Cruise Ship Tycoon［英］（Activision Value）

　日本では必ずしも一般的な休暇の過ごし方ではないが，アチラではリッチなバカンスの選択肢の一つとして，割とメジャーな「クルージング」。我々が温泉旅館に泊まりに行くような感覚で，海上でのひとときを楽しもうというわけだ。大型の豪華客船ともなると，船内には客室のほかレストランにバー，プールやカジノ，ショッピングのためのお店まであり，基本的にリゾートホテルでのバカンスと変わらずに過ごせる。
　要は移動しているので景色が変わるホテルといったところだが，基本的には毎日どこを見たって海ばかりなので，いかに退屈しないかは船の設備とアトラクションにかかっている。狭い船内で数週間を過ごすことから"出会い"を期待する意味もあり，あまり社交的ではない日本人にはやはり浸透しそうにない休暇の過ごし方かもしれない。

　といったことを踏まえたうえで，本作の解説に移ろう。本作はクルーズ用の船内をデザインし，集客してお金をガンガン稼ごうという箱庭系（？）のマネージメントシミュレーション。ゲーム内容はよくある「テーマパーク」タイプで，予算と相談しつつ客室，プール，フード，各種お店，遊戯施設，スタッフの控え室などを船内に配置して，夢のクルージングを実現させお客の満足度を高めていくゲームである。

　ユニークなのは"出航"がある点だろう。画面右上のスイッチ"BOOK ROOMS"をクリックすると，各部屋の価格設定ののち，予約が開始される。ツアーの予約期間が終了したら，いよいよ出航だ。予約が少なくて部屋がガラガラだろうが，とにかく出なければならない。
　要するに，客が集まるかどうかは出航の直前まで分からず，海洋に出てしまった時点で勝負はあらかた決してしまう。しかし出航しないことには収入も無いので，「作る」と「稼ぐ」が完全に分かれており，実にメリハリがあるゲームといえる。ちなみに航海中も施設を追加できるので，まずは客寄せの施設だけ用意して部屋を全部売り切り，海に出てから必要な施設を買い足していくという方法もある。
　また，航海中に何かとアクシデントが発生することもある。進路を変更するなどして，危険な海域は避けるといった臨機応変な対応も必要だ。

　本ファイルは45分制限のトライアル版で，制限時間以外は製品版とまったく同じ内容でプレイできる。しかし45分というのはかなり厳しく，じっくり船を作っていると1回か2回航海に出たあたりで終わってしまいかねない時間だ。
　この手の，最近多いトライアル版と同様，続けて遊ぶにはオンライン上で24.99ドル払ってライセンスを購入すればいいのだが（ちゃんと円換算してくれる），実際に4Gamer読者でライセンス購入したことがある人がどれくらいいるのか正直気になるところ。まぁバリューソフトなので，価格自体が高くないのは魅力的なのだが。（Kawamura）

Cruise Ship Tycoon (c) Activision Value. / Cat Daddy Games.

キー操作