IL-2 シュトルモヴィク フォーゴットン バトルズ
〜ソビエト攻防戦〜 日本語版

Text by 松本隆一
23th Jan. 2004

 

本格的第二次大戦ものフライトシミュレータ登場

敵味方が入り乱れた空中戦に突入すると同時に無線交信も飛び交い,誰が何を言っているやらさっぱり分からなくなる。と思っていたら自機,墜落。フィンランド空軍,激強
 フライトシミュレータというゲームのジャンルは,最近,あまり人気がないらしい。かつて洋ゲーの戦争ものといえばつまりフラシムのことだったのだが,近頃はめっきりで,ライト系やバリュー系の新製品がないわけではないものの,とくに本格的な第二次世界大戦ものとなると,マイクロソフトの「コンバット フライトシミュレーター」シリーズぐらいで,世界野生動物基金から絶滅危惧種に指定されるのも,そんなに遠い将来のことではない雰囲気だ。
 フラシムマニア(買うだけ)の私から見ても,シミュレーション部分がリアルになればなるほど操作が煩雑になってゲーム的爽快感を得られにくくなり,さらには高いPC性能を要求され,しかもプレイヤーの多くが"うるさがた"なのだから,無理もないかもしれない。

 それだけに2001年の終わりごろ,ショップの棚で「IL-2 Sturmovik」(邦題「IL-2 シュトルモヴィク 日本語版」,レビューは「こちら」)を見つけたときにはかなりびっくりしたものだ。「おいおい,戦闘機シミュレータの新作かよ。しかも第二次世界大戦もの。おお,テーマは東部戦線! こりゃいくらなんでもメーカー大冒険でしょ。オレは買うけど」という感じ。
 この最後の,"オレは買うけど"と思ったフライトシマーがおそらくとても多かったのだろう,「IL-2 Sturmovik」はなんだか意外なほどヒットし,2003年3月には続編も登場,しかもほとんど時をおかず日本語版「IL-2 シュトルモヴィク フォーゴットン バトルズ 〜ソビエト攻防戦〜 日本語版」(以下,FB)までもがメディアクエストから発売されてしまったというわけである。世の中捨てたもんじゃない。

それは,文字どおり「忘れられた空の激戦」

シュトルモヴィクによる対地攻撃。最近の戦争映画みたいに,煙の尾を引いて飛んでいく弾丸には賛否両論だろう。炎や爆発のエフェクトも結構派手になっている
 続編の舞台となるのは,前作同様,東部戦線である。泣いている赤ん坊に「おとなしくしないと東部戦線送りだぞ」と叱るだけでぴたりと泣き止む,と言われているくらいの,この世の地獄だ。
 とはいえ,例え私のような(半端な)マニアでも「東部戦線の航空戦」という単語には,いま一つピンとこない。空前絶後の海空戦であった太平洋戦争や,連合軍が物量を誇った西部戦線なら"ここ一番の大勝負"がいくつも思いつくのだが,東部戦線では容赦ない地上戦ばかりが有名で,空の戦いにはあまり目立つものがない気がする。まさにタイトルどおりの「フォーゴットンバトルズ」(忘れられた戦い)なのだ。
 とはいえ前人未到の352機撃墜を果たしたエーリヒ・ハルトマンや,17分間で13機撃墜の早業師エーリヒ・ルドルファー(222機撃墜),戦車殺しで「ソ連人民最大の敵」とスターリンに名指しされたハンス・ルーデル(各種車両1300台以上破壊)など,きら星のごとく並ぶルフトバッフェ(ドイツ空軍)のエースたちは,よく考えたらみんな東部戦線で活躍した方々で,やっぱアメリカ軍のパイロット相手にあのスコアはないよなって感じも。ソ連側も,女性初のエースで,スターリングラードの白バラと呼ばれた,リーリャ・リトバク(彼氏も本人も戦死)など,それなりに知られたパイロットもいないわけではないか。



こだわりの,というかこだわり過ぎのゲーム設定

守るべき目標を守り損なって,ミッションは失敗。だからといってゲームがすぐに終わるわけではなく,この先どうするかはプレイヤー次第。弔い合戦を続けても構わない
 ゲームはシングルミッションとキャンペーン,そしてマルチプレイによって構成されている。戦えるのはソ連ドイツアメリカ(シングルのみ)のほか,ハンガリー,そしてフィンランドと,これまたかなりマニアック。北欧のフィンランドが,ドイツの味方をしてソ連と戦ったなんて,知らない人のほうが多いはずだ。
 タンネンベルク・ラインや,冬戦争などと聞いてシビレるあなたはやや問題あり。蛇足ながら,戦後,フィンランドは怒り狂ったソ連政府により徹底的に骨抜きにされ,以降,ソ連による強圧的衛星国支配のことが「フィンランド化される」と呼ばれるようになったとさ。ホントの話ですよ。
 シングルミッションでは,各機種ごとに一つのミッションが用意されていて,例えばプレイする国をソ連に,航空機をLa(ラボーチキン)-5Fにすると,「狩る者,狩られる者」というタイトルのミッションになる。目標は,クルスク戦車戦でお馴染みのプロホロフカへ飛び,ドイツ第3SS装甲師団トーテンコプフ相手に苦戦を強いられている味方部隊に対して近接航空支援を行うこと。
 こんなふうに,機種とシングルミッションは常にワンセットで,同じ作戦を違う航空機で試してみるようなことはできない。

 キャンペーンで選べるのはアメリカを抜かした4か国で,例えばドイツでキャンペーンを始めると,階級およびメインのお仕事――He-111爆撃機,スツーカ,戦闘機(中央軍集団or北方軍集団),そして戦闘爆撃機から一つ――を選ぶことになる。
 マニュアルによると,キャンペーンにはあらかじめすべての作戦が決められたスタティック・キャンペーンか,作戦の成否によって以降の状況,作戦が変化するダイナミック・キャンペーンの2種類があるらしいが,それらを選択する画面はなく,私にはどのキャンペーンがどれなのかよく分からない。ハンガリーとフィンランドでは一つのキャンペーンしか選べない。

 それ以外には,場所と敵および味方機の種類,熟練度,機数などを選んで即戦えるクイックミッションビルダーと,ミッションを詳細に制作できるフルミッションビルダーがある。
 ゲームに用意されているトレーニングモードは,ただ模範演技を見るだけなので,このクイックミッションビルダーが,機体に実際に習熟したり空中戦のトレーニングに使われたりすることになるだろう。
 フルミッションビルダーを使えば,目標や通過点の設定など,ゲーム中にできることはすべて設定可能で,これを使った追加シナリオやサードパーティのアドオンソフトなどが各種発売されている。

 マルチプレイには,格闘戦(最大32人参加可能)と協同作戦(16人)があり,インターネットを使ってほかのプレイヤーと戦うことができる。アクション性が高まるので,やはりここはある程度の実力がないと,参加してもつまらないだろう。

 ちなみに,日本語版のマニュアル,およびブリーフィング時の概況説明文とも,大変良くできていて,とくに専門用語の統一が心地よい
 "占位" "ロッテ" "シュバルム" "親衛戦闘機連隊"などといった用語がさりげなく正確に使われていて,思わず背後にマニアの影を感じてしまうな,ぼかぁ。ただ,個人的には,ドイツ軍の場合,呼称は「装甲師団」でなく「戦車師団」としてほしかったところだが,このあたりは専門家の間でも意見が割れているので,仕方ないことだろう。なんちゃって。専門家ってなんだよ?

エースを目指すには,やはりそれなりの時間が必要

 FBに登場する機体は,操縦可能なものが実に89種類,AI制御のみは49機種と,ほかのフライトシミュレータと比べて圧倒的に多い。すべて航空力学にのっとって,操縦性能をリアルに再現したのだそうだが,そのへんは,なにしろ本物を飛ばしたことがないのだから,メーカーのお言葉を信じるしかない。
 さらに日本語版のボーナスとして零式艦上戦闘機(いわゆるゼロ戦),さらに中島キ84疾風(はやて),さらにボーイングB-17G爆撃機,ダグラスC-47輸送機が増えているのは嬉しいところ。前二者はマルチプレイ専用で,爆撃機と輸送機はAIのみということだが,戦闘機はクイックミッションビルダーを使って手軽に飛ばすことができる。ただし,所属国として大日本帝国海軍が選べないため,ソ連の赤い星か,あるいはドイツの鉄十字をつけたゼロ戦になってしまい,これはこれで結構妙。なんだか鹵獲機体みたいです。

 ところで,タイトルにもなっている「シュトルモヴィク」だが,爆撃機の爆弾搭載量と戦闘機の運動性能を兼ね備えた傑作機,とゲーム中で讃えられているものの,実際はどちらもちと中途半端。シュトルモヴィクが名を馳せたのは,これが初の近接航空支援機だったからだ。
 いまでは戦闘ヘリコプターがやる仕事だが,地上の前線に最接近し,味方地上部隊を援護するのが主な任務。かつては火砲がやっていたことだが,スピーディな機動戦には航空機のほうが有利。対空砲に対応するため,機体下部が重点的に装甲されていて,空飛ぶT-34などとも呼ばれた。以上,豆知識。

 個人的な印象としては,慣れの問題もあるのだろうけど,マイクロソフトのコンバット フライト シミュレーターシリーズなどより操縦が難しい気がする。とくに,計器類のレスポンスが一拍遅れるため(モノの本によると実物はそうなのだそうだ),速度調整や高度など,早めの対応が難しい。そのためばかりじゃないんだけど,着陸では未だに失敗するんです。てへへ。
 また,多発機なのに離陸時に強いモーメントがかかって滑走路を飛び出しそうになったりと,ちょっと難しすぎじゃない,と思うところもある。とはいえ,本格フラシムらしく設定を細かく変更できるので,難度を簡単にすれば,当然,機の扱いも簡単になる。
 ただ,設定の一つ一つの意味を知っていないと,効果的な変更方法が分からない。そのへんもフライトシミュレータの難しさの一つだろう。


謎めいたロシアのロケット機,Bl-1B。ユニットデータに歴史が詳しく載っているが,恥ずかしながら,私は知らなかった。ジェットではなく,ロケット機。とても乗りにくい 史上初の実用ジェット機メッサーシュミットMe262。東部戦線初お目見えという感じ。ジェットだから最強だろうと思うが,旋回半径が大きく,案外レシプロ機に落とされる ゲームのタイトルでもある,シュトルモヴィクIl-2。Ilとは,設計したイリューシン設計局の略。扱いやすく頑丈な機体であり,まずこれにだけは慣れておきたい。主役だし
著名な急降下爆撃機,Ju-87スツーカ。大戦初期の電撃戦で活躍したが,西側連合軍相手では,あっさり旧式化してしまった。だが,こちら東部戦線ではまだまだ現役だ 三菱零式艦上戦闘機,ゼロ戦。ゲーム中ではA6M5となっていて,機種選択のとき,ちと分かりにくい。優れた運動性能を誇るが,防御力が不足しているってのが有名ですね 旧式化してしまったメッサーシュミットBf-109に代わって,ドイツ空軍の主力となるはずだったのがこのフォッケウルフFw190。抜群の性能を持つが,登場時期が遅すぎた
大戦初期からドイツ空軍の主力として活躍していたのがこのメッサーシュミットBf-109。まさにドイツ空軍の顔といっていい機体で,各種改良が施され,大戦末期まで使われた 零戦と並んで,日本語版のボーナス機体である中島キ84戦闘機「疾風」。大戦後半になって次々に登場してきたアメリカ軍の新鋭戦闘機にも負けない性能を持つ傑作機

30分飛んで攻撃5秒,これが本物の戦争だ!! と思う

 さて,ここらで一つ実際に飛んでみることにしよう。選んだ機体はドイツ空軍のHe-111爆撃機。バトル・オブ・ブリテンで大活躍したヤラれメカ,ハインケルだ。
 双発の中型機で,プレイヤーは操縦士のほか,前方機銃手,上方か下方の機銃手,左右の側方機銃手を選べる。もちろんプレイ中に移動も可能で,その場合,ほかの部署はAIが担当することになる。時は1941年夏,目的は,独ソ国境付近の橋を破壊することである。

 スタート地点は飛行場。僚機とともに一斉にエンジンを始動すると,エンジンから排気煙が吹き上がり,煙と爆音に周囲が満たされる。前作に比べ,こうした煙や爆発のエフェクトのレベルは向上し,グラフィックスは全体により精細になっている。機体の曲線もなめらかで,照り返しや影,テクスチャのリアリティなども素晴らしい。
 とかなんとか言っているうちに,ようやく直前の僚機が飛び上がったので,続いて離陸。実際もそうなのだろうが,なかなか飛び上がらないのでやきもきしていたところだ。

我がハインケル爆撃隊の任務は,独ソ国境を越え,ソ連軍が確保する橋を爆撃,破壊することだ。大戦も初期なので,あまり敵戦闘機を心配する必要はないだろう。だといいな エンジン始動! と同時にマップをだして方向などを確認する。操縦をAI任せにして,時間経過を早めればゲームも楽になる。また,マップも縮尺など変えられるので便利だ 爆弾投下。当たってくれ! とはいえ,私が失敗しても誰か成功するだろうという気楽さはある。なにせ,味方のAIは,普通難しい水平爆撃に対して神がかり的な才能があるのだ

ほら。自機じゃなくて隊長機が爆撃を成功させたけど,ミッションクリアはクリアだ。とはいえ,橋の様子などはよく分からず,本当に成功したかどうかはあまり自信がない やっと帰還。最後尾の機体の場合,味方が全部降りるまで飛行場上空をぐるぐる回って待っていなくてはならない。無事降りると作戦終了。しばし休息の後,任務再開だ

前作に比べ,さらにレベルの向上したグラフィックス

シュトルモヴィク隊の発進。自機はたいてい最後尾なので,全員が飛び立つのを待たなければならなく,やきもきする。この写真の場合,自機の背後に控えるのは援護の戦闘機隊だ
 空や地上の感じもなかなか良いが,このあたりは好みの分かれるところだろう。前作は,空はあくまでスカっと青かったが,今回はなんとなく霞がかかったようなくすんだ色になっている。非常にリアルな雲もたぶん3Dで,中を突き抜けると周囲は真っ白になり,視程ゼロ。空中戦では雲に隠れて敵機をやり過ごすことも可能だろう。
 相変わらず,蒼空感というか空虚感というか,日本ではおよそ見られない,果てしないロシアの大地と果てしない空の広さが圧巻。文章で説明するのは難しいが,たぶん地平線の処理がうまいのだろう。本当に空を飛んでいる気持ちになる。町並みなども,より本物っぽい。

 基本的に,目的地までは長機にしたがって飛んでいけばいいのだが,慣れないうちはAI任せにするのがグッドだろう。自分で飛ばすとエンジンがオーバーヒートしやすい傾向があるようで,これには高度と燃料の混合比とプロペラピッチが関係してくる面倒臭い理由があるらしく,問題解決にはこのへんの理解が必要になってくる。
 そんなわけで,ラーニングカーブとしては,ステップ1,「戦闘,爆撃以外はAI任せ」。ステップ2,「Mキー(デフォルト)を押下し,マップを見ながら飛行」。ステップ3,「飛行時間と磁方位を使って自分で飛ぶ」という流れになるんじゃないかと小生愚考す。ちなみに私はまだステップ2のなかほど。一度,河の流れや町などの地形をあらかじめ簡単にスケッチし,それを見ながら目的地まで飛んでみたことがあるが(これは地紋航法と呼ばれる),やれないことはないとは思うが,私は失敗してしまった。

 目的地までの飛行時間はミッションによるが,短くても10分以上はあり,単調な爆音に眠気を誘われることもしばしばだ。もちろん,時間経過を早くすればいいのだが,筋金入りのフラシム野郎にとっては,居眠り飛行もまたリアリティ。そんなことないか。
 とくに,「このキャンペーンは生涯ハインケルの下方機銃手一筋でいこう」などと決意した奇特な人は,敵機にでも襲われない限り,ゲーム中ずっと,流れ行くロシアの地べたを見てすごすことになる。善哉,善哉。

技量を上げれば上げるほど面白くなってくる

シュトルモヴィクのコクピット。メーター類は全般的に小さく,数値を視認するのが難しいときもある。もっとも,私の場合,左下の赤い表示を見ながら飛ぶことばかりだけど
 爆撃や空中戦は個人的に戦技を磨くしかないが,水平爆撃は当然ながらなかなか当たるものじゃない。また急降下爆撃は,引き起こしのタイミングが難しく,大戦初期,急降下爆撃批判派が「危険すぎる」と反対した気持ちがよく分かる。あ,また墜落。
 空中戦の要は,私の場合,ヨアヒム"アフリカの星"マルセイユばりの一撃離脱戦法である。彼の"2秒ルール"に従って,敵機を2秒以上射撃して撃墜できなければ離脱。大きく旋回して再び適正位置まで自機を持っていき,再突入だ。
 わずか2秒間のために5分も10分も戦場を迂回するのは根気のいる作業だが,ついつい深追いしすぎると,別の敵機に背後を取られて落とされてしまうことが多いぞ。なんちゃって。口ではいろいろ言うんですが,ほんとは結構弱いんです。

 ミッションを達成しても,ちゃんと帰れなければ意味がない。帰路,強風で墜落なんかしたら,泣くに泣けないところだ。方向は,これも長機にしたがって飛べばいいだけだが,飛行場では僚機がすべて着陸するまで飛行場周辺をぐるぐる回って(これは場周飛行と呼ばれる)待っていなくてはならず,退屈であると同時に,もしここへ敵機が襲ってきたらどうするんだい,という緊張感もあって気骨が折れる。戦争はつらい。
 無事に着陸できれば,ミッション終了だ。勲章をもらうなり,昇進するなり,別の隊に転勤するなり,いろいろあるが,大空の戦いはまだまだ続くのである。


単機のスツーカなど,戦闘機のおいしい餌。最初は尾翼が吹き飛び,続いて右の翼がポッキリ。このように,段階を踏んで壊れていくところがリアル。脱出不能でパイロット散華 爆撃機を攻撃する場合,このようにエンジンを狙ってくるのがセオリー。ハインケルの場合,前方の大きなコクピットを狙うのも効果が高い。このまま墜落し,搭乗員全員散華 爆撃機の場合,機長が脱出すれば,残りの機銃手も続いて脱出するようだ。意味なく脱出すると,このように平和に落下傘が連なり,楽しい。パイロットは軍法会議だろうけど

さすがに重装甲シュトルモヴィクも,複数の戦闘機に背後を取られてしまえばもうダメだ。銃弾で開いた穴から肋材が見えるところが芸コマ。脱出する間もなくパイロットは散華

ゲームに本気で取り組みたい人は,購入リストにぜひこれを

 当たり前のことだが,やはりこれはある程度プレイヤーを選んでしまうゲームだ。それなりの予備知識がなければゲームにうまく没入できないかもしれないし,プレイするにあたって覚えなければならないキーも多い。
 FPSのように目まぐるしく次々にアクションが起きるわけではなく,手に汗握るのは相対的に短時間だ。AIに任せてしまえるところも多いが,あんまり任せきりにすると,ちょっとズルしているようで,ゲームを楽しみ切っていない気分にもなるだろう。

 それでも,このゲームがフライトシマー必買の一本であることは間違いない。なにより,このご時世にこれだけガチガチのフライトシミュレーションを作ってくれるところが嬉しいし,しつこいほどのこだわりが潔い。その気になれば一生これで遊んでいられるほどのボリュームであり,アドオンソフトだけでなく,フルミッションビルダーを使ったキャンペーンや,無料の機体データなども出回っている。
 マニアだけでなく,何か本気でゲームに取り組んでみたいと考えている人にはもってこいの一本と言えるだろう。

このページを印刷する

■メーカー:メディアクエスト
■問い合わせ先:メディアクエストユーザーサポート TEL 03-5805-3629
■価格:オープンプライス
■動作環境:Windows 98/Me/2000/XP,PentiumIII/800MHz以上,メモリ 256MB以上(512MB以上推奨),空きHDD容量 1.1GB以上,メモリ32MB以上搭載したビデオカード,DirectX 8.1以降
Screenshots集
ムービー
前作「IL-2 シュトルモヴィク 日本語版」のレビュー記事
forGamer内記事一覧

(C) 2002 Developed by1C: Maddox Games. All Rights Reserved. (C) 2002 Ubi Soft Entertainment

eveloped by1C: Maddox Games. All Rights Reserved. (C) 2002 Ubi Soft Entertainment