「DOOM 3」

Todd氏



Tim氏

4G:
 メディアとして純粋に気になるのですが,DOOM3の出荷本数はどれくらいですか?

Todd:
 初期出荷は,世界で150万本ぐらい。うち70万本以上が北米ですね。最終的に何本売れるのかは分かりませんが,過去のidの作品の記録は更新できると考えています。

4G:
 動作スペックの最低環境はすでに発表されていますが,最高環境のほうを教えてください。

Tim:
 現在のハイエンドであるPentium4/3GHzクラスとGeForceFX 6800 Ultraという組み合わせでは,ウルトラハイクオリティ(最高設定)で満足に動かせませんね。将来的なハードウェアの成長を見越した作りとなっています。

4G:
 数百万人が気にしているであろう,デモ(体験版)のリリース時期についてはどうでしょう?

Todd:
 本当にもうすぐ出せるはずです。それほど待たせることはないと思いますよ。「QUAKECON 2004」のすぐ後くらいかなぁ,うん。たぶん。おそらく。

4G:
 「DOOM 3」のエンジンビジネスも,展開していくんですよね?

Todd:
 「DOOM 3」エンジンのライセンスは,もちろん存在しています。すでに「DOOM 3」エンジンで開発に着手しているゲームスタジオが数社ありますが,彼らのビジネスプランもあることですし,ここでは名前は明かせません。

4G:
 すでに動いているプロジェクトがあるのですね! 「QUAKE3」エンジンのように,今後多くの作品で利用されることになると思いますか?

Todd:
 「DOOM3」は何から何までリアルタイムシャドーなので,「QUAKE3」エンジンよりも汎用性に富んでおり,あらゆるシーンに対応できます。さまざまなゲームの開発に適しているといえるでしょう。

4G:
 拡張パックの予定なんかはどうでしょう?

Todd:
 出る可能性は非常に高いでしょうねぇ。「QUAKE2」「QUAKE3」の拡張パックのように,id以外のスタジオから出ることになると思われます。以前ジョン(カーマック)の口からも出たことですが,「QUAKE3:TEAM ARENA」なんて,idはまったくノータッチだったんですよ!

4G:
 ところで,すでに次回作の噂が流れているのですが……?

Todd:
 次回作の話は,もう動き始めてます。ただし「DOOM 4」や「QUAKE4」といった,今までのidのブランド作はやらないですよ。

4G:
 おお,意外ですね。では,まったくのオリジナル作品ですか? ジャンルもFPSではないとか?

Tim:
 まだ名前もないし,どういったものにするかという具体案も固まっていないんですけど。マイケル・ジョーダンやタイガー・ウッズがサッカーに挑戦するくらい,今までのidとは違うものになりますよ。とりあえず,FPSであることだけは間違いないといえます。

4G:
 FPSであることは決まってるんですね。idとして,ほかのジャンルを作ってみたいと思ったり,トライしてみたいと思ったことはないんですか?

Todd:
 作るのはFPSだけです。なぜかというと,id Softwareは,基本的にあまり大きなゲームスタジオではないんです。スタッフが23人しかいないですからね。だから常に,FPSに絞った開発を行ってきたのです。

4G:
 ほかのジャンルのゲームで遊ぶこともないのですか?

Todd:
 遊ぶことはありますが,作ることはないでしょうね。id Softwareとは,3Dシューティングを作るゲームスタジオなんです。我々は,FPSこそがもっとも「自分がゲーム世界の中にいる」と体感できるゲームであると信じています。

4G:
 なるほど,id Softwareの開発信念まで伺うことができて光栄です。今回はありがとうございました。


 めちゃめちゃナイスガイで力強いCEOのTodd氏と,長く苦しかったであろう開発を支えてきただけある温厚さと包容力を感じさせたTim氏。1時間という短い時間だったため聞けることはかなり限定されたが,どんな質問にも言葉を濁さずにしっかり答えてくれ,さすが世界中の期待を一身に背負いながら人の上に立つものの貫禄を見せてくれた。
 ゲーム進行度75%ほどのステージという,Hell(地獄)をTodd氏自らプレイして見せてくれたシーンでは,途中で足を踏み外して真っ逆さまに"落ちてしまう"というお茶目な一面も演じて(?)くれた彼らは,今後もid Softwareは世界の期待に押し潰されることなく,自分達の作りたい作品だけを作り続けていくのであろう。それを確信させるインタビューであった。
 何はともあれ,ついに日本でも発売となった「DOOM 3」は,PCゲーム業界の1ページに刻まれる貴重な作品。idの強い信念によって生み出された本作を,まずは体験してみよう。

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