プレイレポート 三國志:豪傑大陸

第一回

周瑜公瑾
周瑜公瑾
 今回から全8回に渡り,コーエーの最新作「三國志X」のプレイレポートをお送りすることになった。大君主になったり一介の武将になったりと,さまざまな楽しみ方ができる本作の魅力を存分に伝えるため,だいたい2回1セットくらいでいろんな人物の生き様をお伝えしていきたい。
 記念すべき第1回は,コーエーの推薦する"おすすめ武将"の中から周瑜をセレクトしてみた。理由は,三國志きっての完璧超人だから。ゲームレベルは「初級」,モードは「史実」でスタートしてみよう。

時は207年。時勢を味方に付けた曹操は河北に攻め入ってその大半を手中にし,劉備は劉表を頼って新野で軍師探しをしている時代。一方,我が陣営は,孫策は早世してしまったものの,その弟・孫権を中心に江東で地盤を固めており,なかなかの勢力となっている。今こそ孫家三代に仕える知将・周瑜の腕の見せどころだ!
 "美周郎"こと周瑜。端正な顔と充実した能力値,およそ欠点というものが見当たりません。かわいい嫁さんもいるしな。まぁ,体質的に急遽する傾向があるので,そのあたりは気をつけたほうがいいかも。

都督・周瑜の日常は慌ただしい。孫権様から柴桑,廬江という重要拠点を任され,内政に外交に軍事にと駆けずり回る周瑜には,1日たりとも休んでいるヒマはないのだ。隙を見て,自軍武将達との親交も深めないとならないし。うーむ,それもこれも亡き友・孫策との約束を果たすためと思えば,モチベーションも上がろうというもの。青空に浮かんだ伯符の面影にVサイン。

 と,そんなことをやっている周瑜の自宅へ突然来客が。来たのはなんと曹操軍謀臣の一人,郭嘉。曹操軍へ内通してみませんかと誘いをかけられた。正直,ここで寝返っちゃったらすごく面白くなるんじゃないか? とグラリと来たのだが,いきなりそんな奇抜なリプレイもアレだし,さっき伯符にVサインを送ったばかりというのもあるので,丁重に追い返した。

 しかし,これで曹操がこちらを狙っているのが判明したわけだ。急いで守りを固めないと。

曹操の台頭によって大きく動き出してきた天下。曹操は飛ぶ鳥落とす勢いだが,孫権軍も負けるわけにはいかない 亡き友と誓った中華統一の夢。孫家の天下を築くために,粉骨砕身してがんばる所存です。体弱いけど 伯符に孫家の天下を誓った途端,曹操軍からのお誘いが。ちょっと心が揺れ動いたが,さすがに拒絶する

明けて208年1月。状況は急に切迫してきた。曹操から降伏をお勧めされた孫権陣営は,降伏か抗戦かで真っ二つに。ここでキャスティングボードを握ったのがワタクシ周瑜。そんなもん徹底抗戦に決まってる! 孫権様から大都督に任命され,劉備軍と同盟を結んで曹操にあたることになった。
 というわけで,なし崩しに「赤壁の戦い」に突入したのだが,赤壁はすべてイベント進行で,プレイヤーが操作介入するポイントはほぼ皆無。曹操を撃退し,孔明には逃げられ,江陵を取ってすぐに劉備に返すあたりまで自動的にどんどん進んでいくので,割とのんびりできた。大勝利だ!

 さて一段落したあとは,赤壁前から与えられていた使命「交州攻略」をクリアしないといけない。すでに南海は落としているものの,交趾は遠くて微妙に面倒くさい。ま,主命は絶対だけどね。

 この年から翌年209年にかけて,大陸では金旋,韓玄,士燮(ウチがやっつけた),劉度の各勢力が滅亡。劉表も劉備に取り込まれて,中国の勢力図はかなりシンプルに。孫権軍も,拠点数は曹操にだいぶ劣るものの,面積的には結構大きくなってきた。
 人材的には,なぜかそのあたりを徘徊していた黄忠を偶然ゲットしたりして,こちらも充実してきた。そろそろこっちから攻め入ってもいい頃合か?

 しかし,江陵攻略イベント中に負傷した傷がなかなか癒えないのが気にかかる。このままでは,孫権様から与えられた新たな命「淮南攻略」を果たす途中で死んじゃうかもしれん。
 そんな折,ギョウに"延命アイテム"が売っているという噂を耳にしたので,賄賂を使ってこっそり侵入してみた。確かに売ってるけど,高いなオイ。都督のお財布じゃ買えなかったので出直すことに。ヘソクリして買いに来よう。

一大イベントである「赤壁の戦い」。この間はプレイヤーが手出しできないまま,どんどん進行していく なぜか領地内をブラブラしていた,在野武将黄忠の登用に成功。個人的にジジイ武将が好きなので嬉しい イベント中の負傷が,なかなか治らない。能力が下がるのも困るが,周瑜は史実では早死になので心配だ

さて,対曹操の陣容は整った。いざ寿春へ攻め入ろうぞ! ちなみに今回のプレイでは,合肥はあっさり陥落させちゃった。寿春は確かに固い都市ではあったが,甘寧,黄忠,周泰というそうそうたるメンツの武力と,周瑜の計略によって,なんとか1か月以内で攻略。強いぜ孫権軍!

 さっそく周瑜の所属都市を寿春に変更。ここは歩兵編成所があるから重歩兵隊が作れていいなぁ,さてどんなふうに部隊を強化してやろうかしら,なんて考えてたら,間髪入れず曹操軍が攻め込んできた。来るの早いよ!
 必死で防戦し,なんとかギリギリで撃退。しかし,ここでもう1回攻め込まれると確実にやられる。配下武将に指令を出してるだけでは追いつかないので,自ら城壁や兵舎を走り回って防御と兵力を直接上げることに。都督なのに。

怒涛のごとく寿春に攻め入る周瑜軍。敵軍勢長は張遼。手強い相手だが,最後には援軍もやってきて見事撃破 計略から一騎討ちまで,あらゆる手を使って攻め立てる。一騎討ちは一発逆転が可能なので,大いに助かります 寿春を獲った途端,一転して攻め込まれる立場に。しかも曹操自ら兵を率いてきましたよ。守りを固めないと

その後も何度か攻め込まれるが,ことごとく撃退。途中,曹操軍の攻撃は容赦ないうえに間隔が短く,身を削るような思いでなんとか防衛を果たしてきた。
 そんなこっちの苦労を知ってか知らずか,孫権様が下した次なる命は「豫州攻略」。相変わらずムチャ言うなぁこのヒゲは! しかしそこは,自分の名声が落ちるのを病的に嫌うナイーヴな一面も持ってそうな,生まれついてのエリートたる周瑜(偏見)。半ばヤケクソになりながらも,汝南と許昌攻略に向けて頑張るのであった。

 とにかく寿春の防御を固めつつ,兵力をアップ。気が付くと兵士数が都市の人口の倍くらいになっていたが,気にしない。曹操があきらめ,寿春への攻撃がなくなったころを見計らって汝南に攻め込み,見事これを陥落させたのだった。

 そしてすかさず本拠地を汝南へ移し,ここを固めながら許昌の様子をうかがっていく。もちろん曹操の反撃も徐々に激しくなってくるが,汝南にくる軍勢は当然撃退するものの,廬江と寿春は完全にほったらかしで,孫権様直轄の武将に任せちゃうことにした。両方いっぺんにはできませんよ!

激しく攻め立てられる寿春。この戦いの中で,何人もの名だたる武将(主に曹操側)が命を落とすことになった 戦いに明け暮れる日々の中で,自軍の武将たちと心を通わせる周瑜。とりあえず黄蓋と甘寧と義兄弟になった なんとか汝南も攻略成功! 軍勢長の張遼を捕らえたので帰順を説くも,すっぱり拒否される。やむなく処刑

割り切った作戦が功を奏したのか,任務の期日まで60日を切ったあたりで,どうにか許昌に攻め込める算段がついた。ここまできたら,絶対に許昌を落としてやる!
 最初に攻め入ったときには,あと一歩まで行ったものの,30日が経過してタイムアップ。ここで残り時間はわずか20日。果たして間に合うのか?

 周瑜,甘寧,黄忠,程普,朱桓という布陣で臨んだ許昌攻め第2戦。敵の目ぼしい武将は曹操と楽進のみ。戦闘中に夏侯淵軍団が援軍にやってくるが,こっちはもうひたすら曹操を追い詰めるだけ。途中汝南が攻められてるなんて伝令も入ってくるが,それも無視。死に物狂いで奮闘した結果,期日ギリギリでなんとか許昌を攻略完了したのであった。

許昌攻略中,汝南を周瑜一人で守る事態にも陥ったり。魯粛から教えてもらった「同討」を駆使して撃退した 2回めの許昌攻めで,見事これを陥落せしめる。曹操を捕まえられるかなーとも思ったけど,それは無理だった 許昌を取ったことで,曹操に代わって孫権様が献帝を擁立することに。歴史が大きく変わった瞬間である

ついに許昌を手中した孫権軍。213年4月に,なんと献帝を擁立してしまった! これもひとえに周瑜の活躍によるものと,孫権様からもお褒めの言葉をいただいたのであった。
 それはいいけど,廬江,寿春は曹操の手に落ち,汝南は今まさに攻撃を受けてる最中なんですけど……。これからどうなるんだろう……。(次回へ続く)

 

中国大陸の惨状経緯(207〜213年)

 
 
すさまじい淘汰っぷりと,しっかり曹操・劉備・孫権の3色に染まっていくあたり,さすが史実モードって感じ。本国から孤立してしまった汝南と許昌が,次回への引きにいい具合にピンチである

■■K.サワノフ(フリーライター)■■
当代きってのジジィ武将大好きライター。好みのタイプは厳顔。コーエーの三國志は初代からプレイしていたり(途中ブランクあり),三國志関連の書籍を執筆したら諸事情でお蔵入りになったりと,まさに本連載にピッタリの人物といえる。

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