[韓国ゲーム事情#205]「ゲットアンプド」日本産ゲームのジンクスを克服 - 2004/04/22 18:00


Kimの韓国最新PCゲーム事情#205

「ゲットアンプド」日本産オンラインゲームのジンクスを克服(2004/4/22)

Text by Kim Dong Wook特派員

 日本のサイバーステップが開発したオンラインアクションゲーム「ゲットアンプド」で,ちょうど昨日(4月21日)にガンホー・オンライン・エンターテイメントが会員登録を開始したというのは,「こちら」などで報じたとおり。この本作について,韓国での状況をお伝えしよう。
 韓国版ゲットアンプド(GetAmped)は,"日本産オンラインゲームは韓国で成功しない"というジンクス(韓国最新PCゲーム事情#11「こちら」参照)を吹き飛ばし,見事にヒットしているのだ。

 韓国では2002年末からサービスが行われているGetAmpedは,最初,MMORPGだらけの韓国ゲーム市場で人気を集めることができなかった。しかし2003年の夏頃から少しずつ認知度が高くなって,2004年4月現在では,累計会員数600万人同時接続者数でも3万5000人を数えるほどの人気となっている。
 当サイトの「こちら」でも紹介しているゲームトリックスのデータを見ると,全体順位で「Lineage」(リネージュ)などと一緒に,常に10位以内にランクインしている(当サイトのデータにGetAmpedが載っていないのは,MMORPGに絞って掲載しているため)。全体順位で考えれば,日本でも人気の「Ragnarok Online」(ラグナロクオンライン)や「Maple Story」(メイプルストーリー)より上なのだ。

 同作を韓国でサービスしているWindy Soft社の企画室長Lee Jun Hyeok氏は,GetAmpedの人気の理由を次のように述べている。「非常に多くのMMORPGがサービスされている中,ゲーマー達は新しいジャンルのゲームを求めていた。本作は,過去にゲームセンターでヒットした格闘ゲーム"鉄拳シリーズ"を思わせる,純粋な格闘要素を持つゲームという部分で受け入れられたのだろう」。ちなみにこれまでにも韓国では何種類もの格闘系オンラインゲームが登場したが,どれもゲーム性がイマイチで,すべて失敗している。

 GetAmpedの人気の理由は,マウス操作オンリーではなくキーボードでの操作を中心としていて,しかも格闘系ゲームらしいシンプルな操作システムなので,低年齢層にも好評を博したのが大きいようだ。
 また,ユニークで可愛らしいキャラクターと,それに似合うコミカルなアクションが,韓国の若者達の趣味と合ったのもその理由の一つ。そしてその韓国の若者達のトレンドを読んだWindy Soft社が,サイバーステップと綿密に打ち合わせして本作を頻繁にアップデートしてきたことも,プレイヤー達の心をつかんで放さない理由だろう。

 まだまだ理由を挙げられる。テレビのゲーム専用チャンネルでゲーム大会の模様を生放送するなどの広報戦略や,PC BANG(PCゲームに特化したインターネットカフェ)での対戦イベントは,GetAmpedの認知度を上げるのに大きく貢献した。
 マーケティング戦略として最も効果的だったと思われるのは,韓国の人気時代劇「野人時代」や「茶母」の登場人物達のコスチュームスキンと,関連マップの採用だ(どちらのドラマも,韓国の地上波のSBS/MBCで平均視聴率約45%という大人気番組)。

 このGetAmpedのヒットによって,韓国の多くのオンラインゲーム開発会社が本作の面白さの要因を分析し,自社のゲームに取り込もうとしたが,長年培われてきた日本企業独特の企画力やゲームセンスを学ぶことはできなかったようだ。
 本作の韓国市場での成功は,より強力な日本産オンラインゲームの登場を予感させ,韓国ゲーム業界にちょっとした緊張感を与えている。

「ゲットアンプド」の記事一覧は,「こちら」

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