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1903 ライト フライヤー |
| 1903年12月17日,ノースカロライナ州キティーホークで,ライト兄弟が人類初の動力飛行を成し遂げたときの名機。エンジン以外は布と木で出来ており,パイロットは腹這いで操縦するという,ちょっと変った飛行機である。 |
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カーチス JN-4 ジェニー |
| 1918年,陸軍中尉ジョージ L. ボイルが,ワシントンからフィラデルフィア間の初の郵便輸送便のパイロットとして操縦した機体。第一次大戦中には6500機以上も生産され,ファンも多い。映画「華麗なる飛行機野郎」で,注目された機体である。 |
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ヴィッカース ヴィミー |
| イギリスの新聞デイリー・メール紙が北大西洋無着陸横断飛行に1万ポンドの懸賞金を出すと発表。これにジョン・アルコックとアーサー・ホイットン・ブラウンがヴィッカース ヴィミーで挑み,16時間28分をかけてカナダからアイルランド西海岸のクリフデンまでの3040kmをフライトした。 |
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ライアン NYP スピリット オブ セントルイス |
| 1927年,チャールズ・リンドバーグが,ニューヨークからパリへ単独で大西洋無着陸横断飛行を成し遂げた機体。33時間30分をかけて5809kmをフライト。二大都市間を飛んだことから,多くの人々に注目された |
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フォード 4-AT-E トライモーター |
| 自動車産業で一躍有名になったヘンリー・フォードが1925年にスタウト社を買収して,翌年初飛行に成功した機体。バード少将による南極点飛行にも使用された。特徴あるその外観から,"ブリキのガチョウ"の愛称で親しまれた |
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ロッキード ヴェガ 5B/5C |
| 1931年にワイリー・ポストとロルド・ゲティが世界一周飛行を行ない,8日間15時間51分という記録を立てた飛行機。1933年には同機でワイリー・ポストが単独世界一周飛行に挑戦。7日間18時間49分と記録を更新した |
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ダグラス DC-3 |
| 1930年代に商業的に大きく活躍した機体。本機はアメリカン航空の要望によって設計され,製造はダグラス社が行なった。1940年に入って輸送機としても活躍。実は今日も活躍している非常に長寿な機体である |
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デ ハビランド DH-88 |
| 1934年に行われたマック・ロバートソン・カップために作られたレース専用機。このレースはイギリスからオーストラリア間を飛行するというもので,レースには3機のデ ハビランド DH-88が出場した。優勝したのはグロブナー・ハウス号 |
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パイパー J-3 カブ |
| 1938年に登場し,軽飛行機としての地位を確立した飛行機。安価であることから訓練にも使われ,戦争ではアメリカ陸軍が採用し,着弾確認などにも活躍した。1941年頃までに8000機以上が生産され,現在でも多くの人に親しまれている |
それから,こうした歴史的な名機を登場させるだけではなく,彼らの偉業を追体験できるシーナリー(ミッション)が収録されている点も,なかなかに面白い。時間に余裕があれば,リンドバーグの北大西洋無着陸横断飛行に挑戦してもいいだろう。もちろん,ゲームならではの機能として,セーブして後日に続きを楽しんだり,ゲーム速度を調整して高速で飛んだりできる点は,ありがたいものだ。
とまあ,大まかに機体の説明をしてきたが,実はFS 2004になって,なくなってしまった飛行機もある。それは複葉単座機のソッピーズキャメルと「コンバット フライト シミュレータ」から友情出演したコルセアの2機。本作は基本的にフライトのみ楽しむためのものであるから,戦闘機はあえて排除となったのだろうか。
今回,仮想コックピット上で計器類の扱いができるようになった点は新しい。ハンドルをマウスでドラッグすれば操作できるし,細かいボタン類もクリックすれば操作可能になっている。これはマニアならずとも嬉しい改良だろう。
実際の飛行機乗りに言わせると,通常の画面で操作するよりも仮想コックピットで操作するほうが現実のフライトに近くて好きだという。実際の飛行機乗りは,窓のこのあたりに景色が差し掛かったら高度を落として……といったように機体のフレームさえも一種の計器として利用するのだそうだ。だから,マニアは機内を見回せる仮想コックピットでフライトしたいのだ……と聞いたことがある。マイクロソフト側も,マニアのこのあたりの嗜好を十分に熟知しているようで,今回の仮想コックピットの強化を施したのだろうか。
また計器周りでは,GPSも大幅に変更された。GPSはカラー表示になり,土地の起伏までをも表現可能になっている。また,ライト フライヤーなどの歴史的名機の飛行時にもGPSの表示ボタンを押すと,GPSが表示される。おや? と思ってよく見ると,なんと画面に表示されているのはハンディタイプのGPS。なるほど,ライト フライヤーにGPSが搭載されているはずはないのだから,持ち込んだという設定で表現しているのか。芸が細かい。
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| こちらは前作のGPS。今見ると少々寂しい感じがする | カラーになり,土地の起伏までも表現可能になったGPS | 仮想コックピットでは,各種スイッチがマウスでいじれるようになった |
ATC(航空交通管制)も選択肢が増えて,幅広い行動が可能になった。今回の追加機能で嬉しいのは,飛行中に"新しいIFR(計器飛行)行き先の変更"などが選択可能になったことだろう。前作までは一度制作したフライトプランはフライト中に変更できず,フライトプランの変更をするには,一旦フライトを終了させなければならなかった。しかしFS 2004では,飛行中にフライトプランを呼び出して自由に変更できるので,思うがままに目的地を変更できる。より気ままなフライトが可能になっているのだ。
また初心者に嬉しいのが,空港の位置をATCで調べられることだろう。土地勘がない場所でも空港の方向を教えてもらえるので,前述のGPSと組み合わせれば安心して飛行できそうだ。ほかにも滑走路が複数ある場合は,管制塔からの指示をキャンセルして別の滑走路に着陸要請を出すことも可能になっている。こうして見ると,よりアクティブなフライトが楽しめるようになっており,なかなかに好印象だ。
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細かいことではあるが,気象などについても改良が加えられている。自動的に気象が変化したり,ちゃんと風の方向に雨粒が流れたりと,なかなかに芸が細かい。風防にうちつける雪や雨なども風の方向に応じてしっかりと流れ方が変わっていた。また雲は3D表示になり,絹雲,層雲,積雲,積乱雲などの表示分けができるようになった。こうしたことから(微妙なニュアンスで申し訳ないが),フライト時には雲を潜り抜ける時の"雲の厚み"が感じられるようになった。ちなみに,この雲の技術に関しては,優れたで出来であることから,米国サンディエゴで開催された展示会“SIGGRAPH 2003”で,技術に関する論文が発表されたらしい。
景色面では,やはり各地(とくに有名な地域)の景色は美しくなり,以前は箱のような町並みも,かなり高精度に表現されている。成田空港は時代に合わせて,滑走路が増えていた。発表会のデモプレイではオーストラリアのオペラハウスの姿が確認できたが,チャンスがあれば,パリの凱旋門やエジプトのスフィンクスなども見てみたいものだ。これは余談だが,フライト前の設定画面では,都市名を入力して発進空港が検索できるようになっていた。土地勘のない筆者は,FS 2002のときに空港一覧から目的の空港が見つからずに苦労したクチなので,この機能は非常に嬉しかったりする。
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| 雲が3Dになったことで,より表現力が増した | 4種類の雲の表現が可能に。雲の厚みもしっかりと再現 |
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| 前作の成田空港。テクスチャーなどもやや乏しい | FS 2004での成田空港。拡張工事もちゃんと再現されている |
FS 2002でもオンラインマニュアルは読み物としてかなり楽しめたが,PDFであったことから,閲覧するとマシンのタスクが切り替わってしまい,かなり使い勝手が悪かった。これもHTMLにすることで解消。しかもブラウザ表示ではなく,スタイリッシュな表示になっていて良い。飛行機の歴史,各種用語,写真,ムービーなどが盛りだくさんで,合計で200点以上も収録。各種リンクも用意されており,関連サイトへも飛べるようになっていたり,歴史を読んで興味を持ったら,そのフライトをすぐに開始できたりと,かなり使い勝手も良くなっている。おまけにラーニングセンターなどもあり,そこでは飛行機を上手に飛ばすためのレクチャーを受けられる。
読み物というとマニアックになりがちだが,ムービーなどを交えつつ展開されるので,初心者でも手軽に読めるだろう。フライトに飽きたら,ちょっと箸休めで読んでみるのも悪くない。しかし,FS2002のテキスト量にも驚かされたが,今回がその2倍だというのだから,翻訳はさぞかし大変であったに違いない。すべて翻訳してくれたマイクロソフトには感謝したいものである。
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| 展示された筐体。MatroxのParheliaを使った筐体は注目を浴びていた |
現状,発売は10月中を予定しているとのことで,9月の第一週あたりに発売日が正式発表になるらしい。また,同じく9月の第一週から週刊で6回に渡ってFS 2004専用のメール配信が行われるとのこと。メール配信は本日より受け付けが開始されるそうなので,興味のある人は公式サイトをチェックしておこう。なお初回限定は,ブリキパッケージ版となるらしく,ファンには注目のパッケージとなりそうだ。
また,本日の取材ではマルチディスプレイのコックピット筐体なども登場し,注目を集めていた。フライトシムというとマシンスペックが必要というイメージがあるが,本日のデモ機はPentium 4/1.4GHzにGeForce 4,512MBのメモリという構成だが,かなり快適に動作しており,わざわざ本作のためにパーツを買わなくても楽しめそうな感じであった。
タイトル:「マイクロソフト フライトシミュレータ 2004 翼の創世紀」
■動作環境:Windows 98/ME/2000/XP,Pentium III/800MHz以上(Pentium 4/1.4GHz以上推奨),メモリ128MB以上(256MB以上推奨),空きHDD容量インストール間4GB以上,実行時400MB以上
→ムービーやScreenshots集が見られる,当サイト内「マイクロソフト フライト シミュレータ 2004 翼の創世紀」の記事一覧は「こちら」
*ゲーム画面はすべて開発中のものです。また,本記事の内容は製品版では変更される可能性もあります。ご了承ください。
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