[E3 2002#40]"あの"女スパイ再び!「No One Lives Forever2」 - 05/24 22:05

 「No One Lives Forever」は,イギリス政府の女諜報員ケイト・アーチャーが古き良きスパイ映画顔負けの珍アイテムを駆使して,世界制覇を目論む組織に立ち向かうFPSゲーム。FPSとはいえ,圧倒的な火器でバリバリ敵を薙ぎ倒すタイプではなく,「バレッタ型のロックピック」や「サングラスに仕込んだ赤外線探知機」といった,スパイファン感涙モノのアイテムを駆使してゲームを進めていく,アドベンチャーの要素を盛り込んだタイトルだった。
 今作「No One Lives Forever2」も前作に引き続き,開発元は"Aliens vs. Predator"シリーズなどを手掛けたFox Interactive。Monolith Productionsが開発した3Dエンジン「LithTech」を採用し,そのテクノロジーデモにも抜擢された前作に続き,今作もグラフィックスエンジンにはLithTechを採用。しかし,今作では地形をより緻密に表現できるレンダリングエンジンを搭載した最新版LithTech"Jupiter"を採用している。

 E3会場では二台のマシンでデモンストレーションが行われていたNOLF2だが,デベロッパに細かい話を聞きつつ,"2"で加わった新たなフィーチャーなどを確認しながらプレイしてみた。

 デベロッパーが見せてくれたデモプレイでまず目に飛び込んできたのは,いわずもがな,前作より格段にクオリティアップしたビジュアルだ。LithTech Jupiter の特筆すべき地形のレンダリング能力をフルに生かしたその画面は,降りしきる雪の一粒一粒,そして霞みがかった遠方の山々を非常に美しく描き出していた。前作が持っていた,ちょっと目にウルサイ色調ではなく,全体がしっとりとして結構落ち着いた雰囲気を醸し出しているのも好感が持てる。まぁその辺はScreenshotsなどで確認しながら,テクノロジー的な話は,プレビュー記事の「こちら」を見てみるといいだろう。

 前作よりも多くのステルススキルを行使できるようになったケイトだが,今回は,「睡眠弾で眠らせた敵を抱え,個室へ移送。個室の電気を消して眠らせておくことで,敵からの発見率を下げる」なんてこともできるようになった。さらに,ミッションをこなしていく上で重要な情報収集のために,机の上にある書籍,または机の引出しにファイリングされたテキストなどを,パラパラとめくるというアクションも追加されている。ミッションのオブジェクティブに関連するアイテムにカーソルを合わせて右クリックすると,カーソルを合わせたオブジェクトに対して様々なアクションを自動的に起こしてくれるわけだ(例 紙/ファイル:パラパラめくる 爆弾の設置場所:爆弾を設置する)。プレイヤーが敵兵に発見されて,敵がワラワラと集まってくる間に,机の引出しを開けて情報を盗み出す,というまさにスパイならではの醍醐味が味わえる。また,珍妙かつかっこいいハイテクアイテムも目白押しで,R2-D2のごとく電子ロック式のドアの暗証番号をデコードする装置などがあったりもする。
 FPS部分に焦点を当ててみると,一口でいうと「軽いが質にやや難アリ」というLithTechエンジンの性能が,「軽く,かつ美しい」に変化した感じとでもいおうか。純粋に対人戦やBOT戦を楽しめるFPSと同等のプレイフィーリングが,本作でちゃんと再現されている辺りも,多くの人に受け入れられている要因だろう。

 とはいえ,そんなカチッとしたシステムを持ちながらも,バナナで相手を滑らせて倒すなどのユーモアや,ミッションの間に挿入されるムービーでの会話シーンの面白さなど,本作に貫きとおしてほしい"遊び心"はもちろんカバーされている。4人同時のマルチプレイモード(協力プレイ)も塔載しており,見て楽しい,攻略して楽しい,シューティングとして楽しいと,三拍子揃ったタイトルに仕上がっているぞ。画質はやや粗いけど,ほぼ同時Upのプレイムービーもぜひご覧あれ。(Gueed)


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