RTSのシステムというと,どうも完成されてしまったイメージがある。いくら「ユニークなシステム」と評される作品でも,大方のRTSとはそう大きくかけ離れたシステムは期待できないのが世の常である。
だが「Medieval Conquest」は,名前自体はRTSの王道を貫いているようなセンスだし,画面を見る限りも既存のRTSとそう変わらないが,中身はまったく独創的。本当にユニークな発想のRTSを楽しめる。
どういうゲームか解説していこう。本作は冒険者を雇って,マップ上に巣食うモンスターを倒すRTS。戦闘ユニットは"生産する"のではなく,"雇う"という形になる。そして彼らがモンスターを倒すことで,プレイヤーにお金が入ってくる。これが基本的な流れだ。
冒険者は"Fighter" "Ranger" "Mage"の3種類。冒険者達はモンスターを倒すたびにレベルアップし,強力なユニットとなっていく。そして冒険者はレベルが上がるたびに,より上等な装備(武器/防具/アクセサリー)を要求してくるのだ。ほかにも食事や娯楽,休息,治療など,冒険者はさまざまな要求を突きつけてくる。RPGじゃ,どの冒険者も装備やケアは自腹が常識だというのに!
プレイヤーは,これらの要求に応えつつ,ミッション目的に向けて冒険者をできる限りコキ使うというのが主な仕事になる。例えばとあるFighterがレベル2になったら(なる前でもいい),"Fighter Armor"という建物を作る。建物ウィンドウの右上に1とか2とかタグがあるので,"2"を開くと装備購入画面になる。ここでレベル2Fighter用のアーマーを,お金を払ってストックしよう。以後は新たにレベル2Fighterが増えても,この建物がある限り供給される。
左右ボタンを押すと,さまざまな装備が表示されるので,これらもFighterのレベルに合わせて用意していかなければならない。同様にすべてのクラスの,すべての装備品を揃えていくのだ。
冒険者の不満が頂点に達すると,その者は立ち去ってしまう。せっかく高レベルまで育てた冒険者を失うのは,かなりの痛手だ。スタート地点から遠く離れるほどモンスターも強力になっていくので,高レベルの冒険者は必要不可欠だが,あまりあせってレベルアップさせても,要求に追いつけないというジレンマが発生する。
デモ版では,序盤の"Get Them Maggots"をプレイできる。"Maggot"というモンスターを10体,探し出して倒すのが目的だ。最初は勝手がつかめず,苦戦するかもしれない。試行錯誤しつつ,何度かプレイし直して冒険者育成のバランスをつかんでいこう。マップはかなり広大で,相当楽しめそう。慣れてくると,なかなか面白いゲームだ。(Kawamura)

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