「信長の野望 蒼天録」のすべて == システム編 1/2==

Text by Iwahama 

 2002年1月18日,forGamer編集部は待望の「信長の野望 蒼天録」(以下,蒼天録)のβ版を入手した。さらに返す刀でコーエー本社に突入し,蒼天録プロデューサーの小川亨氏に詳しい話を伺ってきたぞ。その内容は多岐に渡るため,まずここではシステム編として,みんなが一番気になるであろう蒼天録のシステムについて,小川氏の言葉を挟みながら紹介していこう。

用意されたシナリオは,この五つ。また隠しシナリオもあるのだろうか? 日本地図上に150の城があり,そのすべての城の城主でプレイすることができる

"下克上"というテーマについて

 蒼天録のテーマは,「下克上」だ。
『シリーズ10作めという節目の作品なので一度原点に返り,戦国時代を象徴するテーマを選んでみました』
 この下克上という言葉から想像できるように,蒼天録ではシリーズで初めて大名以外の配下武将(ただし城主以上)でプレイすることができるようになっている。
 前作までは目的が「大名として天下を取ること」に限られていて,常にそのために行動すればよかった。悪くいえば,ある意味一本道だったわけだ。しかし,
『目的達成までのルートをいろいろ選べるようにしたかった。そこで,配下でプレイするというアイデアが出て,下克上という言葉に結びついたわけです』
 もちろん,蒼天録でも"日本統一"という大目標は同じだ。しかし蒼天録では,大名として天下を取る以外にも,軍団長か一城主として所属する大名家に天下を取らせることも可能だし,それが難しいと思えば別の大名家に鞍替えすることも可能。そして自ら独立して大名となり,天下を取ることも可能というわけだ。

 これに関連して,エンディングにもいくつかのパターンがある。とりあえず現時点で確認できたものは,以下の5パターン。

・大名として,完全統一(その大名家だけで日本統一)
・大名として,不完全統一(従属大名家を入れて日本統一)
・従属大名として,不完全統一
・軍団長,もしくは城主として完全統一
・軍団長,もしくは城主として不完全統一

 おそらく軍団長と城主の場合では,エンディングのメッセージも変わってくるだろう。下克上というテーマによって,信長の野望は,さらに幅広い遊び方ができるようになったようだ。

その名も「下克上コマンド」というものがある。詳細は先日のNewsの「こちら」を読もう 朝廷や幕府のお墨付きをもらえば,下克上のときに周りの城主や諸勢力の力を得やすい

より個性的になった武将たち

 下克上をテーマにしたことで,大名以外の武将にも今まで以上にスポットが当たっている。常に自家の武将一人一人の得意,不得意,忠誠など細かな部分を気にかけていないと,日本統一はおろか,一つの合戦に勝利することすら難しいだろう。

『武将の個性を特にきわだたせているのが"必殺戦術"です』
 これは,前作「嵐世記」の"特技"と違い,一人の武将に一つしかない。逆に,必ずどの武将も一つは持っており,それは生涯変わることがない
 ただ,必殺戦術には5段階でレベルが設定してあるため,経験を積むことでレベルを上げることができるようになっている。ちなみに必殺戦術は全部で18種類ある。騎馬隊を率いるときに威力を発揮する"騎馬強襲",同様に長槍隊用の"長槍強襲",足軽隊用の"足軽強襲"といったものが一般的だろう。鉄砲隊用には"三段撃ち"などがある。中でもちょっと変わっているのが,"忍者暗躍"という必殺戦術。おそらく服部半蔵などが使えるのだろうが,一体どのようなものになるのか? 楽しみである。

 では"特技"はないかというと……ご安心を。これはこれで,しっかりある。"茶湯" "剣豪" "軍神"など,お馴染みのものが20種類用意されているぞ。蒼天録での特徴としては,"哀願" "威圧"といった外交に関わる特技が多いこと。"下克上のための下準備"として,外交は非常に重要なポジションを占めているようだ。

 さらにもう一つ,武将の個性を出す大きな要素がある。それは,"性格"だ。蒼天録でも新武将を作成することができるのだが,その時,"性格"を以下の6パターンから選ぶことができる。

・織田信長
・龍造寺隆信
・松永久秀
・上杉謙信
・北条氏政
・毛利輝元

 新武将に設定できるのだから,おそらく,全武将にもこの性格が設定されているのだろう。信長の破天荒さ,謙信の清さ,久永のしたたかさが,ゲームにどう影響してくるのか? これまた気になるポイントである。

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