「ウルティマX オデッセイ」の開発中止が決定 - 2004/07/01 15:50


 エレクトロニック・アーツは本日(2004年7月1日),MMORPG「ウルティマX オデッセイ」(原題:Ultima X:Odyssey)の開発を中止したことを明らかにした。
 ウルティマXといえば,コンピュータRPGを引っ張ってきた"ウルティマシリーズ"の最新作として,そしてMMORPGの先駆け的作品であった「Ultima Online」(邦題:ウルティマ オンライン)の姉妹作として,日本でも多くのゲーマーから期待されていた作品。それだけに今回の発表は,非常に残念なニュースだといえるだろう。

 エレクトロニック・アーツ側の発表によれば,開発中止の理由は「Ultima Onlineの次期拡張版,それと未発表のウルティマ関連プロジェクトに開発資源と優れた才能を集中する」とのことで,Ultima Onlineのプロデューサーであるアンソニー・カストロ氏も「Ultima Onlineの成長,そしてその未来が具体化するにつれ,このゲーム世界にすべての開発資源を集中することが最良の判断だと考えました。近いうちにUOに関する注目情報を発表できると思います。楽しみにしていてください」とコメント。
 "未発表のウルティマ関連プロジェクト"というフレーズはちょっと気になる部分だが,ともあれ,現ウルティマXの開発チームは,ほかのウルティマ関連のプロジェクトに割り振られることになるという。そちらのプロジェクトでは,UOファンが納得する結果が出ることを期待したいところだ。

 さて2003年度の半ばあたりから,北米を中心にMMORPG関連のタイトル撤退が相次いている昨今。有力タイトルであったはずのウルティマXでさえ開発中止に追い込まれてしまったという事実は,北米圏でのMMORPG熱が完全に冷めつつあることの証明だといえる。今回の発表は,まさに「ウルティマXよ,おまえもか」というのが,筆者の正直な感想だ。

 元々MMORPGは,そのゲームの特性上から,一社独占(1タイトル一人勝ち)の構図が成り立ちやすいジャンルだとの指摘も多く,最大手以外の企業/タイトルの参入は厳しい分野だとの認識がある。実際,韓国のオンラインゲーム市場なども,NC Soft(リネージュ)の一強皆弱の状況が生まれつつあり,今回のウルティマXの開発中止も,そういった各国の大手タイトルの牙城を切り崩すのが非常に困難である,との判断が適用された結果なのかもしれない。
 ともかく,韓国の「Lineage」,北米のUltima Onlineや「EverQuest」の成功以来,雨後の竹の子のように制作が発表されたMMORPGタイトルだが,欧米圏におけるその開発バブルも,今回の発表でー段落といったところ。アジア圏では,まだまだMMORPGの開発ラッシュは続いているが,欧米での冷めっぷりがそれらの動きに影響を及ぼすのか否か,その動向も注目されるところだろう。(TAITAI)

→「ウルティマX オデッセイ」の記事一覧は,「こちら」


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