―― 最近導入しているラグナロクなどは,リネージュとはまた違う料金モデルですね。
後藤氏:
そうなんですよ。ラグナロクは店舗ごとに月額で1万5000円前後(注1)。これは非常に魅力的です。
例えば通常のパッケージソフトの場合は,ワンパッケージごとにお金が発生してしまい,結果的に「すべての席でそのゲームを遊べるようにする」のが難しいのですが,パッケージ(CD/DVD)がいらないオンラインゲームだとそれができるわけで。私たちからすると非常に都合が良いといいますか。
―― ちなみにパッケージゲームの利用料はどの程度ですか?
後藤氏:
これはメーカーさんなどによってまちまちですが,一般的には,1年の使用料という形で1パッケージ(CD/DVD)あたり1万5000円前後になります。通常の値段の3倍前後というのが基本になりますね。
この料金設定の是非はともかく,例えば店舗側としては,新作や人気作は複数置いておきたいですし,そうなると,タイトルの数を揃えるのはなかなか厳しいです。
漫画もそうですが,数を揃えてこそお客様にとって魅力があるというか,たくさんあって初めて,タイトル決め撃ちではなく「何かゲームでも遊ぶか」という"大枠のニーズ"を満たせるんですよね。
―― なるほど。
後藤氏:
ネットカフェ自体を販売先として見るか,あるいはエンドユーザーへの告知場所/販売チャンネルとして見るか,そこが大きなポイントだと思います。
このあたりは,メーカーさん各社の意識もさまざまのようで,非常に曖昧なのが実情ですが。
―― そうですね。オンラインゲームとパッケージゲームは,そもそものビジネスモデルが違うので,双方同じように,というのは厳しいでしょう。
後藤氏:
私としては,漫画喫茶/ネットカフェに"余暇があるたくさんのお客さんが来ている"という部分を,もっと前向きに捉えてほしいと考えています。例えば,以前にカップ麺の試供品をパブリシティという形で店舗に置いたんですが,あっという間に無くなってしまいました。
そういう形であればお客様に喜んで貰えるし,それが商品の宣伝にも繋がるというのであれば,ネットカフェと他の業種間でWin-Winの関係が築けるのではないかと。
―― 広告媒体/営業支店的な価値は確実にあるでしょうね。
後藤氏:
ゲームメーカーさんにも,そういった視点でネットカフェを見てもらえれば嬉しいですね。
ただやっぱり,ネットカフェという業種自体が過渡期なんだと思います。現在,漫画喫茶/ネットカフェは日本全国で約2300〜2500店舗あると言われていますが,そういった市場として見ると,まだまだ中途半端な規模なのかなと。
ただ先ほどの話も含めて,いろいろな取り組みをしていきたいという気持ちはありますね。
―― なるほど。今後の発展に期待しております。
本日はありがとうございました。
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ゲラゲラ新宿本店にて開催された「ミュー 〜奇蹟の大地〜」のオフラインイベント。後藤氏の話によれば,イベント自体の集客効果は認めるものの,課題は"イベントを定型化"して他の衛生店舗に応用できるかどうかだという。イベントを企画/運営できるスタッフの育成に加え,人件費などコスト面の問題……ゲームイベントも決して楽ではない |
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