Lords of the Realm 3

 まだα版であるというわりには,かなり出来上がっているように感じられたのが「Lords of the Realm 3」。完全3Dのグラフィックになった,「Caesar」や「Pharaoh」で知られたシミュレーション専門の開発チーム,Impression Studios社の最新作だ。アメリカでは,同じ作品でも違う開発チームがシリーズ化することが多いが,Impression Studios社では,一貫してシリーズ作品の開発を手掛けていることからストラテジーファンには信頼されているといえる。実は,制作発表が始めて行われたのは2001年の10月のことだが,ここに来てようやく本格的な開発がスタートしたようである

 「Lords of the Realm 3」は,中世のヨーロッパを舞台に,プレイヤーがウィリアム・ワレスやロビン・フッドなどの指導者となって,マップ全土を制覇するのが目的だ。現在,イングランド,スコットランド,アイルランド,フランス,ドイツ,イタリアなど12のマップが用意されていて,それぞれが数十種類の地域に分かれている。ストーンヘンジやロンドン市街などの,実在のロケーションも登場し,弓兵や騎馬兵や様々な攻城兵器を利用して戦う。教会からのサポートなども必要であるなど,時代背景をも考慮した内容になっている。
 α版とあってイギリスのマップしか用意されていなかったが,これらの地域を4つから5つの勢力が争い合っており,最終的には全土を掌握するのが目的となる。興味深いのは,全てがリアルタイムで進行することだ。攻城戦シーンや戦闘シーンは別マップに画面に切り替わる。しかし,プレイヤーが別画面で戦闘している途中でも,他の地域での戦闘はリアルタイムで行われており,プレイヤーはどの戦闘を優先させるを選択しなければならない。多いときでは,10近くの戦闘が行われるような状況にもなるとのことだ。α版では,異なるバトルフィールドには1度メイン画面に戻る必要があったので,戦闘マップだけをホットキーで切り替えていくような仕様も欲しいところだ。
 1つ1つの軍隊は,雇用したヒーローユニットが引率することになり,鎧に身を固めたような戦士や,ウィザード風の装束のヒーローなどのイメージ画が用意されていたが,戦場では一様に馬に乗ったリーダーユニットとして表現される。攻城戦では,騎馬や歩兵などのタイプに分かれた複数の軍団を,シージタワーに乗せたり投石で壁を破壊して突入したりというものになっていた。1つ1つの軍団は,俗にグルーピングと呼ばれるマウスでの囲い込んで指定するのではなく,1クリックで全てのユニットを指定できるのは良いアイデアといえるのではないだろうか
 「Lords of the Realm 3」製品版では城を設計できるようなエディターも付属される予定で,2003年第3四半期中にはリリースされる。