまった。一般的なRTSでは,アクションゲーム並み,場合によってはそれ以上に素早い操作が要求される。「ついていけないよ」と投げ出すプレイヤーもいることだろう。その点,ターン制ならば操作に煩わされることなく,じっくり戦略を練って行動できる。
シンプルでありながら奥が深く,英雄やユニットを育てるというRPG的要素も相まって,ハマリ度は非常に高い。1ゲームは優に4〜5時間かかるので,夏休みにじっくり遊べるゲームとして強くお勧めしたい。非常に個性的な作品であり,ビジュアル面だけでは想像のつかない「掘り出しモノ」的な価値を見出せることだろう。
英雄がレベルアップするごとに,収入源やユニットに対する支援になる建物を建てたり,技能を強化したりできる | ターンが進むと同盟や加勢を申し出てくるユニットが現れる。そうしたユニットが「廃墟」に潜んでいることも | ゲーム終了時には英雄の配下に残すユニットを選択できる。ここで選ばれた配下は,次のゲームに持ち越せる |
■メーカー名:メディアクエスト (C)2003 Ubisoft Entertainment. Ubisoft,ubi.com, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries. Warlords W:Heroes of Etheria is a trademarks of infinite Interactve. Developed by Infinite Interactive. All rights reserved. Uses Bink Video. Copylight(C)1997-2003 by RAD Games Tools,Inc. Software platform logoTM and(C)IEMA 2003. |