Unreal Tournament 2004 攻略
UT2004の武器の特徴

 最終回は,Onslaughtを中心にチーム戦のゲームモードの特徴と戦い方,そしてそれらの代表的なマップについて触れていく。またOnslaughtモードの解説では,ビークルについても触れた。どのビークルがどんな用途に向いているかなどが分かるので,ぜひ乗り込むときの参考にしてほしい。
 なお今回の連載では,Last Man StandingとMutantについては割愛する。ルールやプレイヤーキャラの能力は異なるが,コツとしては基本的にDeathMatchに準じるからだ。要するに,自分は倒されずに敵を倒し続けること。この当たり前すぎる基本中の基本技術の精度を磨けば,個人戦のモードは自然とスコアを伸ばせるので,これまでの記事をよく読んでがんばってみよう。

 それでは早速,Onslaught[画面1]の解説に入る。本モードは,敵ベース内にあるパワーコアを破壊したほうが勝ちというチーム戦のモードだ。ただしいつでもコアを破壊できるというわけではなく,両ベース間にあるパワーノードと呼ばれる施設を,自軍コアに隣接しているものからリンクしている順に占領していく必要がある。最終的に敵コアに隣接するノードまで自軍のリンクを張ると[画面2],敵コアを攻撃できるのである。

【画面1】 【画面2】 【画面3】

ビークルも加えた大乱戦を展開できるゲームモード"Onslaught"。ビークルならではのひき逃げ攻撃(?)もあり

右のリンクが敵コアまで延びたので,コアに攻撃を加えられる。このように2ルートある場合は,反対側も注意しよう

中央に青リンクが延びてきているが,赤も両翼から延びているので,敵コア直前のノードに攻撃できる

 どういうルートでリンクを張っていくか。敵のリンクが伸びてくるのをどう妨害するか[画面3]。戦場全体を見渡す必要のある,戦略性の高いモードだ。よって,味方の多数が自軍リンクの伸展作業に集中していたら自分は敵の妨害に回る,あるいは味方が戦ってくれるのなら自分はリンクの伸展に力を注ぐといった役割分担が重要となる。味方の動きをよく見て戦う必要があるのだ。
 本モードで考えられる役割は,以下に挙げる4種類となる。ノードを占領して自軍のリンクを伸ばしていく工兵担当[画面4]。その工兵担当の作業を守るため,敵兵と正面切って戦う攻撃担当[画面5]。敵のリンクが伸びるのを防ぐ妨害担当[画面6]。自軍が占領した重要なノードや自軍コアの守備担当[画面7]だ。
 役割は,自分が得意な攻撃方法や性格的なもの,味方が選んだ役割の状況などを考えて選ぶといい。とはいえその場の状況に合わせて臨機応変に役割を変更するようなことも多いはず。全体を見て柔軟に対応し,戦っていこう。

【画面4】 【画面5】

工兵的なスタイルなら,戦闘にはあまり担当せずにノードの占領とその耐久力のチャージなどに専念

戦車Goliathに乗り,敵コアへ進撃。砲台など攻撃力の高い敵には,ビークルなどで攻撃しよう


【画面6】 【画面7】

妨害担当は,敵ノードを破壊するのが仕事。ひと足早く敵ノードへ接近し,攻撃可能になると同時に破壊工作開始

守備担当は,味方が占領したノードを死守するのが役目。接近中の敵戦車に対してAVRilで攻撃するところだ

 各役割をこなすのに役立つのが,ビークルである。続いては,役割別にビークルの基本的な用途を紹介しよう。
 まず工兵だが,中立のノードの占領や敵の攻撃で耐久力の減った自軍ノードの回復などで,戦場をかけずり回る可能性が高い。よって,戦闘機Raptor[画面8]やホバーマシンManta[画面9],バギーScorpion[画面10]といった速度の出るビークルが便利だ。
 ただし足が速い分,単独行動になってしまう可能性も高い。そうなると危険度が格段に増すので,チャットなどを利用して味方に来てもらえるように気を配ろう。

【画面8】 【画面9】 【画面10】

超高機動型戦闘機Raptor。"Missile Lock-On!"の表示が出たら,全力で逃げよう。低空へ逃げると回避しやすい

ホバー型戦闘車両Manta。耐久力はあまりないが,地上用ビークルではナンバー1の速度を誇る

バギー型ビークルScorpion。両翼の対人用ブレードを展開して,まさに敵兵を切り裂こうとしているところ


 敵と正面切って戦う攻撃担当や妨害担当は攻撃力/防御力ともに必要なので,戦車Goliath[画面11]や四駆Hellbender[画面12]が向いているのはいうまでもない。移動要塞Leviathan[画面13]が用意されているマップでは,ぜひ攻撃の中核として使っていこう。そのほか機動力のあるMantaやScorpionで敵を攪乱するといった戦法も有効だ。ただしこれらは耐久力はあまりないので,Goliathの主砲など強力な攻撃には注意。

【画面11】 【画面12】 【画面13】

戦車Goliathは二人乗り。ドライバーが主砲も操作し,もう一人は対空用にも使えるMini Gunを担当

四駆Hellbenderには最大で3人乗れる。助手席がEMP弾を,後部がプラズマプロジェクターの砲手を担当

巨大重戦車Leviathan。主砲の攻撃力はいうまでもないが,通常攻撃のホーミングミサイルもかなり有効


【画面14】
砲塔で連射しまくっているところ。右クリックするとかなりズームできるので,遠距離の敵も狙いやすい

 守備担当も敵と正面切って戦うので,攻撃担当と同様にGoliathやHellbenderが欲しいところ。それと,忘れてはいけないのが砲台[画面14]の存在だ。マップによってはノードや自軍ベース近辺に砲台が設置されているので,それらを極力活用しよう。砲台は移動できないので撃たれやすいのは事実だが,それを補う攻撃力を有しているので,敵のビークルが多い場合は有効である。

 なおHellbenderについては,注意事項が1点ある。ドライバーのほかにガンナーが乗ってないと攻撃できないのだ。マルチプレイで自分が運転するときは"Please gunner"などとチャットで入力して,誰かに乗ってもらうようお願いしよう。
 また,Raptorで激戦区へ向かうときも注意が必要。AVRilの誘導ミサイルに狙われると,かなりきつい[画面15]。5〜6発で撃墜されるので,連続で撃たれたら戦場を離脱するか,低空へ逃げ込んで機体から離れよう。余裕があれば修復を行ったほうがいい[画面16]
 そのためRaptorで攻撃するときは,Goliathなどの地上用ビークルに対してのみに限定するといい。相手が射撃しにくい(できない),頭上の高角度から攻撃すればいいのだ[画面17]
 同じRaptor同士での空中戦では,いかに奇抜な動きをしつつ,相手の動く先を読んで攻撃するかがポイント[画面18]。単純な動きでは狙われやすいので,上下左右への立体的な動きを入れつつ戦おう。

【画面15】 【画面16】

煙の尾を引いてRaptorに炸裂しているのが,AVRilの誘導ミサイル。狙われると回避するのはかなり難しい

Raptorは非常に有効なビークルなので,耐久力が減ったら,まめにLink Gunで耐久力の回復を図ろう


【画面17】 【画面18】

戦車Goliathを始め,地上用ビークルの射界はあまり上下角がないものが多いので,上空から叩こう

AVRilに次ぐRaptorの難敵といえば,同じRaptor。Raptor同士の空中戦は,じつに迫力があるのだ



 マップでは10〜18人用の"Crossfire"[画面19]が,Ion PainterやTarget Painterなどのレアな武器が登場するのでお勧め。なお移動要塞Leviathanが出てくるのは,12〜16人用の"RedPlanet"[画面20]と,10〜20人用の"Severance"(条件を満たした場合に出現)[画面21]など。
 最も広いマップは12〜24人用の"Dria"[画面22]だ。ちなみに同モードがどんなものか体験したい人は,デモ版(「こちら」)にも収録されている8〜16人用のTorlanをプレイしてみるといいだろう。

【画面19】 【画面20】

レアな武器が多いCrossfireは,地中海系の文明の雰囲気をした砂漠の遺跡が舞台。リンクは複数ルートあり

テラフォーミング化された火星が舞台と思われるRedPlanet。かなり広大で,Leviathanが最初から登場


【画面21】 【画面22】

中世ヨーロッパの砦などを思わせる遺跡が立ち並ぶSeverance。いち早く全ノードを押さえるとLeviathanが登場

全ゲームモードの全マップ中で最も広大なDria。徒歩での移動は,気が遠くなるほど時間がかかる

 

  Assault[画面23]は攻撃側と守備側に分かれ,一つのミッションを巡って戦うチーム戦モード。攻撃側は特定の装置を破壊し,守備側はそれを阻止するといった内容だ。
 同モードも,Onslaughtほど種類が多いわけではないが,役割分担が重要である。攻撃側の場合,先頭に立って突っ込むややオトリ的な役割[画面24]もあれば,それに気を取られた守備側を狙う第2列的なポジション,さらにはその後方から遠距離用の武器で掩護する役など,いろいろある。そうしてスキを作って,目標物の破壊といった任務の完遂を目指すのだ。

 一方の守備側は,弾薬/エネルギーパックの補給アイテム,体力回復アイテムの近くなど地の利を生かす位置を取りつつ,敵の侵攻ルートを予想して幾重もの防衛戦を用意するのだ。
 狙撃担当[画面25],砲座担当,接近戦担当,目的の装置周辺の最終防衛担当などなど。敵を倒すのが目的ではなく,あくまでも敵の目的の阻止が任務であることを念頭に置いて戦おう。

【画面23】 【画面24】 【画面25】

攻撃と守備に分かれて戦うAssault。右上に細かい任務内容が表示され,次の目標物の方向も矢印で表示される

前衛として敵防衛戦の深くまで突っ込み,目標物に打撃を加えているところ。こちらに目を向かせるのも仕事

防衛ラインのトップを担当。左右両翼から敵が来るマップなので,中央に陣取り,Sniper Rifleで対応中だ

 マップは,中〜大サイズのものが用意されている。工場の設備を巡って攻防を繰り広げる"RobotFactory"[画面26]は10〜20人用で最大だ。
 また,宇宙戦闘機というレアなビークルに乗って,地球衛星軌道で宇宙基地内に侵入したりして戦えるマップ"MotherShip"(8〜12人用)[画面27]もある。そのほか8〜16人用の"Glacier"[画面28]にはイオン砲を装備した戦車が登場するなど,Onslaught以外にもビークルが出てくるマップがいくつか用意されているのだ。

【画面26】 【画面27】 【画面28】

砲台からの砲撃が激しく,攻撃側に厳しいマップRobotFactory。攻撃側には戦車が与えられる

全マップ中,唯一の宇宙戦を体験できるMotherShip。正面の人工物が,乗り込むべき敵基地だ。下にあるのは地球

こちらもビークルが登場するGlacier。ただしこのビークルは特殊で,Onslaughtには出てこない特注品

 

 銃撃ありのラグビーやアメフトといった雰囲気の,チーム戦用モードがBombing Run[画面29]。敵陣最奥にあるゴールにボールをシュートするか,持ったまま自分が飛び込めば得点になるというルールは,まさにスポーツそのものだ。
 ボールを持っているキャラクターは武器を使えないルールなので,いかに味方が掩護するかがポイントとなる。Botを使ったシングルプレイでは,つい自分でボールを持つと単独でひたすらゴールを目指してしまいがち。だが,それだとマルチプレイヤーでは勝てない。いかに味方にパスしてボールを回していけるかが,確実に得点するために重要なのだ。
 自分が戦ったほうがいいときは後ろにいる少し安全な味方にパスしておき[画面30],その味方が危なくなったらボールを受け取って……という具合にカバーし合っていくのである。
 また,ボールを持っている者は敵を攻撃できないというルールを利用し,わざと敵にパスして無害な状態にしてから撃ち殺し[画面31],邪魔者がいなくなったところで落ちたボールを回収といった,少々ずるいテクニックもある。
 敵にボールをゴールまで運ばれてしまわなければいいので,敵を倒すのみのデスマッチ系の思考回路から,スポーティな回路に切り替えることも重要なポイントなのだ。

【画面29】 【画面30】 【画面31】

原子とその周りを回る光子といった感じのアイテムが,Bombing Runで扱うボールだ。持つと武器を使えなくなる

サッカーよろしく,前を走る味方にパスを出したところ。あまり遠いと届かないので注意しよう

ボールを持っている限り何もできない。わざと敵に持たせて集中砲火を浴びせ,邪魔者を排除してしまえ

 マップは中サイズのものが多く,8〜16人用の"Slaughterhouse"[画面32]や6〜14人用の"Colossus"[画面33]は広めで多人数で楽しめる。お勧めは,8人用の"Skyline"[画面34]。確実にkm単位の高さがある,猛烈に高いビル3棟の屋上近辺(建設途上)を舞台にしたマップなのだ。縮み上がること間違いなしの"かすむ地表"を見下ろしつつ,屋上間をジャンプで行ったり来たりして戦うので,スリル満点である。

【画面32】 【画面33】 【画面34】

何かの肉がぶらさがる,少々不気味な屠殺場を舞台にした屋内マップSlaughterhouse。迷子になりやすい

屋外が舞台の最も広いマップColossus。かなりの面積があるので,ボールの"取って取られて"を楽しみやすい

ジャンプが届かなかったら,地上へ落下していくだけというSkyline。高所恐怖症の人は本当に怖いかも

 

 このほかのチーム戦としては,まずInvation[画面35]が爽快でお勧め。これはSkaajを初め多数の異星人がどんどん攻めてくるので,それらをチームで一致団結してひたすら撃退し続けるというもの。
 ポイントは,マップの各所に配置されている,武器とそのマガジンやエネルギーパックの位置を頭に叩き込むこと。とにかくひたすら撃ちまくることになるので,弾切れ/エネルギー切れを起こしがちなのだ。よって,うまく補充をしつつ,戦うことが重要となる。また,敵が四方八方から攻めてくるので,常に動き続けることも重要だ。
 マップはDeathMatchなどで使われるものが流用されており,"Crash"[画面36]など1対1用のものから"Tokara Forest"[画面37]など8〜16人規模のものまで,多彩なラインナップとなっている。

【画面35】 【画面36】 【画面37】

Invasionの敵は,Unrealシリーズでお馴染みの異星人/異性生物達。彼らを撃って撃って撃ちまくるのだ

基本的には1対1用のマップCrashだが,今回は味方が二人いる。3人で,怒濤のごとく押し寄せる敵を倒すのだ

異星の森の中に作られたステージを舞台にしたマップTokara Forest。階層構造になっていて面積も広い

 Doubule Domination[画面38]は,2か所の陣地を10秒間占領し続けると1点加算されるという内容。どのマップも両陣地があまり近くないので,マルチプレイの場合は,うまく分担することが重要だ。Botとの対戦の場合は,ボイスコマンドで味方にいかに指示を出せるかが勝利への秘訣となる。
 マップは"SepukkuGorge"[画面39]が最大規模で,10〜16人に対応。そのほかは"Atlantis"[画面40]など,最大対応人数が10人前後の小〜中サイズのマップが用意されているのが特徴だ。

【画面38】 【画面39】 【画面40】

Doubule Dominationではつい両陣地間を往来したくなるが,片方の守りに専念したほうが確実に得点を増やせる

森林地帯とそこに眠る神殿風の遺跡内を舞台にしたマップSepukkuGorge。迷子になりやすいので注意しよう

伝説のアトランティス大陸とおぼしき,海底の神殿が舞台のAtlantis。バリアが張られているので,大気はある

 Team DeathMatchやCapture the Flagについては,これまでに触れたことがあるので,割愛させていただく。ひと言だけポイントを挙げるとすれば,チーム戦の基礎,フォア・ザ・チームの精神を忘れないことである。味方の掩護はもちろん,時には味方を生かすために犠牲になることもいとわない覚悟でプレイすれば,おのずとチームの得点は上がっていくのだ。

 そんなわけで,「Unreal Tournament 2004 インターネット対戦指南」の連載もこれにて終了。この記事によって,あなたの腕前が少しでも上達してもらえれば本望である。まずはBotを相手に鍛え,マルチプレイの熱い世界へ飛び出そう!

 

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