1993年にリリースされて人気となったMicroproseの「Transport Tycoon」Transport Tycoon」が帰ってきた! ゲームタイトルこそ違うが,タイトルから"Chris Sawyer"が開発に携わっていることも分かるし,プレイした感じではゲーム性もほとんど一緒。長年,「Transport Tycoon」の続編を夢見ていた諸君は,諸手を上げて喜んでいいだろう。再び輸送王を目指して突っ走る日が来たのである。
「Chris Sawyer's Locomotion」は,輸送会社の醍醐味が楽しめる箱庭ゲームだ。やるべきこともグラフィックスレベルもさほど差はなく,基本的にはTransport Tycoonとまったく一緒。あきれるくらいに同じテイストを持った作品になっている。プレイヤーは運送会社の社長となって土地の造成や開拓を行いながら鉄道/船舶/バスなど使った輸送網を作り,人員/資源/郵便物などを輸送しながら収益を上げていく。多くの人員や資源を郵送すれば町には住宅が増えたり,新しい施設が建設されたりといった効果があり,そうした町で輸送を行えば,より大きな収益が上げられるわけだ。
輸送方法は,トラック/バス/飛行機/船舶/鉄道/路面電車の6種類。最初はそれほど資金力もないので,ゲーム序盤はバス/トラック/路面電車を使って小規模の輸送を行い,次第に大規模なものへと移行しよう。ちなみにTransport Tycoonと同様に,バスや車両を長期間使っていると車体/車両/機体が老朽化して事故が発生し,輸送が停止してしまう。車両の交換時期なども忘れないようにしたい。
ルートの設置はそれほどは難しくはなく,バスや鉄道を設置して路線をつなぐだけでOK(筆者の個人的感想だが,Transport Tycoonからインタフェースは変わって道路や線路の敷設がしにくくなっている。残念)。あとは車両を選んで出発点と終着点を設定してやれば,車両は自動的に往復して客や物資を運んでくれる。この程度なら初心者でも簡単に行え,輸送の面白さや町の発展を体験できることだろう。また鉄鉱山と製鉄所を結んで鉄鉱石を鉄に変え,さらに製鉄所と工場をつないで鉄から加工品を作るような加工貿易のような輸送もできるので(というより,いかに効率よくこの手の輸送を行うかが肝だ),ゲームに慣れてきたら,こうした高度な輸送にもチャレンジしてみるといいだろう。
ここまで読んで,のんびりしたゲームを想像している人も多いかもしれないが,本作の大きな特徴にライバル会社の存在がある(マップや設定によってはライバルは登場せず,のんびりとしたプレイも可能だ)。実はゲーム内にはCPUの操作するライバル会社がいて,プレイヤーと同様に土地の買収/造成を行い,おいしい輸送ルートを押さえようとしてくるのだ。このライバルたちをどうやって出し抜くかもゲームの醍醐味の一つ。先手を打ってルートの確保を進めていこう。ちなみに社会的なニュース/大きな業績を上げた会社/新しいユニット発売/自社や他社にトラブルなどが発生/といったトピックは画面下の新聞で確認ができるので,ゲームをプレイしながら新聞にも目を通しておくといいだろう。
本体験版では3種のチュートリアルと,ビギナーマップから"Boulder Breakers"(非常に狭い),チャレンジングマップから"Great Britain & Ireland 1955"(非常に広い)がプレイできる。前者のマップではライバル会社が登場しないので,のんびりプレイしたい人は前者を,ライバル会社との熾烈な輸送合戦を楽しみたい人は後者のマップを選んでプレイしてもらいたい。
しかし,遊べば遊ぶほど面白くなるこの手のゲームで,ロード/セーブは不可&一回のプレイ時間が短めの15分。非常にもったいない気がする。ゲームスピードを早めに設定してバリバリ資金を稼ぎ,輸送に励んでもらいたい。なおゲームスタート時の解像度は荒いので,ゲームのオプションで高解像度に変更してプレイしてもらいたい。(Murayama)
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