[E3 2002#98]洗練されたグラフィックスで大人も楽しめる「Republic:The Revolution」#2 - 05/30 23:26


 「Republic:The Revolution」についての詳細は,かつてハサビス氏を訪れたときのインタビュー記事「こちら」を参照してもらうとして,今回は新たに分かった要素について書いておこう。当時公開されていた画面写真と比べても,最新のものは照明効果やテクスチャが洗練されて美しくなっており,インタビューでもハサビス氏が力説していたグラフィックス効果そのものが表現されているのが理解できるのではないだろうか。

 さて,まずハサビス氏が見せてくれた新要素は,オブジェクトスクリーンの追加である。これは,コンバット系のアクションゲームや戦略ストラテジーには多く見られるブリーフィングを練り込んだもので,20個くらいの星が半円に並んでいて,その下には,そのゲームで達成されるべきオブジェクト(目標)の詳細が記載されている。1ミッションあたり,3〜5種くらいの目標が用意されていて,例えば募金活動を目的としたチャリティディナーに参加して人脈を広げたり,労働組合にストライキを起こさせるようにけしかけるなどの細工をする,そして民衆の心に訴えかけるようなスピーチを行う,などの行動を選べるようになっている。
 ハサビス氏は,これらを"ショートターム・オブジェクティブ"と呼んでいて,これらの目標が,ミッションをこなすという短いタイムスパンの中でも,ゲームプレイの中心となっていくことになる。それに対比して"ロングターム・オブジェクティブ"は,ほかのライバルを蹴落としつつも,国家の大統領を引きずり落として頂点に立つ,というもので,ショートターム・オブジェクティブの集大成ともいえるだろう。

 今回デモが行われた上記の三つの"オブジェクト"に関しては,ハサビス氏の話から以下のようなことが分かった。この妙に全貌を理解しずらいゲームも,これを読めば,どういうゲームなのか少しは理解しやすくなるのではないだろうか。

・チャリティ食事会への参加
 カリスマ性のある幹部を出席させて,自分の組織の柱になるような人物を探し当てる。めぼしい人物がいれば尾行して,彼/彼女の生活パターンや思想について調査する。調査すればするほど,相手をリクルートするためのアプローチの選択肢が増えるため,より仲間に引き入れやすくなるだろう。

・労働組合のストライキ扇動
 労働階級の鬱憤を晴らすために地下ボクシング組織"ファイトクラブ"を組織し,有事には先頭に立って政府の鎮圧隊(警察や軍隊)と戦わせる。一方で,事前に軍隊の行進中に平和主義者を装った狂信的部下を戦車の前に立ちはだかるように指示し,自殺させることで民衆の軍部に対する反感を増幅させておく。

・スピーチの題材選び
 民衆が求めている題材やスローガンを,「自由」「平等」「選択」などから選ぶ。それに並行して,労働者の政治的な関心を高めるため,街角にリーダー(プレイヤー)のスローガンが書かれたポスターを貼り付ける。

 当然のことながら,プレイヤーがどうやってオブジェクティブを達成するかは,傘下にいる部下たちの能力や懐具合,さらにはプレイヤーのキャラクタークラス(政治家,軍人,宗教家など)によっても異なってくる。部下たちは,一つのミッションにつき最大で9人までしか同時に活動できないため,そのミッション内容に即した人材を保持していることも重要なのだ。
 さらに,いくつかの行動には"トゥウィーク"と名付けられた調節バーが画面下に表示される。このバーは,
Friendly (友好的) ←→ Hostile (威嚇的)
となっており,Hostileのほうにバーをスライドさせると,ファイトクラブであれば相手がフラフラになるまで殴り倒し,恐喝ではより粗暴な言動で相手を恐怖に落とし入れるようになる。この場合,ボクサー養成員が強くなったり恐喝相手が言うことを聞きやすくなったりするものの,警察に見つかって問題沙汰に発展することになる可能性もあるそうだ。

 また,まだゲーム中には用意されていなかったが,ほかのライバルが街のどの地域を支配しているかというレーダーマップや,キャラクターの頭上に「シムピープル」のように考えていることを絵図で表示する"思考バブル"なども急ピッチで開発しているらしい。ハサビス氏によると,リリースは6〜9か月後くらいということなので,クリスマスあたりをターゲットにしているのだろう。(Okutani)


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