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さてこのDDは,敢えてシンプルに表現するなら"ディアブロタイプのアクションRPG"だ。ファンタジーの世界観をもつ大陸「リヴェロン」を舞台に,プレイヤーは"印ある者"として人間,オーク,インプなどの異なる種族を束ねて世界を闇から救うために戦う。マニュアルに掲載されている複雑で壮大なバックストーリーを熟読すれば,いかにこのゲームがストーリー重視にデザインされているのかが伺えるのだが――。2D斜め見下ろし視点といい,画面下部に配置されたインタフェースバーといい,大方のプレイヤーはパッと見でディアブロを連想するハズだ(かくいう筆者もその一人である,そして間違いというわけでもない)。日本国内での知名度が未だに低く,かつScreenshotsなどを見てもイマイチ興味がソソられない人がいるであろう理由はそこにもあると思うが,考えてみてほしい。そんなよくあるコピーゲームが,"PC RPG Game of the Year"や "2002 Game Award"などの権威ある賞にノミネート,そして第2位の座を獲得するだろうか? ――もちろん答えは"否"である。
ズバリいって,本作とディアブロを決定的に差別化する要素は,25万ワードの膨大なテキスト量と,それに伴い用意された150ものNPC,そしてシングルプレイに的を絞っただけある練り込まれたクエスト/シナリオである。実際にプレイしないとピンとこないフィーチャーなのが残念だが,要するに本作は,戦闘→キャラクターの成長→レアアイテム入手→イエーイといったディアブロ的な楽しさに加えて,アドベンチャーゲームのような謎解き満載のクエストやNPCとのやりとりが楽しめる作品なのだ。そのあたりは「バルダーズ・ゲート」シリーズや「The Elder Scrolls III : Morrowind」に似ている。ゲームクリアと関係ないサブクエストに手をつけながらプレイすると,総プレイ時間は40〜200時間にもなるというのだから,その凄まじいボリュームは想像がつくだろう。
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長いストーリーをひたすら追い続ける作品ならほかにもあるが,骨太なシナリオをディアブロ級のアクション性の高い戦闘で楽しめるのが,DDのスゴイところだ。
本作でプレイヤーが選べるクラス(職業)は,サバイバー,ウィザード,ウォーリアーの三つ。すべてのクラスには男女両方のグラフィックスが用意され,クラス選択後には顔のテクスチャも選択できる。キャラクターのステータス(筋力,敏捷性,知力,体格)はクラスごとに初期値が異なっており,レベルアップ時に得られる5のステータスポイントを割り振ることで,キャラクターをさらに自分好みに個性付けしていく。キャラクターの強さはステータスのほか,バイタリティ(ヒットポイント)とスキルや魔法の使用に必要なマナ,そして走ったりスキルを使用すると消費するスタミナがあり,それぞれ筋力,知力,体格に比例してレベルアップと共に増加させる仕組みだ。
また本作にはディアブロと同様,火炎/雷撃/毒物/霊力などの属性の概念もある。属性攻撃に対しては,耐性を持つ防具やアミュレット,指輪などの装備品や耐性アップスキル,そして武器に埋め込んで使用する魔法の玉"魔珠"で抵抗力を高めることになる。
登場するモンスターは俗にいうパッシブ(常にプレイヤーに敵対して攻撃してくる)なので,戦闘は武器やスキルをショートカットキー(またはマウス)でカチカチと切り替つつの忙しいものになる。場合によっては,敵の視力(こんなパラメータもある)を奪って遠距離から攻撃したり,ボス戦などでは,ワラワラと向かってくるザコを無視しするべく一瞬で対象(ボス)に接近するスキルを使うなど,頭脳的な戦闘を強いられる場面もあるだろう。
武器で敵を殴りつつ,バイタリティが減ってきたらポーションや魔法で回復,という緊張感ある戦闘は,ディアブロのソレと同等だ。しかし,敵の耐性などをスキャンするスキル「ノウ・クリーチャー」で弱点を探ったり,隠密系のスキルで敵の目を欺きつつ攻撃するDDの戦闘は,"当たって砕けろ"的なディアブロの戦闘よりも奥が深いといっていいだろう(決して大袈裟ではないと思う)。
ただし,本作はシングルRPGなので,いつでも場所を問わずセーブが可能。ゆえにキャラクター死亡時のペナルティなどはなく,必然的にセーブ&ロードを繰り返すようなプレイになる。
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まぁここまでは(ディアブロとほぼ同じだし)いいとして,特筆すべきは本作のスキルシステムである。
DDには全96種類(序盤は88種類が習得可能)のスキルが用意されている。さらにスキルは三つのクラスに対応するかのように,サバイバーの流派,ウィザードの流派,ウォーリアーの流派の三流派に分類されている。サバイバーの流派には隠密行動系(および冒険を効率良く進めるスキル)のスキルが,ウィザードの流派には攻撃/回復/補助魔法や召喚魔法が,ウォーリアーのスキルには主に攻撃力アップのスキルが格納されるといった具合だ。
以下にいくつか紹介しておこう。
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<<サバイバーの流派>> ・ロックピック……施錠された宝箱や扉などを開く ・ノウ・クリーチャー……敵のレベルやバイタリティ・耐性などをスキャンする ・ウィズダム……戦闘やクエストで得られる経験値を増加させる |
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<<ウィザードの流派>> ・エレメンタル・ストライク……複数の敵に雷撃/火炎/毒属性のダメージを与える ・サモン・スケルトン……スケルトンを召喚する(最大4体) ・トランスファー・パワー……召喚したクリーチャーに,キャラクターのパッシブスキルの一部を付与する |
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<<ウォーリアーの流派>> ・ソード・エクスパタイズ……剣の技術を向上させ,攻撃時に追加ダメージを与えたり,命中率を向上させる(これは"剣"に関するスキルだが,ほかにもメイスやボウに対するエクスパタイズもある) ・リペア……戦闘で破損した装備品を修理する ・エンチャント・ウェポン……装備品に"魔珠"を埋め込み,キャラクターのステータスや耐性を強化する |
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