ウルティマ オンライン 正邪の大陸
プロデューサー&リードデザイナーインタビュー

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Text by Iwahama

 

今後のウルティマ オンライン

 

4G:
 それでは,正邪の大陸からは離れて,UO全体の話を伺います。
 UOは,MMORPGというジャンルを切り開いた作品です。MMORPGが百花繚乱のこの時代の中で,どうしても若干の古めかしさが感じられますが,それでも"家"と"生産"という二つの要素はほかのMMORPGにはない大きな魅力だと思います。
 正邪の大陸でも"家"(土地の追加,ハウス・デザイン・ツール)と"生産"(マジック・アイテム・システム)に関する拡張がありましたが,やはり今後もこの二つの要素を生かしていく形でアップデートが続けられていくのでしょうか?

チルトン:
 ええ,当然そのつもりです。ある意味,今回発表した正邪の大陸が今後の方向性を示しているといっていいでしょう。つまり正邪の大陸では,ユーザーの要望に応えながら新しいゴールを設定し,そのための手段を提示したわけです。
 もっと個性が出したいという要望に対しては,個性的な家を建てるというゴールと,ハウス・デザイン・ツールという手段。またマジック・アイテム・システムもそうですね。"より優秀な(個性的な)アイテムの入手"というゴールがあり,鍛冶職人のスキルで作成可能にしています。新ダンジョンも,優秀なアイテムを入手するための手段といえるでしょう。一方,もっと危険な冒険がしたいという要望には,この新ダンジョンのクリアは新しいゴールになります。そのゴールに対して,新アイテムシステムや新クラスという手段を用意したわけです。

カストロ:
 今後もユーザーが欲しい欲しいと思っていることは,可能な限り実現させていきますよ。それがUOですから。

チルトン:
 UOは誕生してから5年以上経ちますが,それでも正邪の大陸では大幅なアップデートができた。おそらく,我々がやるべきことはまだまだたくさんあるんです。パーフェクトなゲームなんてあり得ませんから,我々はいくらでもUOを進化させていくだけです

4G:
 力強い言葉,ありがとうございます。5年後,10年後のUOも楽しみにしていますね(笑)。それでは最後に,forGamerの読者に何かメッセージをお願いします。

カストロ:
 先ほど説明したように,我々はユーザーの要望を尊重しています。ところで日本は,UOユーザーが世界で2番めに多い国なんですね。当然日本のユーザーからの要望は我々も非常に重要視していますので,ぜひ今後のUOのためにみなさんにもいろんな意見を聞かせていただきたいですね

4G:
 具体的には,どのように要望すればいいですか?

カストロ:
 日本の公式サイト(編注:「こちら」)の掲示板に書き込んでもらうのが一番いいですね。もっとも,直接私にメールしてもらっても構いません。……ただしメルアドは教えませんよ(笑)。

4G:
 先ほどいただいた名刺に書いてあったような……じゃあこれを,Webに……。

カストロ:
 いや,お願いします。やはり掲示板を使ってください(笑)

4G:
 チルトンさんからもひと言お願いします。

チルトン:
 地味な改善点ですが,正邪の大陸ではインタフェースも大きく変更しています。これまで何かしらコマンドが必要だった行為,例えば買い物も,店員をクリックするだけでメニューが出るようにしましたし,またいろいろなオブジェクトにカーソルを合わせると説明を表示するようしました。そのため,これまで以上にまったくの初心者にもプレイしやすくなっています。
 正邪の大陸は,UO未体験の人はもちろん,MMORPG未体験の人にもお勧めできる内容だと自負しています。ぜひみなさん,遊んでみてください。

4G:
 それではお二人とも,本日はありがとうございました。

話し始めたら止まらない二人。長時間お話ししてくれて,ありがとうございました
 
 秒針分歩のPCゲーム業界では,5年間というのはあまりにも長い時間だ。なぜこれほど長い間,MMORPG業界のトップランナーの維持できたのか? 二人の話を聞いて,その秘密がほんの少し分かった。
 ユーザーの視点をも持つこの二人がいる限り,UOは,良い方向,つまりユーザーの望む方向に進化し続けることだろう。

 

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