ポーランドのMirage Interactive社が開発している第二次世界大戦FPS「Mortyr 2:For Ever」のデモ版がリリースされた。前作「Mortyr: 2093-1944」の続編に当たる本作だが,今作での舞台は第二次世界大戦のみということでストーリーの繋がりといったものはないようだ。
本作の主人公は,第二次世界大戦中のスカンジナビアで活動を続ける,イギリスのスパイ"Sven Mortyr"。父親がナチスに誘拐されたことを知り,爆撃が降り注ぐこの世界でナチス相手に戦い,彼らが保持する兵器の破壊を目指していく。
ゲームは1人称視点で進行する,きわめてオーソドックスなFPS。武器をいくつか保持できるようになっていて,敵を倒すと武器をドロップするので常に数種類の武器を使い分けられる。アサルトライフルは近距離に威力を発揮するが,遠距離線では照準を合わせきれないためスナイプライフルを使わなければならない。またヘッドショットもありなので,中距離戦ではハンドガンを用いた機敏な行動がなかなか有効的だ。
そんな既存のシステムを踏襲した地味なイメージな本作だが,特筆すべきは戦場の雰囲気だ。このゲーム,武器の種類やディテールの細かさ,アクション制といった要素よりも戦場をどう生き延びて,目的を達成できるかというところに重点が置かれている。目と鼻の先では派手な空爆で爆音が鳴り響き,戦車やら砲撃塔の弾丸が飛び回っているのだ。人間が食らったらひとたまりもないのは一目瞭然で,どう行動すれば避けられるか,また敵軍の背後に回れるかといったことを考えなければならない。
また,爆撃はプレイヤー・敵兵士問わずターゲットになってしまうという特性をもっているので,無理して敵兵士を殺さなくとも勝手に死んでくれたりもする。
広大なマップを生かした自由度の高さもなかなか面白い。定常ルートといったものもないので,ぜひ独自の攻略法を発見すべくあれやこれやと試してみよう。
また本作の敵AIだが,これが結構強く(ズルく?)出来ている。というのも単純に反応速度がいいというだけだが,プレイヤーが顔を出して敵を発見,頭に玉をぶち込むという工程よりも随分早くこちらに反撃をしかけてくるのだ。とくに,近距離戦では一方的に突っ込んだりすると体力の消費が激しくなるので,ジャンプや横移動の覗き見を心がけておくといいだろう。
本デモ版では,イントロのカットシーンとポーランドの1ミッションを収録している。ロード時間が異様に長く,フリーズした? と思ってしまうシーンもあるが,数分待てば進むのでのんびり待っておこう。
ゲームが始まると,プレイヤーは爆撃機,戦車,敵兵士がひしめく広大なフィールドに投入されるが,最初はハンドガンとナイフしか持っていない。近辺に落ちているスナイプライフルとアサルトライフルを即座に拾おう。ミッションをクリアするうえで気をつけておくべきポイントは,配置されている敵すべてを殺そうとしない,ということだろうか。先述のとおり自身の手で殺さなくとも死ぬこともあるし,また放っておいて問題ない場合もある。行く手を塞いでいる場合のみ,相手をするといいだろう。また爆撃のタイミングや場所にしても決まっているので,すぐに死んだとしても次回に活かせる。
そしてもう一つ,体力回復アイテムが置いてある/落ちてある場所は覚えておくと後々楽になる。というのも先述のとおり敵のAIがなかなかズルく,どんなに効率的に動いてもダメージを負うことが避けられない場合が多々あるからだ。
そんな何回も死ぬことで先に進んでいける本デモ版は,大体1時間程度のボリューム。第二次大戦モノが好きな人,FPSが好きな人は,気軽に遊んでみよう。(halen)

|