電車でGO!新幹線 山陽新幹線編

Text by UHAUHA
20th Jan. 2003

世界最速300km/hの列車の運転を堪能しよう

1992年から"のぞみ"としてデビューした300系。最高速は270km/hだ。新幹線初のVVVF制御の誘導電動機が搭載されている。現在は"ひかり"の主流車両

 さまざまな路線を忠実に再現し,アーケード,コンシューマで人気を博しているトレインシミュレータが,タイトーの"電車でGO!シリーズ"(以下,電GO)だ。PC版でも元祖「電車でGO!」はもちろん,「名鉄編」「通勤編」「汽車でGO!」などがアンバランスから発売され,プレイしたことはなくても名前を聞いたことのあるという人は多いのではないだろうか。
 このシリーズの面白さは,誰でも電車の運転手となりリアルに再現された実在する路線を走れるところにある。
 実際電車は,厳密に組み合わされた運行ダイヤに従って走らなければならないのだが,当然それは電GOでも同様。常に時間や乗客のことを考えて走る必要があるのだ。停車駅に止まるにも乗客が倒れてしまうような急ブレーキは厳禁。毎日通学や通勤で使っている路線も再現され,一度プレイすると電車に乗ったときに「ブレーキがヘタだな」と思ってしまうなど,なんとも身近に(?)感じられるゲームである。

 「大きくなったら新幹線の運転手になりたい」。そんな夢を子供の頃に描いていたという人は意外と多い。いや,読者の中にも絶対にいると言い切ってしまおう。そんな子供の頃にあこがれた新幹線の運転手を体験できるのが,PC版電GO最新作「電車でGO!新幹線 山陽新幹線編」(以下,新幹線編)だ。これまで在来線がメインだった電GOだが,いよいよ日本が世界に誇る安全かつ快適な乗り物,新幹線が忠実に再現されて登場した。

 新幹線編に収録されているのは,山陽新幹線路線の新大阪から博多までの全区間。トンネルや緩やかなカーブが多く,500系では列車の世界最高速である300km/h(東海道区間では最高速270km/hまで)での走行が許されている区間でもある。
 また博多南線(博多〜博多南間)も収録されている。これは,元々博多に到着した新幹線を福岡にある博多総合車両所まで運ぶための回送路線だったが,車両所のある地域の住民からの回送新幹線に有料で乗りたいという要望に応え,1990年に博多南線(将来は九州新幹線となる予定)として開業されたのである。新幹線なのに在来線並みの片道290円と格安で乗れてしまう路線で,知らない人も結構多いかもしれない。

こだわりの再現度,マニアックな要素もタップリ

 登場する新幹線は0系,100系,300系,500系,レールスター(700系)の5種類で,各車両の加速性能/ブレーキ性能の違いは当然のこと,速度に合わせて変化するモーター音/風切り音なども再現されている。また,運転席から上下左右を見渡せる視点切り替えが可能になり,以前にも増して実際に運転席に座った感覚でプレイできるのが嬉しい
 この視点切り替えにともなって,風景などの描き込みも一段とパワーアップしている。遠方の風景までかなり細かく描き込まれ,新幹線マニアな人にいわせると「建物などが,あるべきところきちんとにある」そうなので,このへんの再現度は上出来のようだ。時刻や天候の変化も再現してあり,同じ路線でも違った印象で走れるのは嬉しいところである。

 かなり"マニアック"と感じられるのが,新幹線の編成の違いまで再現してあるところだ。例えば0系Q編成,0系R編成+R編成,0系Sk編成,100系G編成,100系P編成などなど,連結車両数や編成なども細かく再現されているので,アウタービュー(外部視点)で眺めるときには注意して見てほしい。当然,すれ違う新幹線も違いが再現されているが,速度が速度だけにあっという間に通り過ぎてしまって残念(笑)。

今回から搭載された視点切替により,本物の運転手の視点に近い状態でプレイできる。ショットは0系の運転席。リアルに再現された計器類を見ながらプレイが可能だ 駅に停車すると,運転評価が表示される。合格点を超えていればゲームを続けられるが,常に高得点を出すようにしなければ,ゲーム終了後の総合評価に響いてくる

"時刻表"完全制覇を目指せ!!

 ゲームモードには,"ダイジェスト""時刻表"がある。
 "ダイジェスト"簡単にいえば練習モードで,好きな車両を使って"難易度初級"に挑戦できる。運転評価なども甘く,走行距離も短いので,ゲームを通じて各車両の特性を掴むには最適なモード。基本的な操作ができていれば誰でも区間走破することができるはずだ。
 "時刻表"は,メインのゲームモード。表示される時刻表から車両(ひかり391号など)を選び,さまざまな区間の走破に挑戦する。各車両で難易度が初級〜超特急と設定してあるが,プレイする順番などは決められていないので,腕に合わせて挑戦していこう。なお難度が上がるほど運転評価が厳しくなるので,覚悟されたし。
 時刻表に「?」がついている車両は,「ある区間を走破する」「総走行距離がXXXXkm以上」など特定条件を満たすとプレイ可能になる。中には複数の条件を満たさなければ操作できないものもあるので,すべての車両をクリアするにはかなりの腕前が必要になるだろう。

 また,ゲーム以外のモードも用意されている。
 まず電GOは初めてという人のために,お馴染みの鉄ちゃん(てっちゃん)の指示に従い,遊びながら新幹線の運転が学べる"入門"モードがある。新幹線の運転は在来線とはちょっと違うので,電GOのプレイ経験がある人も一度見ておいて損はない。
 また,車両,始発駅,終着駅,天候,時間帯などを選び,終着駅に停車するまで自由に運転を楽しむことのできる"フリーラン"モードが,新幹線編で"やっと"搭載された。運転評価など気にせず自由気ままにプレイできるのは嬉しいところだ。そして"資料館"では,鉄道写真や映像,観光写真などを見ることができ,時刻表モードを順にクリア(走破)していくことで徐々に資料が増えていく。駅弁や名所なども写真付きで沢山紹介されているので,覚えておけば実際に訪れたときに便利かも?

入門は,一つ一つ確認しながら新幹線の運転を学べるモードだ。電GOをプレイしたことのある人も,一度は目を通してもらいたい(リアルモード用もあり) 資料館(鉄道模型)では,ゲームに登場するすべての車両を見ることができる。編成の違いもしっかり再現されているので,マニアな人はニンマリなはず 資料館(鉄道映像)ではゲームに登場する映像が見られる。実際の新幹線と見比べると,新幹線編の車両再現度が素晴らしいことが分かる

時間を守り,乗客の気持ちになって運転せよ

新幹線編で一番気にしなくてはならないのは,時間配分だ。到着時刻,通過時刻や残りの距離を考えながら時間調節する必要がある。難度が上がると,数秒の違いも減点だ

 新幹線編も,基本的なゲーム性/操作方法はこれまでの電GOと変わりはない。
 ゲームの目的は,運転規則を守りながら新幹線を走らせ,到着駅に停車すること。停車駅に止まるたびに走行区間の運転評価があり,合格点に届かないと運転終了(ゲームオーバー),また到着予定時刻から大幅に遅れてしまった場合も運転終了だ。無事に全区間完走すると総合評価が表示され,最終的な総合評価での点数が得点となる。
 運転評価の各項目で高い点数を出すポイントは,「時間を守る」「ATCブレーキや非常ブレーキを使わないように速度調整する」「可能な限り停止位置に近いところで止まる」「乗客が不快に感じる運転を行わない(マスコン,ブレーキ操作)」など。点数には,多くの要素が絡んでいるのだ。難度が高くなればなるほど高い運転技術が要求されるのは当然である。

 新幹線の操作は,在来線の車両と同様に,スピードをコントロールするマスターコントロール(主幹制御器。通称マスコン)とブレーキ装置を使用する。マスコン,ブレーキ共にノッチ式になっており,例えば500系のぞみではマスコン13段階,ブレーキ7段階で,どちらも数が小さいほど制動が弱く,大きいほど強い(ブレーキ最大は非常ブレーキ)。
 信号機などが一瞬で通り過ぎてしまう新幹線では,従来の電GOと違ってATC(Automatic Train Control System)と呼ばれる運転速度指令に従って走ることになる。走行中にATC指示速度が表示されるので,必ずこの速度に合わせよう。なお,指示速度以上の速度になると自動的にブレーキがかかり,運転評価の大きな減点ポイントとなってしまう。
 勘違いしないでほしいのは,指示速度というのはその時点で出してもいい最高速度ということだ。必ずしもその速度で走行しなければならないという意味ではないので注意。次駅到着時刻,通過目標時刻や停止位置,通過地点までの距離に合わせて指示速度内で速度調整することが重要だ。

 ところで,実は前述したのはゲーム用に変更された操作で,メニューのオプションから"リアルモード"をONにすることで,よりリアルな新幹線の運転が可能になっている
 実際の新幹線は,ATCにより減速が自動化されている。運転手が行うのは,ATC 30(速度を30km/hまで)の指示が出た場合に,ATC確認ボタンを押して30km/h以下まで減速すること。ATC確認が済んだら,通常どおりに手動で停止位置に止めればいい。ATC確認が行われないと異常停止してしまうので,リアルモードでプレイしている場合はATC確認を忘れないようにしよう。筆者の個人的意見だが,リアルモードのほうが運転が簡単なようである。

 操作はキーボードを始め,ジョイパッド,ジョイスティックなどにも対応している。比較的操作は簡単なのでキーボードでも十分にプレイできるが,やはり専用コントローラ「DGOC-44U」でのプレイがお勧め。マスコン,ブレーキ共にレバー式になっているので,直感的な操作が可能となり,減速や停車なども非常に簡単。
 ただし専用コントローラはマスコンが5段階なので,500系のぞみなど13段階ある車両では1ノッチあたりの範囲が狭く,細かい速度調整が難しいのは仕方のないところか。それでも列車運転手の雰囲気を味わいながらプレイしたい人は,ぜひ専用コントローラでプレイしてほしい。

元祖0系もご覧の通りの再現度。難度が上がると簡単な運転ミスで運転評価が大きく落ちる。現在までの運転評価は画面上部の乗客メーターである程度把握可能だ 周りの景色の再現度は文句なしの出来映え。200km/h以上ともなるとアッという間に通り過ぎてしまうが,画面キャプチャーなどで確認すると細かいところまで描き込まれているのがよく分かる

マニアはもちろん,子供から大人まで楽しめるゲームだ

 新幹線編は停車駅が少なく,一定速度で長い距離を走るため,今までの電GOに比べて簡単な印象を受ける。時間配分はこれまで以上に考えなくてはならないが,慣れてくれば中級くらいの難易度であれば簡単にクリアできるようになる。そういう意味で,電GOをプレイしたことのない人にも強くお勧めしたい。
 新幹線編は,同じ300km/hでもF1などとはひと味違ったスピード感を味わえ,マニアックな要素もあるし,オマケは盛りだくさんだしと,子供から大人まで幅広い層に受け入れられる作品だといえる。とくに子供の頃の夢が,夢のまま大人になってしまった人にプレイしてほしいゲームだ。
 今後は,東海道新幹線編,東北新幹線編など"路線にこだわった新幹線編"の登場にも期待したい。

15mのロングノーズが特徴的な,世界最速300km/h運行を実現した500系。全車両電動車,翼型パンタグラフ,セミアクティブサスなどの機構で,高速/快適運行を可能にしている 定速ポイントと定通ポイントがあり,規定の速度/時間で通過することで運転評価に加算される。画面の場所では,ATC 300になっても260km/hを維持しなければならない 最新型車両700系。最高速は285km/h。山陽新幹線では8両編成で独特の塗装が施されレールスターと呼ばれている
山陽新幹線は,駅間を可能な限り直線で結ぼうとしたためトンネルが非常に多い。なおトンネル進入時には,非常にリアルなサウンドが味わえる 時刻表からプレイしたい列車を選択する。「?」が付いているのは隠し列車で,条件を満たさないとプレイできない。すべての列車が運転できるようがんばろう 最初はダイジェストモードで各新幹線の"特性"を掴もう。難易度は"初級"のうえ鉄ちゃん(てっちゃん)のアドバイスもあるので,誰でもクリアできるだろう

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■メーカー:アンバランス
■価格:5980円
■問い合わせ先:アンバランス TEL 03-5283-3625
■動作環境:Windows 98/Me/2000/XP,PentiumIII/1GHz以上(Pentium4/2GHz以上推奨),メモリ256MB以上(512MB以上推奨)
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