IL-2 シュトルモヴィク フォーゴットン バトルズ
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敵味方が入り乱れた空中戦に突入すると同時に無線交信も飛び交い,誰が何を言っているやらさっぱり分からなくなる。と思っていたら自機,墜落。フィンランド空軍,激強 |
シュトルモヴィクによる対地攻撃。最近の戦争映画みたいに,煙の尾を引いて飛んでいく弾丸には賛否両論だろう。炎や爆発のエフェクトも結構派手になっている |
守るべき目標を守り損なって,ミッションは失敗。だからといってゲームがすぐに終わるわけではなく,この先どうするかはプレイヤー次第。弔い合戦を続けても構わない |
大戦初期からドイツ空軍の主力として活躍していたのがこのメッサーシュミットBf-109。まさにドイツ空軍の顔といっていい機体で,各種改良が施され,大戦末期まで使われた | 零戦と並んで,日本語版のボーナス機体である中島キ84戦闘機「疾風」。大戦後半になって次々に登場してきたアメリカ軍の新鋭戦闘機にも負けない性能を持つ傑作機 |
さて,ここらで一つ実際に飛んでみることにしよう。選んだ機体はドイツ空軍のHe-111爆撃機。バトル・オブ・ブリテンで大活躍したヤラれメカ,ハインケルだ。
双発の中型機で,プレイヤーは操縦士のほか,前方機銃手,上方か下方の機銃手,左右の側方機銃手を選べる。もちろんプレイ中に移動も可能で,その場合,ほかの部署はAIが担当することになる。時は1941年夏,目的は,独ソ国境付近の橋を破壊することである。
スタート地点は飛行場。僚機とともに一斉にエンジンを始動すると,エンジンから排気煙が吹き上がり,煙と爆音に周囲が満たされる。前作に比べ,こうした煙や爆発のエフェクトのレベルは向上し,グラフィックスは全体により精細になっている。機体の曲線もなめらかで,照り返しや影,テクスチャのリアリティなども素晴らしい。
とかなんとか言っているうちに,ようやく直前の僚機が飛び上がったので,続いて離陸。実際もそうなのだろうが,なかなか飛び上がらないのでやきもきしていたところだ。
ほら。自機じゃなくて隊長機が爆撃を成功させたけど,ミッションクリアはクリアだ。とはいえ,橋の様子などはよく分からず,本当に成功したかどうかはあまり自信がない | やっと帰還。最後尾の機体の場合,味方が全部降りるまで飛行場上空をぐるぐる回って待っていなくてはならない。無事降りると作戦終了。しばし休息の後,任務再開だ |
シュトルモヴィク隊の発進。自機はたいてい最後尾なので,全員が飛び立つのを待たなければならなく,やきもきする。この写真の場合,自機の背後に控えるのは援護の戦闘機隊だ |
シュトルモヴィクのコクピット。メーター類は全般的に小さく,数値を視認するのが難しいときもある。もっとも,私の場合,左下の赤い表示を見ながら飛ぶことばかりだけど |
さすがに重装甲シュトルモヴィクも,複数の戦闘機に背後を取られてしまえばもうダメだ。銃弾で開いた穴から肋材が見えるところが芸コマ。脱出する間もなくパイロットは散華 |
当たり前のことだが,やはりこれはある程度プレイヤーを選んでしまうゲームだ。それなりの予備知識がなければゲームにうまく没入できないかもしれないし,プレイするにあたって覚えなければならないキーも多い。
FPSのように目まぐるしく次々にアクションが起きるわけではなく,手に汗握るのは相対的に短時間だ。AIに任せてしまえるところも多いが,あんまり任せきりにすると,ちょっとズルしているようで,ゲームを楽しみ切っていない気分にもなるだろう。
それでも,このゲームがフライトシマー必買の一本であることは間違いない。なにより,このご時世にこれだけガチガチのフライトシミュレーションを作ってくれるところが嬉しいし,しつこいほどのこだわりが潔い。その気になれば一生これで遊んでいられるほどのボリュームであり,アドオンソフトだけでなく,フルミッションビルダーを使ったキャンペーンや,無料の機体データなども出回っている。
マニアだけでなく,何か本気でゲームに取り組んでみたいと考えている人にはもってこいの一本と言えるだろう。
■メーカー:メディアクエスト
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