Hoyle Majestic Chess

 今回発表された作品の中でも異色なのが,Fluent Entertainment社が開発する「Hoyle Majestic Chess」である。Hoyleは,カジノ御用達のトランプを製造するUS Playing Card社の保有するブランドで,カジノゲームでは知られた名前である。VU Games社では「Casino Empire」などHoyleブランドのゲームソフトも幾つか既にリリースしている。
 「Hoyle Majestic Chess」は,様々な相手と戦うシングルプレイヤーモードはもちろんのこと,マルチプレイヤーモードも完備した本格的な作品で,チェスファンには満足のいく内容だ。しかし,一般的なゲームファンの注目すべきところは,このゲームにはもう1つ,アドベンチャーモードが用意されているところだろう。アドベンチャーモードでは,まるで「Heroes of Might & Magic」や「Age of Wonder」のようなグラフィックスの画面に切り替わるのだが,それでもなお,チェスゲームである。
 「Hoyle Majestic Chess」のアドベンチャーモードは,ストーリーによって進められていき,敵が待ち構える城や砦へと進行していく。バトルシーンが始まるとチェス画面に切り替わり,最初は数個の駒でのチェックメイトなど簡単な操作やルールの解説から始まり,最終的にはフルスケールでのチェスが行われる。つまり,チェスのチュートリアルがアドベンチャーゲームになっていて,楽しみながらチェスを学べるという趣向になっているのである。1つのゲームに勝つと,ある程度の賞金を得て,自分の持ち駒を増やすことができる。その他にも特殊アイテムが存在しており,待ち時間を延ばす砂時計も購入できる。シナリオは全部で8種類用意されている。
 シングルプレイヤーモードの難易度は20パターンに調整できるようになっており,大理石や木製などテクスチャーを変更することも可能だ。アドベンチャーモード以外は,リプレイ機能も装備されている。
 発売は今年の夏を予定している。