[E3 2004#096]第一次βテストから大きく進化したMMORPG「Wish」 - 2004/05/16 11:16

 Mutable Realmsが開発中の「Wish」は,UMMORPG(Ultra Massive Multiplayer Online Role Playing Game)という,1万人規模の同時接続をサポートし,一つのサーバー/シャードですべてのプレイヤーを収容するシステムが特徴。2003年3月にその開発が発表されるや否や,約9か月後の2003年12月には一次クローズドβテストが実施されるなど,開発スピードの速さには目を見張るものがある。
 本作は,"Ganedan"と呼ばれるファンタジー世界を舞台に冒険をしていくという,ゲームスタイルとしてはオーソドックスなもので,言い言い方をするならば,昔からのRPGファンに受け入れられやすい世界をモチーフしている。戦闘はリアルタイムに行われ,多数のアイテムやスキルが用意されるとのことだ。
 2004年のE3では,West Hallの左側に比較的大きなブースを構え,2004年の1月31日に終了した一次βテストバージョンよりも進化したものが展示されていた。ちなみに,本作の"Wish"エンジンはライセンス供与を行えるように開発されていて,中国のデベロッパであるShangai CartoonとShanghai Animation Studioがすでに権利を得ている。またWishエンジンを使った"Sui Tang Online"が開発中で,ブースではデモムービーが流されていた。




 本作では,Human,Elf,Gnome,Dwarf,Cyclops,Dragonkin,Impの7種族が用意される。キャラクターのモデリングはいわゆる"洋ゲー"タイプで,ちょっと日本人には濃すぎると感じるもの。しかし,少しは現在のMMORPGの流れを意識しているようで,個人的にちょっと好感を持てるレベルではあった。
 キャラクターの成長はレベル制ではなく,完全なスキル制を採用している。本作にはクラスという概念はないので,プレイヤーの冒険次第で,近接戦闘が得意なWarriorや敏捷性に優れたRogue,高度な魔法を使うWizardなど,どうとでもなるというわけだ。操作体系はリネージュIIのそれに近く,マウスの左クリックでカーソル地点への移動,右クリックで視点変更となっている。
 また,クエストシステムもユニークなものを採用しており,一つの世界しか提供されないことと併せて,実際のバーチャル世界で冒険しているような感じとなる。具体的には,クエストを受けることはだれでもできるが,そのクリアは一人のみという部分だ。モンスターの討伐というクエストが配信された場合,そのクエストをクリアしたプレイヤーが現れた場合,ほかのプレイヤーはもうそのクエストをクリアすることができなくなるという感じだ。これは一般的なMMORPGやスタンドアロンRPGとは大きく異なる部分で,本当の意味でのマルチプレイオンラインゲームといえるだろう(このようなシステムなので,クエストを非常に数多く用意するように作業中とのことだ)。

 筆者は,一次クローズドβテストを少しプレイしてみたのだが,ブースで展示されていたのはそれよりもバージョンが上がっているようで,移動時のもたつきや戦闘シーンのブラッシュアップなどが行われていた。まぁお世辞にもメジャータイトルとはいえない本作だが,ブースにはぽつぽつと人だかりができていて,ほとんどのデモ機が埋まっていた。本作のリリースは2004年度後半で,2004年8月には二次βテストが行われる予定。二次テストではさらなる完成度アップが期待できるので,いままでのMMORPGとはちょっと異なる本作をプレイしてみてほしい。(Seal)

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