[E3 2004#027]RTS「Wartime Command」:求めるのは「史実への忠実さ」のみ! - 2004/05/14 13:28

 「Colin McRae Rally 2005」(E3 2004の記事は「こちら」)と同様,Codemastersのクローズドブースにて出展された,第二次世界大戦が舞台のタクティカルRTS「Wartime Command:Battle for Europe 1939-1945」。Codemastersのクローズドブース付近はCMR2005や「Dragon Empire」あたりが常に賑わっているという雰囲気ではあったが,WWIIファンにはおそらくハズせないであろう本作を,短い時間ではあるがチェックしてみた。

 本作は,ロシアのデベロッパ1C Company社が開発中のタクティカルRTS。1C Company社は,"IL-2 Sturmovikシリーズ"の「Pacific Fighters」や「Stalingrad」など,今期のE3でも注目度の高いタイトルを何本か手がけている中堅のデベロッパだ。そのラインアップには「A.I.M」といったSFのアクションタイトルなども名を連ねており,固定のパブリッシャが付きさえすれば,十分に脚光を浴びられるだけの実力をもつ会社だろう

 本作の舞台は,第二次世界大戦のヨーロッパ。プレイヤーは,アメリカ/ドイツ/ロシア/イギリス/フランス/ポーランドのいずれかを選択し,主に"戦車"によって繰り広げられる戦いを指揮していく。ちなみに開発陣は,本作の"史実に忠実"というコンセプト上,上記に加えカナダとルーマニアも登場させているのだが,当時の2国の国力が非常に小さいことを考慮して今回のデモンストレーション後は省くことになるかもしれないと広報スタッフが漏らしていた。
 とはいえ,カナダはFreedom Gamesの「Squad Assault:West Front」などにはしれっと登場していることだし,史実云々を自負するなら最終的には実装するほかないような気もする。



 さて同社は,便宜上本作を"タクティカルRTS"というジャンルに分類してRTSとの差別化を図ろうとしているが,その理由は1ユニットに対する作業量の違いに顕著に現れる。
 本作の基本ユニットは戦車や飛行機といった乗り物となっていて,その合計はなんと約300種。中でもメインとなるのは八つのタイプからなる60種類の戦車で,今回の短いデモンストレーションで見せてくれたのも,戦車ユニットの操作が中心だった。
 具体的にいうと,一つの戦車には4〜5人の兵士が搭乗でき,操縦士や砲手といった具合にアサインできる枠が用意されている。各兵士のスキル(兵士は38のコンバットスキルを有する)を見つつ,適材適所で各部所に配置していくわけだ。弾種などを切り替えたりしつつプレイするあたりは,直球勝負でターゲットを絞っているのが分かる。

 そもそも開発陣,というより1C Company社自体が,資源の蓄積→生産→戦闘というサイクルの"いわゆるRTS"にアンチテーゼを唱える意味でも,本作を意図的に偏った作りにしているという。IL-2制作時に溜め込んだ膨大な資料を基に,いかに史実に忠実に,いかに当時本当に行われていた戦闘システムを伝えるかに尽力しているのだ。

 そんな頑固な作りだけに(?),本作は現状PC版のみが制作されているようだ。発売は2004年第4四半期を予定している。安易な題材として多くのゲームが扱う第二次世界大戦というテーマに真っ向から勝負するその姿勢を評価しつつ,続報を待とう。(Gueed)

「Wartime Command:Battle for Europe 1939-1945」の記事一覧は,「こちら」


友達にメールで教えよう!
←Back to 4Gamer Top
←Back to News Archive