Men of Valor[英](メディアクエスト)

 「メダル オブ オナー アライド アサルト」を手がけたデベロッパ2015の最新FPS「Men of Valor」のマルチプレイデモ版が登場。氾濫するベトナム戦争ゲームのなかで,史実に忠実なストーリーを求める同デベロッパが,ベトナム戦争というエピソード満載のシチュエーションをどう描いているのかが注目されるところ。発売日は2004年10月26日と間近,またGame Conventionの時点でプレイアブル展示されていたため製品としてのクオリティには多少の安心感があるが,それでもやはり自分の手で触って試してみてほしい。

 前述のように本作は,ベトナム戦争を題材としたミリタリーFPS。"テト攻勢"を始め,ベトナム戦争の主要なトピックをストーリーに盛り込み,モノクロの記録ムービーシーンと共にゲーム中でその追体験ができるというのがウリのタイトルだ。

 本デモ版はマルチプレイ専用で,マップはReclaim Cholon(市街地)とJungle Ruins(密林の遺跡)の2枚,モードはDeathmatchとTeam Deathmatch,そしてMultiplayer Missionという史実を基に米軍と北ベトナム軍との攻防を描いたオブジェクティブマッチを収録している。
 各モードで使用できるキャラクタークラスは,アメリカ軍,北ベトナム軍共にRifleman/MachinGunner/Sniperの3種類で,武器はRiflemanならそれぞれM14とAK47という具合に固定。メインウェポンのほかは,ピストルもしくは手榴弾という具合に,戦闘前にプレイヤーが介入できる戦略的要素はほとんどない。

 プレイフィールはリアル系と非リアル系の狭間,つまりキャラクターのヘルスはあるものの,1〜2度の対峙で敵か自分のどちらかがやられるといった具合のバランス取りだ。操作体系は割とオーソドックスだが,AIM中のみリーン有り(AIM中は移動不可),そしてジャンプなしという仕様で,小さな障害すら乗り越えられないなど,キャラクターの移動に関しては割とストレスがたまりやすい。

 本作は,DirectX 9のPixel Shader 3.0をサポートしたUnreal Warfareエンジン,そして開発元は2015と,その手のファンなら大きな期待を寄せそうな出自だが,このマルチプレイデモはちょっと首をかしげざるを得ないクオリティかもしれない。
 というのも,いまとなっては特筆すべき点がとくに見当たらないのだ。確かにJungle Ruinsステージに点在する水たまりの表現などは,極めて写実的で目を奪われるものがあるが,プレイ自体は,2004年も末に近づいたこの時期にリリースされるゲームとは思えないほど特徴が見えない。唯一オブジェクティブマッチであるMultiplay Missionでのヒストリカルなチーム目標がプレイのモチベーションを高めるぐらいだろうか。マップ制限,モード制限はキツイのだから,もう少しこのゲームを強くアピールする要素を盛り込んでほしかった。

 マルチプレイモードのみが公開された現時点では,「バトルフィールド ベトナム」や「ベトコン」など,エレクトロニック・アーツ発の良質なタイトル群がひしめくベトナム戦争ゲームとしては,後発のアドバンテージはまったく生かされてないし,残念ながら及第点を与えるのは難しい。むしろAIとチームベースで行動できるというシングルプレイのほうに期待したほうが良さそうだ。
 もちろんゲームとして成り立っていないわけではなく,面倒な設定なしでUnreal Warfareならではの軽快なプレイは楽しめる。キャラクタークラスも基本的な3種が選べることだし,地味ではあるがFPSの基礎的な要素を学ぶものとして,初心者ならプレイしてみて損はないだろう。(Gueed)

■シングルプレイデモ追記 2004年11月4日
 10月の頭にマルチプレイデモがリリースされているベトナム戦争FPS,「Men of Valor」のシングルプレイデモが登場した。本作の製品版(英語)は,10月29日に発売済み,日本ではメディアクエストが,今冬をメドに日本語ローカライズ版を発売する予定だ。
 434MBという巨大なファイルサイズにも関わらず,本デモ版に収録されているのはシングルプレイヤーモード序盤の1ミッションのみ。序盤だけにオブジェクティブもシンプルで,AI制御の味方兵士とのジャングルの行軍,ベトナム兵士の排除,人質となったリポーターの救出などと,いたってシンプルなものばかりだ。
 プレイ内容も,基本的には敵兵士を射撃するだけ。もちろんベトナム戦争らしく,ジャングル内にはところどころにワイヤーとグレネードを組み合わせたブービートラップが仕掛けられており,気を抜けばあっさりと死ぬこともある(ただしAIは無敵。たまにプレイヤーの後ろのほうでドカーンとトラップにかかっているのが笑える)。
 部落への移動ごとに発生するイベントシーンはリアルタイム処理のため,アクション部分とシームレスに接続される。イベントシーンになると画面の上下がカットされ,自動的にシネマサイズになるのが面白い。さらに,イベント中もマウスによる視点移動のみは可能となっているのが新鮮だ。
 少し気になったのは,銃撃戦のあとに残る兵士の死体が一定時間で消えてしまう点。本作は,敵を倒した後に死体から弾薬などを回収できる。そして一定時間で消えてしまう死体から物資を調達するには,ワザワザ敵味方の射線に身をさらさねばならないタイミングが発生してしまう(なにか違うゲーム性が発生してしまい,大きく興が削がれる)。続々と増えていく死体を処理できないのなら,敵を倒したら武器/弾薬だけは残る,といったような基本的な措置はとってほしかったところだ。

 上記の点を除けば,グラフィックスのクオリティは高い(そして軽い)し,リコイルの感触なども良く,さらに先のレベルが見たくなるデキではある。マルチプレイデモの遺跡ステージで見られた美麗な水面処理などを発揮する場所もなく,このデモ版自体の訴求力が少し低いが,製品版を視野に入れている人は,試しておく価値があるだろう。(Gueed)

 −マルチプレイデモより

 −シングルプレイデモより

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キー操作

  • ゲームメニュー Escキー
  • 前後左右移動 W/S/A/D(左右はAIM時のみリーン)
  • しゃがみ C
  • 伏せ V
  • 歩く Shiftキー
  • アクション Spaceバー
  • 射撃/AIMモード 左/右クリック
  • リロード R
  • 格闘 マウスセンターボタン
  • 武器切り替え マウスホイールアップダウン
  • 武器1〜4 1〜4
  • グレネード投擲 Z
  • 包帯 F
  • 全体/チームチャット T/Y
  • 名前表示 B
  • スコア表示 F1
  • オブジェクティブ表示 F2
  • チーム変更 F3
  • スクリーンショット撮影 F9
  • ガンマ調節 F10
  • ブライトネス調節 F11
  • コントラスト調節 F12
ダウンロード
マルチプレイ 382MB


ダウンロード
シングルプレイ 434MB

動作環境

対応OS:Windows 98/Me/2000/XP
CPU:Pentium4 or Athlon/1.3GHz以上
メモリ:256MB以上
ビデオ:VRAM64MB以上
DirectX 9.0c以降

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