RPG 4Gamer.net Review
 
完全スキル制のフランス産MMORPG
The Saga of Ryzomオープンβ版
Text by Shuichi Nakano
3rd Sep. 2004


■Ryzomの世界へようこそ

Ryzomワールドの基本構造。なぜこんなことになってるのかは不明だが,巨大な木の上に世界が展開されている不思議な世界

 2004年春から急に動き出したフランス製のMMORPG,「The Saga of Ryzom」(以下,Ryzom)のオープンβが始まっている。ちょっと馴染みのないゲームかもしれないがざっと概要を紹介したい。
 まず,このゲームの舞台となる世界。イメージでは惑星に大きな木が生えていて,その枝の上にそれぞれの世界が島のように点在する感じか。人類が滅びたあとの世界ということのようだ。ファンタジー系ぽいけどSF系もある複合型。
 プレイヤーの選択できる種族は,大きく4種に分かれている。

・FYROS
生息地:砂漠
タイプ:バーバリアン系

・MATIS
生息地:森
タイプ:ヒューマン系

・TRYKER
生息地:湖
タイプ:ハーフリング系

・ZORAI
生息地:ジャングル
タイプ:ダークエルフ系

FYROSの住む砂漠の村 MATISの住む森の村
TRYKERの村は湖に浮かんでいる ZORAIは密林の種族ということになっているが風景は大差ないかも


●キャラクターメイキング

 キャラクターメインキングでは身長や体格,顔の基本要素などをエディットしてキャラクターを作っていく。日本人好みの美形は作りにくい感じはするけど,いじればそれなりに整えることはできそうだ。
 Actionの部分で基本的な職業を決めていく。どう設定しておいても,あとから頑張れば挽回できなくもないが,多量にポイントが必要なスキルが使えたり,高価な装備が最初から使えるのは圧倒的に有利だ。
 私はここで間違えて,最初は魔法使いにするつもりだったキャラなのだが,なりゆきでPure Melee系になってしまった。キャラ選択時のActionが関係しているようだ。よく分からず,1st Magic,2nd Fight,3rd Craftにしておいたのだが,それぞれに同じスキルを重複させることもできた模様。スキルをすべて鍛えるのはおそらく膨大な時間がかかると思われるし,まずは,それぞれに特化キャラクターを作るのが現実的だろう。魔法使い系にするなら,最初から二つ以上のActionをMagicに振り当てておこう。

FYROS MATIS
TRYKER ZORAI



男性も作れる(念のため) Actionを指定すると基本的な職業が決まってくる キャラをどこの村に配置するか決めてキャラ制作は完了


→キャラメイクの様子:MPEG1/113MB

 このゲームは完全にスキル制のゲームだ。戦闘系,魔法系,生産系,収集系のスキルが独立して上がっていく。とはいえ,スキルが上がってもステータスは変わらない。スキル上昇時に増えるポイントを使って,それぞれのスキルトレーナーからスキルを買うみたいな感じだ。たとえば最初の10ポイントでHPを強化すると,総HPが100から150に上がる。お買い得。
 それぞれのスキルが上がっていくと,スキルが分化して,それぞれについて特化したスキルが修得できるようになる。
 Fight系だとMelee AttackとRange Attack,Magic系だとOffensive MagicとDeffensive Magicなどと分岐する。レベルが上がるとさらに分岐していく。Melee系だと1Hand Melee,2Hand Melee,Close Combatという感じ。
 Fight系は武器さえあればなんとでもなるのだが,Magic系は基本のHealingだけではどうしようもない感じなので,50ポイント使って攻撃魔法のAcid Damageを導入する必要があるだろう。Forage系もBasic Extractionを50ポイントで,Craft系もArmor Craftingを導入する必要がある。スキルはどの種類のポイントでも導入できるが,専門的なスキルはそれぞれの専門スキルポイントを稼がなくてはならない。



■Melee系を中心としたプレイガイド

 以下とりあえず,Melee系戦士を中心にガイドしていくことにしよう。おそらくはいちばん簡単だ。
 まず,ワールドに入ったらWelcomerなどに話を聞いたり,基本スキルの説明を受けたり,指示されるとおりに一応動いてみよう。メッセージは英語(英語サーバーを選んでいれば)だが,さほど難しいものではない。軽く目を通しておこう。

●ユーザーインタフェース

 UIはちょっと複雑。まずウィンドウが4種に分かれており,ファンクションキーのF1からF4を押せば切り替えできる。それぞれ初期状態でいろいろダイアログが並んでいるが,これは自由に再設定可能。戦闘用,装備用などカスタマイズするといいだろう。基本はF1の位置のデフォルトウィンドウで解説する。
 まず,基本行動はマウスで向きを変えて移動という感じでEQのマウスルックとほぼ同等。キーボードでの移動ももちろん可能。そのほか,Enterキーを押して文章を打ち込むと会話として表示される。きわめて馴染みやすいというか,EQライクなシステムだ。


●戦闘システム

 どの種族で始めても,最初はSucking Yuboという子豚を相手にすることになる。戦闘はコマンド選択式。左上のステータス表示部(出てないときはHキーを押す)のいちばん下にコマンドの実行状態が表示される。実行中のコマンドと次のコマンドだ。コマンド実行までには若干の時間がかかるので,それがバーで示される。なにもしなければデフォルトアタックで単に叩くだけ。通常はここでAccurate AttackかImprove Damageを常に指定することになるだろう。
 これらの戦闘コマンドは,使うとスタミナが消費される。少なくともスタミナの余っているうちは,これらを使い続けていて損はない。魔法使用可能なら魔法攻撃を挟んでもよいし,セルフヒールなどもできるようになっていれば適宜使用する。使用までに待ち時間があることを忘れずに。なお,このコマンドの指定はフルキー側の数字に対応しているのでキーボードから指定するとよいだろう。
 敵をターゲットして,クリックすれば戦闘開始。離れていれば駆け足で突撃していく。このあたりはLineageライクだ。
 何匹か殺していればすぐレベル3くらいにまではなるはずだ。レベルアップしたらFightトレーナーのところでスキルを修得しよう。Constitutionを上げると体力50アップ,Balanceを上げるとスタミナ回復アップで,Melee Fighterには最優先項目といえるだろう。次いでSelf Healでも揃えれば,ちっとやそっとでは死ななくなるはずだ。あとは体力アップ優先でいいだろう。
 とはいえ,序盤部分が少しタルい感じなのでちょっとTipsを。Melee戦士の場合,キャラ作成時のおすすめのアクションはFightを2個にMagicを1個。Magicを入れるとHealing能力とMagicStaffがついてくる。Healingは自分自身には使えない仕様なので序盤のソロでは意味がないが,杖は1600円(貨幣単位不明につき円で代替)で売れるので,村の外で子豚を2匹くらい殺してから,身につけている防具以外の全装備を売って,1700円コースの武器を買おう。槍がお勧めだけど,種族によっては使えないので剣でも可。子豚を卒業したらあとはサクサクレベルが上がっていくはずだ。
 なお,戦闘するには武器が必要なので必ず装備するように(初期状態で,ほかの装備を持っている場合もあるので確認を)。


序盤の敵の子豚。一人称視点で戦闘するのはちょっと間抜けかも 序盤をすぎれば,この牛(?)がおいしい レベルアップ。戦闘スキルポイントが10加算されている
しばらくは苦しめられるであろう狼。群れで襲ってくることも 谷底などにいるカニ。初心者村ではもっとも硬い敵だ スキルには武器属性に依存するものもある。SlowはBlunt武器装備時しか使えない

→Melee戦闘の様子:MPEG1/9.36MB
→Magic戦闘の様子:MPEG1/24.7MB

●デスペナルティ

 このゲームで特徴的なのは,死んだ時点では昏睡状態となり,Healなどで回復可能だということ(なぜか効かなくて死なせちゃったこともあったけど)。死ぬとデスペナルティが課せられる。現状のスキルポイントやステータスに変化はないが,レベルアップに必要な経験値が余分に必要になり,将来的なレベルアップがしにくくなるという仕様だ。
 死んだ場合は,地図が表示されてRespawnポイントが示される。ヒールを受けられそうにない場合はRespawnボタンを押すことになる。

●収集系スキルと生産系スキル

 あまりやり込んでないので概要しかお伝えできないが,収集(Forage)にはピッケルが必要だ。持ってない場合は買ってこよう。村の周りでたまに地面からもわもわと煙が出ているところがある。そこをターゲットして,Extractを行うと地下資源を発掘することができる。ある種「Star Wars Garaxies」ライク。村の周りにはピッケルを持った人がいっぱいなので競争率はかなり高いかも。
 Craftも基本Craftスキルを取得して,Cfaftツールを購入しなければならない。レシピとなるPlanに従って素材を集めて合成する。敵からの収集物でかなり使えるものもあるのだが,材料屋から買ってくることもできる。かなり手間とお金がかかりそうだ。とはいえ,ほぼ原始人状態の村の周辺で光線銃を撃っている人も見かけたので,極めていくのもそれなりに面白そうではある。
 生産はとりあえず置いておこうという人は,敵からの取得物は片っ端から売ってかまわない。

死体から拾い物。生産に必要な材料が取れる。なにしてんのって顔の子豚がイイ感じ 地面からもわもわが出ているところで発掘を行う。ZORAIの村は競争率低めかも


■まだまだ先は長い

 さて,レベル20を過ぎる頃になると,初心者村の周りではちょっともの足りなくなってくる。初心者村で最強の敵であるカニも2匹相手にできたり,犬を数匹相手に楽勝できるようになってくると,次の段階に進むべきだろう。村から町に移動する時期だ。村の案内者からテレポーターを紹介され,次の世界に移動できる。とりあえず移動してみたものの……もうちょっとしっかり稼いでから行けばよかったかなあ? まああとは進んでみてのお楽しみ。  まだβ段階なので,ゲーム中でさえServer Stalledというメッセージを頻繁に見かける。Stall中はゲームの進行が停止される。ざっと見てもまだパーティプレイをしている人はいない感じ。初心者ゾーンから次の段階になると敵の強さも半端ではなくなっている(大差ないのもいるけど)。やはりMMORPGであれば,パーティプレイが重要だろう。残念ながらまだ未経験なので,そのあたりは評価できていない。  全体的にEQぽい感じはあるが,防具の部位の評価などもされている雰囲気があったり,戦闘スキルで「Dodge後の攻撃」とか「鎧無効化」など独特なものも見える(Piercing系のみ)。Slash系,Blunt系で固有のエンハンスメントなどもある。鎧はどの種類の攻撃に対するレジストなどというふうに細かい指定がある。Slashはよく防いでもPiercingには弱いとか。装備の補正スキルも豊富でかなり奥の深いゲームになっているようだ。9月14日までとβ期間は短めなので,興味のある人はいますぐTryしてみよう(オープンβ版公開は停止されました。正式版をお楽しみに正式サービスが開始されていますので,正式版でお楽しみください)。 


レベル20を超えて渡ったMATISの町。広くてわかりづらい……


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■メーカー Nevrax
■動作環境Windows 98SE以降,Pentium/1GHz以上,メモリ512MB以上,64MB以上のVRAMを搭載したビデオカード,空き容量5GB以上のHDD,DirectX8互換サウンドシステム,56Kモデム以上の通信回線
■ダウンロードページhttp://ryzom.com/subscribe/(1.11GB)
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