シヴィライゼーションIII 完全攻略アカデミー


第四時限 大きくなった文明の維持法

 第三時限で講じた"2回めの戦争"が終わる頃には,プレイヤーの文明には紫禁城が生産されているだろうし,各文明が熟成して都市が建設できるような場所もなくなっているだろう。プレイヤーは,この時点での領土を基盤にして世界制覇を目指すのである。今回は,大きくなり始めた文明の維持の仕方をテーマにしよう。

軍事政権をサポートする内政への取り組み

 さて,序盤から戦闘ユニットばかりを生産していると,とにかく苦労するのが文明の資金繰りだ。とくに最初の戦争を仕かけるため軍備を整えている途中に,収支がマイナスに転じたときなどは相当不安になるもの。また君主政治に移行した途端,極端に財政が悪化する場合もある。これは,紫禁城や市場を生産することで回避できる問題ではあるが,ユニットの生産力を減らさないようにさまざまな小技を駆使する必要がある。
 自文明が首都しかない時代から,周囲の土地で最も生産力の高いマスを見分け,そこを重点的に開拓していくのを怠ってはいけない。贅沢品や家畜などのある場所はもちろん,税収の多い河川沿いを選んで環境改善し,贅沢品の効果を高めるために各都市を道路で結ぶ必要もある。専制では2単位以上の食料の生産にはマイナス1の修正が付くので,すべての草原に鉱山を作るようにしよう
 それでもBC1500年あたりになると,収入がマイナスになり始める。極端なプレイを好むのであれば,青銅器と鉄器を発見したあとは,科学技術を交換や戦利品での入手に絞り,科学研究レートを10%や0%に落としてしまってもいいだろう。天帝レベルでは,ライバル文明の初期ユニットの多さによるスタートダッシュが強烈なため,文化や技術発見重視のプレイは難しい。制覇による勝利以外を狙う場合でも,結局のところはライバル文明を攻撃して領土の拡大や技術の確保を行うしかないからだ。
 何回か戦争をこなしていけば,敗戦したライバル文明から毎ターンごとに大きな金銭収入を見込めるようになる。和平条約締結のときに,5から20ゴールドくらいの"援助"をいただけるのだ。ライバル文明から一定金額を搾取している場合は,20ターンが過ぎたあとに必ず向こうから和平条約の再締結を申し出てくるが,このときは迷うことなく却下して宣戦布告しよう。ただし,その外交ウインドウを閉じずに,そのまま和平条約に持ち込むこと。これまでの額面は望めないにしても,引き続き金銭提供が行われる。もし,その金額が気に入らなければ,戦争で数都市奪ってから有利な条件での再締結に持ち込めばいいだけである
 Civ3の天帝レベルでプレイするなら,君主政治の技術を入手したらできるだけ早いうちに政治制度を切り替えてしまおう。そしてそれ以後,政治制度を変更する必要はない。なぜなら,天帝レベルではかなりのテンポでゲームが進行していくので,産業期から近代に移行した直後に決着が付いてしまうようなこともあるからだ。攻撃的なプレイを続けるため,共和制や民主主義に伴う市民の厭戦感情がゲームを進めていくうえで障害になってしまう。民主主義に移行するなら,大陸の大部分を制覇し勝利が確実な状態になるを待ってから。それでも,幸福な市民を増やすメリットくらいしかないのだ。

 フランスでプレイし,技術先進国のドイツを攻略しているところだ。七不思議の建っているCanton(中国領土をドイツが占領)を文化による離反から守るために,戦闘終結前にHannoverを占領,廃止してRennesを設立。また,Hamburgの都市近くに護衛付きの開拓者を移動させてBordeauxを建設することで,純粋な民族都市による文化防壁を作成した
※画面写真は,英語版のものです

国家拡大に向けて

 プレイヤーのペースにもよるだろうが,天帝レベルでも紀元前から紀元後くらいになってくると,世界の情勢が明確になってくる。領土エリアの大きい文明は科学技術でも進んでおり,小さな文明は滅亡の過程にあるのが分かるだろう。ふと気付くと,各文明が協定を結び合っていて,身動きが取りづらくなっているかもしれない。しかし,逆にこれを利用して,プレイヤーの行く手を阻む大文明を邪魔する方法もある
 例えば,Aという文明がプレイヤーの文明と接しており,Aの向こうには比較的小さなBとCという文明が同じ大陸にあるとする。プレイヤーとしては,早いうちにAの繁栄を止めておきたいところだ。それにはまずAと協定を結び,Bに宣戦布告する。ただプレイヤーから先に仕かけるのではなく,国境付近や海岸線の防御を固めながら,相手が攻めてくるまで待つのだ。いったんBがプレイヤーの文明に対し領土侵犯をすればしめたもの。AはBに宣戦布告し,B領内にユニットを進める。これで,Bが協定を結んでいるほかの文明が一斉にAへの報復攻撃を開始するのだ。プレイヤーの国境近辺で虎視眈々とたむろしていたAの攻撃ユニットもなくなり,前線では徴兵などによって国力が低下していく。プレイヤーとAとの条約期限が切れるのを待って宣戦布告すると,案外簡単にAを攻略できてしまうはずだ

 個々のユニットの戦いでは,プレイヤーのユニットに照準を定めて接近してきた攻撃ユニットは,フィールド上を果てしなく追ってくるという習性を利用し,山岳地帯にいる敵のユニットを平地におびき寄せることができる。これを応用し,敵の軍隊ユニットを平地におびき寄せ,何台ものカノン砲で弱らせてから攻撃すると,それほどの犠牲も被ることなく破壊できるだろう。ライバル文明が守備の薄いプレイヤーの都市に侵攻してきた場合は,別の安全な都市を空洞化させることで,敵ユニットをそちらに惹きつけて時間稼ぎするなんて手もある。

 文明を拡張していくうえでの最大の問題は,どうやって占領した都市を維持するかだろう。軍事的なプレイをしているとどうしても文化後進国となってしまうために,苦労して占領した都市もヘタすると数ターンで離反してしまうこともある。兵糧攻めで市民を少しずつ減らしていくのが一般的なやり方だが,レベル8以上の都市でピラミッドのような有益な七不思議が建築されていないなら,潰してしまったほうが各段に効率がいい。それでも欲しい都市なら,速攻でその向こうにある街を占領して廃止し,そこへ開拓者を送り込んで純粋な自文明の都市を作り,囲んでしまうという手も考えられる
 さらには,すぐに和平条約を結べる状態であれば,人口の多い都市と交換にその周辺にある2〜3の小都市や最新技術と交換するのも一つの作戦だ。「どうせ世界制覇するのだから評判なんて関係ない」と割り切れるプレイヤーなら,その直後に明け渡した大都市に踏み込んでしまおう。ちょっと卑怯な戦法だけど,その都市にはユニットがいないので見過ごすのはもったいない。この場合,条約で得た小都市に防御ユニットを派遣しておくのを忘れてはならない。

 ユニットの生産は首都や紫禁城に近い大都市にまかせ,辺境地や前線都市では寺院や図書館の生産に集中しよう。中世期や産業期では,隣接するライバル文明がプレイヤーの文明よりも小さくても,初期に建設された七不思議などの影響で,小都市が離反してしまうこともしばしばあるのだ。軍事国家に特化させるなら,戦争中は中心都市での大学や聖堂を生産したくなる欲望を抑え,前線に向けて続々とユニットを送り出していくべきだ。

<<第三時限の講義へ戻る