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| 戦車や戦闘機に乗って大乱戦を楽しめる新モード"Onslaught"を始め,10種類のゲームモードが用意されている。どれも絶妙なバランスで,実に楽しめる |
"Unrealシリーズ"(以下,本家)といえば,FPS好きなら知らない人はいないメジャータイトル。第1作が発表された当時から,ゲーム性,美しい画面,度肝を抜かれる広大なマップ,敵キャラクターの思考ルーチンの完成度の高さ,2種類の攻撃方法を持つ武器など,多くの点で高く評価されている作品だ。
本来Unrealは,シングルプレイでのステージクリアをメインにしたFPSなのだが,そこから対戦の要素のみを抽出して特化させたのが,この"Unreal
Tournamentシリーズ"だ。本家と同じ世界観を持つが,異星人Skaaj[画面1]との"ストライダー戦争"とは関係がなく,こちらは人類の間で非常に人気のある命がけのバトルゲームが題材。シングルプレイではBot[画面2]を相手に,時には個人戦を[画面3],時には味方Botを率いてのチーム戦[画面4]を展開し,バトルトーナメントを勝ち進んでいくという内容[画面5]のスポーツ系FPSなのだ。
前作である"2003"から,数字のとおり1年を置かずしての登場だが,完成度はさらにアップ。とくに"Onslaught"と呼ばれる新ゲームモードは前2作にはない内容なので,これだけでも必見である。
詳細は後述するが,同モードは一種の陣取り合戦的内容。広大なマップを舞台に戦車や航空機などのビークルに乗って戦い,敵陣へと迫っていくのだ。また,誘導式ミサイルの携帯ランチャーといった新兵器も登場し,実に熱い。世界中で多数のサーバーがこのモードで起動しており[画面6],その人気の高さが分かるというものだ。デモ版(「こちら」)でも同モードを体験できるので,ぜひ遊んでみてほしい。
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| [画面1] 本家の第1作などで人類と星間戦争を展開したSkaaj。分家のこちらにもBotとして登場する |
[画面2] Instant Action内の各種ゲームモードは,設定画面でBotの強さや登場人数などを細かく指定できる |
[画面3] 連係プレイは苦手という人は,個人戦のDeathMatchやLast Man Standing,Mutantなどを楽しもう |
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| [画面4] 連携プレイを楽しみたい人はチーム戦がお勧め。画面は,フットボール+FPSという感じのBombing Run |
[画面5] シングルプレイでは,さまざまなゲームモードのもと,敵対するBotやチームを倒して優勝目指して戦っていく |
[画面6] インターネットサーバーのリスト。かなりのサーバーがOnslaught(ONS)で起動されているのが分かる |
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| Onslaughtの特徴は,ビークルに乗って戦えることとマップの広大さ。美しい景観も要注目 |
ゲームモードは全部で10種類用意されているが,なかでも注目なのが,シリーズで初搭載となるOnslaughtだ[画面7]。同モードの特徴は,前述したとおりビークルに乗れること。本家も含めて同シリーズで初めて乗り物に乗れるのが,このモードなのだ。
これにより,これまで対人戦だけだったのが,戦車戦や空中戦など実に多彩な戦いを行えるようになり,戦いの幅が広がったのである。
同モードのルールは,敵ベースの最奥部にあるパワーコアを破壊したチームが勝ちというもの。ただし一直線に敵ベースに乗り込んでも,コアの破壊はできない。両ベースの間にはパワーノードというコアの小型版の中立設備がいくつもあり[画面8],これをリンクしている順に占領していく必要があるのだ[画面9]。最終的に敵ベースに隣接するノードを占領すると,敵コアを攻められるようになるというわけ。
また,このリンクは途中で寸断されてしまってもダメ。途中のノードを敵軍に占領されてしまうと,そこから先はすべて中立に戻ってしまう。よって,ノードの占領と同時に守備も重視する必要があり,非常に戦略的で奥の深いバランスとなっているのだ。プレイヤーが担当できる役割も多いので,16対16の最大人数による対戦でも参加者全員が楽しめる点もポイントである。
ここ数年のFPSのトレンドといえば,"乗り物に乗れる"こと。いよいよそれが同シリーズでも実現したので,続いてはそれらビークルについて触れていこう。
乗り込めるビークルは全部で8種類。個人的に好きなのは,四輪駆動車のScorpion[画面10]と超高機動型戦闘機Raptor[画面11]だ。
Scorpionには2種類の武器があるが,とくに接近専用のブレード付きのスリングアームが実に格好いい。これは両脇にある巨大な飛び出し式のカマといった雰囲気で,敵キャラクターを切断できるかなり残虐な武器。Scorpionは非常に機動力があるので,乱戦の中を暴れまくれば,かなり活躍できるのである。
もう一方のRaptorは,垂直/水平方向に移動できるだけでなく,空中静止や後進も可能な,まるでヘリコプターのような戦闘機。とにかく気持ち良く飛べるので,ぜひともこれでマップ散策をしてみてほしい。
さらに,一部のマップにしか登場しないが,移動要塞ともいうべきイメージの巨大四輪駆動車Leviathanもオススメ。とにかく主砲の威力が凄い[画面12]。Redeemerの小型核弾頭並みの威力があり,それをゆっくりとはいえ連射できてしまうのだ(Redeemerは一度に一発しか撃てない)。
主砲発射時は移動できないという弱点はあるが,攻撃ポジションを押さえてしまえば,あとは連射するだけ。破壊力抜群の大型ビークルなのである。
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| [画面7] 各種ビークルも駆使して敵ベース内のパワーコアを破壊すべく戦うOnslaughtモード |
[画面8] 赤く光っているのが,ベース間にあるパワーノード。敵コアまでのリンクができると攻撃可能になる |
[画面9] ノードをどれだけ押さえているかで,両陣営の優劣が分かる。この場合はいうまでもなく赤が優勢 |
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[画面10] |
[画面11] 戦闘機Raptorで高空を飛行中。地上の砲台からのレーザー攻撃が激しい。装甲は厚くないので注意が必要 |
[画面12] 要塞戦車Leviathanの主砲が炸裂したところ。ビークルに乗っていればまだしも,生身ならまず助からない |
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| シリーズお馴染みの武器でも,一部は機能が大幅に変わっている。Link Gunはサブ攻撃の機能が大きく変わった |
武器もいくつか新しいものが増えている。
個人的に好きなのは,対ビークル用の武器AVRilだ[画面13]。これは発射したあとも目標を照準内に捕らえ続ければ,かなりの確率でビークルに命中させられるという非常に有効な武器。Onslaughtでは常に持っていたい武器なのである。
そのほかに追加された武器としては,敵が射程内に入ると追跡する地雷を設置可能なMine Layer[画面14],付着型グレネードを発射できるGrenade Launcher[画面15],無人爆撃機Phoenixに爆撃地点を指示できるTarget
Painterなどがある。
このなかでは,Target Painterが注目だ。レーザーマーカーで爆撃地点を指定すると,しばらくして上空を無人爆撃機が通過。多数のミサイルを発射していくのだ[画面16]。その様子は実に壮観なので,ぜひ見てもらいたい。
今回はOnslaughtを中心に紹介したが,そのほかのゲームモードも非常にバランスが取れており,とても遊び甲斐がある。Onslaught以外のゲームモードでお勧めなのは,チーム戦のAssault[画面17]だ。これは,攻撃側と防御側に分かれ,特定のミッション(ミサイルの奪取や重要施設の破壊など)の成否を巡って戦うというもの。そして一勝負が終わると,今度は攻守入れ替わって戦うのだ。Onslaughtとはまた違った形で,味方との連携を必要とする奥の深いモードである。
なおフレームレートは,筆者の環境(Pentium4/2.66GHz,メモリ 1GB,HDD ATA133,ビデオカード RADEON 9600XT。「3DMark03」で3795)で,1200×1024ドット表示にしてすべての描画要素を最高で30半ばから50半ばぐらい。Onslaughtでビークルの数やキャラクター数が増えたときは,30を切ることもあった。
アドレナリン全開で我を忘れて楽しめる数々のモードと,それを支えるボイスチャットなどの各種システム。そして,UnrealEd[画面18]という,ゲームを終えたあとも楽しめるクリエイティブな要素。スカっとしたい人にお勧めの一本だ。
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| [画面13] 戦車Goliath上空の爆光は,AVRilのミサイルを受けて爆散したRaptor。AVRilはRaptorの天敵だ |
[画面14] Mine Layerは,自動追跡型のクモ型地雷を設置する。サブ攻撃のレーザーマーカーは移動地点を指定 |
[画面15] キャラクターなどに付着するグレネードを発射できるGrenade Launcher。サブ攻撃で起爆だ |
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| [画面16] Target Painterで指定したポイントに対して行われる,無人爆撃機Phoenixの空爆。自分も被害を受けるのが難点 |
[画面17] 2チームが攻撃と防御に分かれて戦うAssault。目標は矢印などで示される。画面は宇宙戦のMotherShip |
[画面18] UnrealEdは,オリジナルマップだけでなく,オリジナルのゲームモードまでデザイン可能なエディタ |
| ■発売元:ATARI UnrealR Tournament 2004 (C) 2004 Epic
Games Inc. Unreal and the Unreal logo are registered trademarks of Epic Games Inc.
All rights reserved. All other trademarks are the property of their respective owners.
Unreal Tournament 2004 was created by Epic Games Inc., and Digital Extremes. Manufactured
and marketed by Atari Japan K.K. |
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