= forGamer.net 独占インタビュー = Chris Taylor on 「Dungeon Siege」 5/5
2001/08/04
文/写真 奥谷海人
カスタマイズ可能なインタフェースと"ロバ"の存在
Dungeon Siegeでもひときわユニークなのが,プレイヤーキャラクターの持ちきれないアイテムを運んでくれるパックミュール(荷ロバ)の存在だ。"パーティ"という意味では最大8人という枠内で数えられてしまうが,攻撃力などは持ち合わせていない。ただパーティの後方からついて回るだけなのだ。これも,元はプレイヤーが村へ引き返してアイテムを売買しなくても済むようにと考えられたことだが,遊び心もある要素の一つである。
forGamer.net:
画面を拝見する限り,インタフェースが非常に簡素になっていますね。
Taylor:
インタフェースは最大化/最小化ができるようになっており,配置も自由にできるんです。ペーパードールは3D化されていて,頭,胴体,手,足,靴に加えて四つのリングスロットも完備していますよ。武器は,剣のような至近距離用の武器と,弓のような長距離用の武器を同時に持つことができ,キーアサインしていれば,ボタン一つで変更することが可能です。また別のキーアサインで,パーティメンバー全員を瞬時に長距離攻撃から至近距離攻撃に変更させることだってできます。
forGamer.net:
そのあたりは,かなりキーボードに頼っていますね。
Taylor:
すべてマウスだけでプレイできるように作っているのですが,ハードコアなゲーマーなら少しでも時間を縮めたい,という要望があって当然ですし,それも我々がプレイヤーに与えられる自由度の高さへの一貫した心構えですね。マウスの操作も非常に簡略化されており,カーソルで複数のアイテムをグルーピングすれば,指示を受けたキャラクターが自動的に全部取りに行ってくれます。また,アイテムの収拾をキーアサインで自動化したり,キャラクターが拾ったものを自動的にロバに移したりすることも可能です。
forGamer.net:
ロバにも体力ってあるんですよね?
Taylor:
ええ。攻撃もできないし防具も装備できないですが,パーティに長く連れ添っているほど体力や回復力が向上していくようになっているんですよ。
forGamer.net:
ロバのインベントリー(=アイテムスロット)の大きさは,どれくらいの大きさでしょう?
Taylor:
ロバのインベントリーはキャラクターの3倍 ―― つまりキャラクターのスロットが4×13マスですから,ロバは12×13ということになりますね。アイテム管理もプレイヤーにとってプラスになるよう考慮していて,インベントリー内のアイテムを自動的に並び替えたり,キャラクターからキャラクターへのアイテム移動も1クリックでできるようになっています。
あと,キャラクターが武器を何も持っていない場合は,武器アイテムを拾ったら自動的に装着されるのです。何か持っている状態のほうが良いですからね。マジシャンを育てたければ,魔法で攻撃するような設定にしておけば良いだけですし。
forGamer.net:
インベントリーでは,ポーションや薬草のようなものはスタックできるようになっているんですか?
Taylor:
いや,できません。なぜかというと,ポーションはキャラクターが使用したぶんだけしか減らないようになっているお徳用サイズだからです。さらに,減ったポーションを1つの容器に注ぎ足したり,ということもできます。
forGamer.net:
ペーパードール内にはスペルブックもありますね。
Taylor:
はい。スペルブックはペーパードールから(Ultima Onlineのように)開くこともできますが,キャラクターによって最小化された形でメインメニューに配置できるようになっていて,ドロップダウン方式で10種類までの魔法を引き出せます。
forGamer.net:
それはいいですね。わざわざページをめくらなくてもいいということでしょう?
Taylor:
そうそう,全くその通りですね。Dungeon Siegeでは,攻撃系統と自然系統の二つの宗派に分かれた魔法が100種類登場しますが,MOD製作者が魔法を作り始めると結果的に1000を超えるスペルの種類になってしまうことだってあり得るじゃないですか。そうすると,キャラクターが覚えた何百という魔法の中でも使わないものがいっぱい出てくるという弊害が生まれますから,使用頻度の高いものをリストにしておくという方式を取っているのです。なにしろ,リアルタイムのゲームではスペルブックをめくって魔法を探している時間なんてないですしね。
さらにいうと,熟練のメイジキャラクターが使わなくなった魔法を駆け出しのメイジキャラクターに譲ることも可能で,必要ないなら町で売ってしまっても構いません。
forGamer.net:
最後になりましたが,テイラーさんがトータルアニヒレーションでやっていたように,Webを使ったファンサービスも考えてますか?
Taylor:
はい,それは約束しますよ。今マイクロソフトと話し合っていて,プレイヤーに存分に楽しんでもらえるようなサービスの企画を立てています。トータルアニヒレーションで行ったように,毎週新しいアイテムやマップも公開していく予定ですし,(同じくWebで無料配布される)Siegeエディタのサポートやアップデートも行っていきますよ。ここまで注目してもらっている作品なので,僕としても皆さんの期待に応えられるように頑張っていきたいと思います。
今流行りのアクションRPGのようだが,戦略的な要素も数多く含み,最新のグラフィックス技術で前評判の高いDungeon Siege。プレイヤーの意思を尊重した,ハマれるゲームになりそうだ。
発売時期は明確には決まっていないが,今秋には店頭に並ぶことを念頭に開発が進められている。日本でもマイクロソフトより発売される見通しで,日本のRPGファンをも十分に魅了する作品になるだろう。
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