台湾発のMMORPG「M2〜神甲演義〜」が日本上陸 - 2004/06/17 22:12


 台湾メーカーのInterServ社が開発したMMORPG「M2〜神甲演義〜」が,2004年6月16日に日本上陸を果たした。日本でのサービス運営はインターネットソリューション提供企業のガイアックスが行い,6月16日よりNTTフレッツユーザー限定のクローズドβテストが行われている。

 「M2〜神甲演義〜」は,中国最古の空想的書物「山海経」をベースに,世界の神話伝承を盛り込んでオリジナルの世界を形成するMMORPG。中国の戦国時代(春秋時代)を背景としており,"周帝国"なる強国に周辺国が立ち向かうというのが大まかなストーリーとなっている。
 というと,いかにも古風な東洋ファンタジーを想像してしまいそうだが,なんと本作は人類と魔物の戦闘以外に,ロボット同士の戦闘も盛り込んだファンタジー&SF RPG。フィールド上のプレイヤーキャラクターは通常は剣と魔法で戦う人間だが,いざというときは強力な"神甲兵"というロボットに変身(!)して,レーザーやらミサイルやらでドカンドカン戦えるのだ。
 台湾では,クローズドβテストの時点で"期待ゲームランキング"のNo.1にランクインするといった注目を集めた本作。キャラクターデザインに日本人を起用するなど,当初より日本展開を視野に入れて開発されており,未だどうなるのか見当もつかない日本のMMORPG産業に,台湾の人気作がどのように食い込んでくるのか非常に興味深い。

 すでに数多くの3Dゲームを開発してきた台湾InterServ社は,本作でもアバターシステムによる3000種類以上のキャラクターパターンを3Dで再現。装備するアイテムの一つ一つがキャラグラフィックスに反映されるほか,表情や動作による感情表現も可能だ。
 また,すべての操作はマウス一つで可能で,キーボードと組み合わせるなどの複雑な操作は必要としない。MMORPG初心者や,それほど熱心なゲーマーではない人でも楽しめる操作システムとなっている。



 といったあたりが,本作のMMORPGとしての基本情報。それではより掘り下げた話に入っていこう。

■ストーリー

 はるか昔,地球は大洪水に見舞われ,地表の大半が水没。生き延びた生物は,わずかな大地での生存を余儀なくされた。
 やがて水が引き,"中原大陸"という神秘の大陸が姿を現す。人々はその大陸へと渡ったが,そこは凶暴な野獣や魔物が巣くう恐ろしい土地であった。
 こうして滅亡寸前に追い込まれていく人類の前に"神人族"という民族がどこからともなく現われ,救いの手を差し伸べた。彼らは人類に驚異的な科学技術を与え,野獣や魔物に対抗する手段を獲得させた。さらに神人族は"周帝国"という強大な帝国を築き上げ,700年にも及ぶ平和な時代が訪れる。
 やがて使命を終えた神人族は去り,周帝国に移り住んだ人類は中原大陸を統治し始めるが,人々はいつしか欲望に溺れ,互いに憎しみ合い,争うようになった。こうして人類の間に,戦乱の時代が訪れるのであった。
 プレイヤーは"周帝国"の周辺国である韓,魏,趙の新米兵士となり,周帝国打倒を目指して冒険を開始することになる。

■職業システム

 職業は25種類用意されている。すべてのキャラクターは"平民"からスタートし,初級職業(3種),中級職業(7種),上級職業(14種)へとランクアップしていく仕組みだ。
 職業には"戦闘系" "法術系" "技能系"といった3種類の系統があり,それぞれに初級〜上級職が用意されている。平民は3系統の中から好きな道を選べるが,一度選んでしまったらその道を突き進まなければいけない。戦闘系の初級職から技能系の中級職へは鞍替えできないというわけだ。最初の選択は慎重に行わねばならない。

 戦闘系はHPが高く,多くの武器や防具を装備できる,いわゆる戦士系の職種。さらに剣士や弓手,拳闘士などのクラスに細分化されていく。
 法術系は,MPを消費して法術(いわゆる魔法ですな)を使用できる職種。陰陽師や大司祭など,それぞれの道を究めることで得意とする法術の系統も変わっていくことだろう。
 技能系は武器や防具,神甲兵のパーツ,家具などを製造または修理する職種。さらに技師と薬師の道があり,レベルが高くなるほど高価なアイテムを生み出せるようになる。

■技能システム

 各職業に就くことで,さまざまな技能(スキル)を修得できる。敵を攻撃する,体力を回復する,道具を修理するなど,技能は全部で300種類以上もあり,もちろん学べる技能は職業ごとに決められている。技能の習得には,敵を倒すことで得られるアビリティポイントが必要。
 一人のキャラクターが同時にストックできる技能は最大25個で,新たな技能を身につけたい場合は,いらない技能から忘れてしまえばいい。
 まぁ,職業や技能については一般的なMMORPGと遠くかけ離れてはいないようだ。




■家システム

 「M2〜神甲演義〜」の家システムは,なかなか特徴的だ。ゲーム内の都市には住宅地があり,プレイヤーはここにマイホームを購入できる。
 家を飾る"家具"が大量に用意されているのが本作の特徴の一つで,外装,内装などすべてプレイヤーが好き勝手に飾れる。スキルで新たな家具を生み出すことも可能だ。この家具で装飾された家が,とてもグラフィカルで楽しい。
 カーテンやカーペットなど見るからに家具として存在しているアイテムもあるが,ゲーム内のあらゆるアイテムが装飾品としても機能するという。ランプなら明かりのOn/Offができたりと,エフェクトが用意されているものもある。
 他人の家に入れるか否かはオーナーの任意で決められ,誰にでも開放したりギルドメンバーのみ出入り可能にも設定できる。他人の家のアイテムはもちろん持ち出し不可能だが,値段をつけることでお店として機能させることもできるようだ。





■神甲兵

 当たり前ながらフィールド上には魔物がいて,彼らとの戦闘が待っている。装備やスキルを駆使して魔物と戦い,経験値やアビリティポイントを溜めてキャラクターを成長させていく必要がある。
 この通常のエリアでは,まだ神甲兵に変身することはできない。生身のままで戦うのだ。
 フィールド上には,ところどころに"神甲兵戦闘区"と呼ばれる特殊なエリアがある。ここでは敵の神甲兵が待ち受けており,プレイヤーキャラもいよいよ神甲兵に変身することが許される。
 神甲兵は通常の魔物よりもはるかに強く,生身のままで戦いを挑んでもコロッと負けてしまう。
 神甲兵の強さは身体的な能力値やスキルには左右されず,装備しているパーツのみが戦闘能力を決める。肩にレーザー砲や広範囲を爆撃可能な大砲を装備したり,背中のパックパックに翼を取り付けて飛行したりと,そのへんはプレイヤーのカスタマイズ次第となる。
 また神甲兵が受けたダメージは自然回復せず,街の工房に戻るか,技能者の特殊なスキルを駆使して修理するしかないというのも特徴だ。
 ゲーム開始時は骨組みだけの神甲兵が全員に与えられ,そのほかの各種パーツは冒険の先々で入手できる。どんなパーツを入手するかは人によって違うので,徐々に自分だけの神甲兵が完成していくわけだ。
 強力な兵器で戦う神甲兵同士の対決は,アクションもエフェクトもドハデで,本作の華の一つとなっている。





 現在実施されている日本でのクローズドβは,国内のNTTフレッツ加入者(Bフレッツ,フレッツADSL,フレッツISDN)のみ限定で参加できる。もちろんいてもたってもいられない人は,今からNTTフレッツに加入してプレイすることも可能だ。
 このクローズドβは8月30日まで行われ,その後はフレッツユーザー限定を解除したオープンβへと移行する予定となっている。正式サービス開始時期などは今のところ未定だ。NTTフレッツユーザー以外の人は秋まで待たねばならないが,逆にフレッツユーザーは当分タダで遊べる(あくまでβテストだが)。まずは「GAME on フレッツ」サイトの「こちら」を訪れてみよう。(Kawamura)

(c) 2004 GaiaX Co.,Ltd. All rights Reserved.
(c) 2002-2004 InterServ International Inc.All right reserved.


「M2〜神甲演義〜」の公式サイトは,「こちら」
「ガイアックス」の公式サイトは,「こちら」
「GAME on フレッツ」の公式サイトは,「こちら」
「InterServ」の公式サイトは,「こちら」


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