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"NVIDIA対ATI"は"Doom 3対Half-Life 2"の構図へ!?
2003年10月21日,アメリカのサンフランシスコで開催されたカンファレンス「NVIDIA EDITOR'S DAY」において,新世代3Dゲームとして前評判の高い「Doom
3」(以下,D3)の開発元として知られる,id
Software社の社長Todd Hollenshead氏と,NVIDIA社長Jensen
Huang氏による対談「CEO Fireside Chat」(直訳すると"社長炉ばた談話")が行われた。
9月末に行われたATIのRADEON 9800XT/9600XT発表会では,同じく新世代3Dゲームとして大きな期待が寄せられている「Half-Life
2」(以下,HL2)の開発元Valve
Software社の社長Gabe Newell氏が壇上に上がったが(関連情報は「こちら」),NVIDIAはid
Softwareを呼んだというわけだ。「緑対赤」(NVIDIAイメージカラーは緑で,ATIは赤)の図式は"D3対HL2"という構図へと展開しつつある……と言いきってしまうのは無謀だとしても,かなり因縁めいた組み合わせであることは確かだ。
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id Software社長Todd Hollenshead氏(左)と,NVIDIA社長Jensen
Huang氏(右) |
数GHzで動作するGeForceが登場する!
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公開されたD3の映像はE3のときと同じだった。残念……というか,「なぜ,今さらまた同じものを?」という空気が会場を漂った |
まず最初に壇上に現れたのはHuang氏。2002年から2003年にかけて出荷したDirectX 9世代のGPUは,ATIの4倍も多いと述べ,2年半後に発表する新GPU研究開発費用として約4億円を投資したことを明らかにした。Huang氏は,NVIDIAは順調に躍進していることを強調,このペースで行けば2010年には
- 32nmプロセスルール採用
- 数GHzで動作するGPUコアエンジン
- 現行GeForceFXの10倍の規模
- ビデオメモリ容量約2〜4GB
- 数兆テクセル毎秒
- 32ビット精度で数兆FPシェーダ命令毎秒
のGPUを発表できるであろうとNVIDIA製GPUの未来像を予測。今のGeForceFXシリーズは,この近い未来像に向けての重要な第一歩であり,GeForceFXシリーズこそがシネマティック・コンピューティングの幕開けを象徴するものだと熱っぽく語った。
続いて登場したのが,id SoftwareのTodd Hollenshead氏だ。Hollenshead氏は「まずは,これからお見せしよう」と,会場内に設置された大画面でD3の映像を見せたが,E3
2003会場のid Softwareブースで流していたムービーと同じ内容であった。
このムービーの上映後,Hollenshead氏は「『Quake2』から『Quake3』への進化は,ポリゴン数とテクスチャ解像度の増加の技術革新だった。D3では,すべてのサーフェースに法線マップが施され,動的なリアルタイム光源処理とステンシルシャドウボリュームによるリアルタイム影生成が行われる。そのためには,どうしても新世代グラフィックスハードウェアが必要となる。NVIDIAのGeForceFXシリーズはそうした3Dゲームの進化の方向性に適合するものである」と語り,D3とGeForceFXシリーズの相性の良さを示唆した。
また,Hollenshead氏は,id SoftwareのリードプログラマJohn Carmack氏による,ハードウェアの限界を超えようとする新しいアイデアをNVIDIAがサポートしてくれてきたと述べ,NVIDIAとid
Softwareとの関係が非常に深いものであることをほのめかした。
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