さまざまな"仕掛け"が盛り込まれた「Warcraft III:The Frozen Throne」forGamer(以下,4G): 今回日本で発表されたThe Frozen Throneですけれど,開発にあたって特に注意された点はどこでしょうか? Bill Roper(以下,Bill): 「Warcraft III:Reign of Chaos」を遊んでくれたプレイヤーが新しい気持ちでプレイできるような"仕掛け"を盛り込むことを重要視した。ユニットやヒーローを追加して,より戦略的な駆け引きを作り出している。追加したマップに関しても,もっと"水"を絡めたマップを作ってほしい,というユーザーの要望に応える形で,いくつかの新しいマップを用意している。
4G: 今回は,各勢力が自前でショップを作れる,という要素があるようですが,これも面白いですよね。 Bill: アイテムの種類や買える品揃えを変更するだけでも,プレイヤーにはまったく新しい戦略が要求されるだろうからね。ユニットやヒーローと同様,さまざまなアイテムを駆使することで,よりゲームの面白みが深まると考えている。
4G: どこの勢力にも属していない"中立のヒーロー"を盛り込むというのは,The Frozen Throneの開発当初からの考えなのですか? Warcraft IIIは,ヒーローが大きなウエイトを占めている作品で,種族間の特色なども,ヒーローの個性とうまく絡められていますよね。 少々冒険的な追加要素なのは分かっていたが,中立のヒーローを盛り込むことで,よりゲームが戦略的になるという計算もあった。また各種族に追加された新ヒーローやユニットはいずれも個性的なので,中立ヒーローがいるからといって種族の"色"が薄れてしまう心配もない。ただヒーローのアビリティの強さなど,バランスに関しては,これから行うβテストで調整していく形になるだろう。
4G: バランスといえば,Warcraft IIIは何度遊んでも飽きない絶妙なゲームバランスが本当に素晴らしいと思うのですけれど,あのようなゲームバランスを実現するために,一体どのような開発体制,あるいは気配りを行っているのでしょうか? Bill: 開発にあたって,まず最初に社のチーム内で積極的な議論を行うようにしている。例えば今回は,新しい要素の追加案,ユニットやヒーローの能力について,かなり長い時間議論を行った。あるユニットを用意した場合に,それに対するカウンターユニットを必ず用意するという仕組みを基本として,それをブラッシュアップしていく感じだろうか。大まかなゲームの仕組み自体は,そのような方法で形にしていく。
細かい部分はβテストで調整というわけですか Bill: そのようになる。ただ我々は,ユーザーからのフィードバックを非常に大切にしている。βテストで得られるユーザーの意見は,どれもが有益なものばかりだ。ユーザーの反応次第で,大きな仕様変更を行う場合も少なくない。
4G: Reign of Chaosを遊んでいて一つ疑問だったのですが,キーアサイン機能を搭載していないのは,なにか考えがあっての仕様なのでしょうか? 私としては,非常に必要な機能だと考えていて,ぜひThe Frozen Throneで搭載してほしいと思うのですが。 我々は,初心者ユーザーにもWarcraft IIIを楽しんでほしいと考えている。そのため,キーアサインなどヘヴィーユーザーのための機能の追加は,現段階ではあまり考えていない。
4G: Bill: クラン戦は,今回の最も大きな新機能の一つだ。今でもArranged
Team Ladderなど,複数のプレイヤーとチームを組んで一緒に遊ぶための対戦機能が搭載されているが,The Frozen Throneでは,その機能をさらに発展させている。 次のページへ>> |