[E3 2004#137]映画「Catwoman」,EAによってゲーム化 - 2004/05/18 18:59

 映画「X-Men」と「スパイダーマン」の成功以来,アメリカでは次々とDCコミックスやMarvelコミックスなどの人気アメコミヒーローが映画化されている。「ハルク」「ウルヴェリン」「デアデビル」「ヘルボーイ」など,日本人にはちょっと馴染みのないマイナーヒーロー達さえこぞって銀幕に映し出されている状況で,それがことごとくゲーム化されているのは,ご存じの人も多いだろう。
 これはライセンスものが得意なElectronic Arts社やActivision社に限ったことではなく,Vivendi Universal Games,THQ,UBI Software社など,2004年のE3はまさにライセンスもののキャラクター達で埋め尽くされていたといっていい。

 アメリカでは2004年7月末に公開される映画「Catwoman」(日本では秋公開予定)は,そんな中でも少し異色の作品で,主人公となるキャットウーマンは,元々はバットマンシリーズに時折登場するサブキャラクター。グラビアアイドルが突然映画の主人公に抜擢されたような感じだが,彼女らしいお色気たっぷりの内容になることも予想され,男性コミックファンの心を鷲づかみしそうな気配。なんたって主役はアカデミー女優のハル・バリーで,2003年には某男性誌から全米一のセクシーな女優という称号を受けたほどの美人だ。
 そこに魅力を感じたのか,Electronic Artsは各コンシューマ機およびPCでゲーム「Catwoman」(放題「キャットウーマン」)をリリースすることを決定した。



 会場にはPC版は展示されていなかったものの,開発は並行して進められているとのことで,PC版は解像度以外は完全移植される予定だ。
 ハル・バリーは,ミニマムなボンデージ風の衣装を着けており,肌の露出度は異常に高い。彼女の繰り出すアクションはブラジルの格闘技カポエイラをベースにしており,回転しながら敵を蹴るなどの技を多用する。スピードは速く,壁によじ登ったりしながら一度に6人の敵を相手にするような場面もあった。
 キャットウーマンは,とにかく宝石のような光るオブジェクトが大好きで,それを集めていくうちにDomination Materと呼ばれるコンボ用のインジケータが溜まっていく。満杯になると"ワイルドキャットモード"が発動され,一定時間手のつけられないほどの攻撃力と移動スピードでコンボ技を炸裂させるのだ。
 戦闘以外でも,暗い部屋の中でもあまり視力が落ちなかったり,狭い隙間を体をくねらせて通ることができたりなど,猫っ気(?のあるスキルを使う。また腰に携帯している鞭も武器となり,パズルを解くときにも利用できる。

 Catwomanを開発しているのは,イギリス古参のArgonaut社。まだ制作が始まって8か月しか経っていないというが,会場で公開されていたムービーを見る限り,相当な急ピッチで作業が進められている様子だ。Electronic Arts社とArgonaut社は,今回のプロジェクトを始めるにあたって迅速に開発や移植を進めることができるデータ・パイプラインの構築技術を共同開発したらしく,映画の公開に合わせて……つまりたった1年という開発期間でゲームを送り出すことになるのである。

 プレイしてちょっと面白かったのは,しばらくゲームパッドに触らないで放っておくと,特殊なカメラモードで視点が自動的に切り替わっていくこと。まるでキャットウーマンを眺めてくださいと言わんばかりの仕様である。
 1マップの敵をくまなく潰し,隠し部屋などもすべて発見することで100%の達成率となり,新しいコンボ技やムチの使い方などの新技を入手できる。さらに,開発中に使われたCGアートやスケッチ,ハル・バリー自身との特別インタビュー映像までがアンロックされるという。
 彼女がララ・クラフト以来不在になっている女性アクションキャラ・ナンバー1の座を勝ち取るのは間違いなさそうだ。(奥谷海人)

「キャットウーマン」の記事一覧は,「こちら」

© 2004 Warner Bros. Entertainment Inc and Electronic Arts. Catwoman is a trademark of DC Comic. All rights reserved.


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