[E3 2004#012]ヒーローものGTA,「Spider-Man 2」 - 2004/05/13 17:55


Spider-Man 2:The Game
「ヒーローものGTA」で,犯罪都市ニューヨークを一掃しよう!

 "みんなの親しき隣人"スパイダーマンの最新映画「Spider-Man 2」が全米で2004年6月30日に公開されるのに先立ち,「Spider-Man 2:The Game」の制作がActivisionより発表された。
 第1作の映画が公開されてから2年,ゲームのほうも1年前にリリースされて好評を博したが,本作ではアクションアドベンチャーながらも自由度の高いゲーム性で,さらなるファンを獲得しそうな気配だ。

 ゲームのストーリーは,映画と連動するために多くは語られなかったものの,実験の失敗でモンスター化してしまったドクター・オクトパス(Doctor Octopus/Doc Ock)ほか,ザ・リザード(The Lizard)やブラックキャット(Blackcat)がスーパーヴィラン,つまり"悪玉"となる。
 前作の序盤は"オリジン"と呼ばれるヒーローの成り立ちについての詳細を描くコミック風の構成を意識しただけに,新作ではさらにヒートアップしたアクションも期待できそうだ。メリー・ジェーンも再登場するのに加え,スパイダーマンとしての生き方を決意したピーター・パーカーが大暴れしそうな気配である。

 ヴィランがどんなに悪事を企てていても,犯罪に汚染されたニューヨークの姿は変わらない。いつもどこかで犯罪が起きている,そんなビッグアップルの様子を見事に再現させたのが,今回発表されたSpider-Man 2:The Gameといえるだろう。
 開発元のTreyarch社は,まずマンハッタン島全土を20%ほどの縮図で再現。ソーホーからハーレム,五番街,アップタウンやウェストビレッジまでが,こと細かく描かれている。そびえる高層ビルにも面影があるし,マンハッタン橋やセントラルパークなどのランドマークも忘れてはいない。遠くには,自由の女神も再現されているという凝り様だ。
 この街ではメインストーリーとは関係無く,引ったくりや車泥棒まで100種以上の犯罪が常時繰り返されており,プレイヤーは自分の好みで犯罪者達を退治できる。まるで,「Grand Theft Auto III」のようだが,アメリカではすでに「Spidey's GTA」などとも呼ばれているほどで,開発者もその影響をおおやけにしている。
 一直線なストーリーの流れではなく,自分で何をすべきかを選択できるところに,プレイヤーの意思を尊重させたアクションアドベンチャーのトレンドが感じられる。ライセンスに引っかかるのか,無実の通行人や警官に攻撃を加えることはできず,テーマ的にはGTAの対極にあるといえるだろう。

 さらにこのゲームの面白さを強調しているのが,映画でもお馴染みになったクモの糸を使った移動法。高層ビルやラジオアンテナ,信号機やヘリコプターまで,自分よりも高い場所に物体があれば,瞬時に糸を出してスイングできる。糸が接着される場所や長さなどは,スパイダーマンの位置に合わせて自動的に決まるようで,操作もそれほど難しくはなさそうだ。とにかく放物線を描きながら凄い勢いで都会のジャングルの合間を移動していく様子が快感で,見ているだけでも楽しさが伝わってくる。地上近くになると,通行人が「スパイダーマン,愛しているよ!」などと気軽に声をかけており,ニューヨークに溶け込んだアメコミヒーローが表現されている。
 移動は糸にぶら下がるだけでなく,ビルの側面を走ったり四つん這いになって動き回ったりすることも可能。道路を走るよりも,これらの手法を使ったほうが効率が良く,カーチェイスなどにも役立つ。戦闘も非常に迅速に行われ,ジャンプして敵を糸で引き上げ,回転キックしてから地面に叩きつける,というようなコンボ技を発動できる。クモの糸のネットで一定時間敵の動きを止めたり,さらには信号に吊り下げてサンドバッグのような状態にすることも可能だ。

 今回Activisionから発表されたのはPlayStation 2で作動していたバージョンだが,PCでも同時リリースされることが決定している。発売も映画と同時期に照準が定められており,まもなくスパイダーマンに成り切ってのGTAが楽しめることになりそうだ。(奥谷海人)

「Spider-Man 2」の記事一覧は,「こちら」

Spider-Man and all related Marvel characters, TM & © 2004 Marvel Characters, Inc. Spider-Man 2, the movie, © 2004 Columbia Pictures, Inc. All rights reserved. Game code © 2004 Activision, Inc. and its affiliates. Published and distributed by Activision Publishing, Inc.


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